クマタカが都心で人を殺した!?
高瀬 甚太
イソップ寓話の中に、『鷹と矢』という話がある。鷹が獲物の兎を狙おうとして、岩の上から目を凝らして兎を追いかけていた。そこへ物陰に潜んでいた射手が矢を鷹めがけて放った。矢は鷹の心臓に突き刺さり、鷹は倒れた。虫の息の鷹が矢の矢羽根を見ると、鷹の羽で作られた矢羽根だった、というもので、この寓話には、「己を滅ぼすものは己である」といった教訓がある。
私が鷹に興味を抱いたのは、教訓に導かれてのものでは、もちろんない。だが、結果的に、私の関係したこの事件は、皮肉にも教訓