水円 岳

あらかんの怠け者のおっさんです。俳句から超長編小説まであらゆる文章を書きます。恥も冷や…

水円 岳

あらかんの怠け者のおっさんです。俳句から超長編小説まであらゆる文章を書きます。恥も冷や汗もかきますが、デリカシーにはかけます。作話は画像連想式です。

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  • てぃくる

    長編小説『ぐりーんふぃんがーずくらぶ日誌』の幕間繋ぎ用に書き連ねてきた小ネタ集を、独立させました。画像と短い文章の組み合わせ。内容は雑多です。

  • アナウンス&作品紹介

    自作小説の新作アナウンス、公開済み作品の紹介などをつらつらと。

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せるふ いんとろだくしょん ……てか?

 えーと。水円 岳と申します。  せるふ・いんとろだくしょんをぶちかましておこうと思います。 せ 性格は明るいと思いますが、怠け者で、気は利きません。 る るっくすは年齢相応のおっさん……というか爺さんです。 ふ 服装を考えるのが面倒なので、年中同じような格好をしています。 いん 印象的なものを見たり、聴いたり、感じたりするのは好きです。 と とにかくいろんな文章を書き散らします。超短文から超長編までなんでもござれ。 ろ 老化してきたなあという実感はあります。特に

    • てぃくる 1026 こころのかたち

      「こころに形ってのがあると思うかい?」 「さあ。俺はそんなものないと思うがな」 「私も、こころに形があって欲しくはない。変幻自在ってのが理想だよ」 「今は違うのか?」 「違うね。形がないのは不便だと言って、型にはめたがるやつがとんでもなく多いんだ」 「型になんかはまらんだろ」 「もちろんだよ。こころってのは入れる型に必ずしもなじんではくれない。そうすると、無理やり型にはめようとしてこころを切り刻もうとするやつがいるのさ」 「……」 「自分のをそうするならまだしも、人の

      • てぃくる 1025 暗ければ暗いでなんとかなる

         世の中が暗いと文句を言うやつがいる。  文句を言う暇があるなら、自力で明るくすりゃあいいと思うんだが。  文句を言うやつほど、暗いところから出てこようとしない。  アスナロは耐陰性の高い針葉樹です。成長はゆっくりですが、樹体形成の柔軟性が高く、あっちゃこっちゃに枝を広げながらゆっくりと高くなっていきます。暗いところでずっと我慢するつもりはさらさらなく、暗いとへたってしまう陽キャの樹木を足蹴にしながら、最終的には高木になるのです。  アスナロの語源には諸説あって、「明日は

        • てぃくる 1024 同じ方向

          「みんな同じ方向に向かってるな」 「よくない傾向だ」 「たまには違う方向に向くことも大事だと思うのだが」 「俺もそう思う」 「じゃあ、違う方向に向いてくれ」 「何を言う。言い出しっぺの法則を知らんのか」 「法則? そもそもそれが同じ方向に向かせるための方便だろうが」 「む。それもそうだな。だが、俺は様子を見る」 「……もしかして。みんな、同じ方向に向いているというのは錯覚か?」 「さあ。考えたことないし」  まあ、実際にはみんなあっちゃこっちゃ好きな方向に向いてるん

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          てぃくる 1023 白の呟き

          日差しがないから 薄汚れているわけではない 影を背負っているから うらぶれているわけではない 雨に打たれているから くたびれているわけではない 咲く場所が悪いから 見捨てられているわけではない わたしは 定められた時に 与えられた場所で いつものように咲く わたしを惨めに貶めているのは ただ貴方だけだ ◇ ◇ ◇  雨に打たれている夾竹桃の白い花。青空がバックにあると最高に映えるんですけどね。ただ、いつどのように咲いても花は花です。もし彼らが嘆いていたとしても。

          てぃくる 1023 白の呟き

          てぃくる 1022 小出しにできない

          「ここんとこ、てんこの髪ぃ薄なってきててん」 「せやな。カッパまっしぐらちゅうか」 「ほっとけ。ほんでもって、こらあヤバい思て、毛生え薬買うてん。めっちゃ効くぅ言うて、はやっとるやつ」 「効いたん?」 「確かにめっちゃ効いた。せやけど」 いきなりこれはないわなあ ◇ ◇ ◇  全く効かないよりは、ばっちり効く方がずっといいんですが。  過ぎたるは及ばざるがごとし、なんですよねえ。  効果を小出しにできないのは、結構イタいです。  もっとも。  植物が新芽を伸ばすな

          てぃくる 1022 小出しにできない

          てぃくる 1021 米を研ぐ

          「なに? 米を研いだことないって?」 「ない」 「炊く前に研ぐってとこまでは調べたわけね」 「ううん。だから砥石が要るのかなあと思って買った」 「食べるとこなくなったでしょ」 「上新粉になった」 「砥の粉混じりの団子なんか食べたくないって」 「うー」 「で、次は洗剤入れて洗ったわけね」 「うん。きれいになるかと思って」 「まあ、きれいにはなるけど。ご飯が洗剤味になったでしょ」 「……」 「そいで、お母さんにやり方聞いたわけね」 「うん。心を込めてしっかり研げって」

          てぃくる 1021 米を研ぐ

          てぃくる 1020 濡れそぼる

           神様に捧げられるものをこんなに濡らしていいのか?  花を雨で叩かれて憤慨していたら、神様に言われた。  雨の神様もおるんや。  しゃあないやろ。 ◇ ◇ ◇  というわけで。運悪く雨に当たってしまったサカキの花。  ツバキの仲間ですから、花にはそこはかとなくツバキっぽい雰囲気がありますね。花後に時間をかけて黒く丸い果実を実らせますが、その頃にはなんの木だかわからなくなっています。神事に使われる木ながら、特にこれと言った特徴がないんですよね……。 神宿る榊の花はただ寂

          てぃくる 1020 濡れそぼる

          てぃくる 1019 努力はしてみるけど

           丈夫で管理が楽だということで、公園や緑地帯によく植えられるアツバキミガヨラン。ランとついていますが、もちろんランの仲間ではありません。キジカクシ科(旧ユリ科から分家。アスパラガスなどと同じ仲間です)で、原産地は北米。朴もの観葉植物でおなじみのユッカの一種です。  一度花が咲くと枯れてしまうリュウゼツランなどと違い、アツバキミガヨランはほぼ毎年花を咲かせます。花自体は白系の地味な色目なのですが、なにせ花穂がでかい。ものすごーく目立ちます。画像はそのアップです。  一つ一つの

          てぃくる 1019 努力はしてみるけど

          てぃくる 1018 ひも

           ひものようだと言われたが、ヒモほどまめじゃない。  ひものようだと言われたが、ヒモだとすれば臭すぎる。  ひものようだと言われたが、ヒモの俺の方が女より目立っている。  ひものようだと言われたが、用済みになればヒモを強制卒業だ。  で。  なんで俺をこんな小さな花壇に植えるかな。  臭いわ、でかくなるわ、ちくちくをばらまくわ、だぞ?  周りから嫌がられるだろうに。  俺はヒモを満喫できるからいいけどよ。 ◇ ◇ ◇  本来大きくなる木なんです。どんなにコンパクトに仕

          てぃくる 1018 ひも

          てぃくる 1017 見た目に騙されてはいけない

          ねえ よく熟してるでしょ? おいしそうでしょ? 食べて食べて! どあほう! こんな酸っぱいのが食えるかあっ!  まあ、そうですよね。本当に熟しているのなら、鳥が放っておくはずがありません。  クワの実は白、オレンジ色、赤、紫黒色と、熟す過程でどんどん色が濃くなっていきます。服についた色が取れないくらい濃くならないと、おいしくありません。  んでもって、画像のクワは野良クワです。鳥がせっせせっせと実を食べて種子をばらまくので、のべつまくなしに生えてくるんです。養蚕を支える

          てぃくる 1017 見た目に騙されてはいけない

          てぃくる 1016 スリム

           ハナアブ系に比べて全体にほっそりしているヒラタアブの仲間ですが、こいつはその中でも特にスリムです。  ミナミヒメヒラタアブの男の子。女の子はほんの少しお腹がふくよかになるようです。花の上で見かけることが多いんですが、食後のいっぷくをしていたのか、ヒメジョオンの葉先に静止していました。  ちなみに。このスリムでスマートな容姿に似合わず、子供は肉食。鉢物のアブラムシを退治してくれる有能なハンターなので、訪問はいつでも歓迎いたします。 口持たぬ蜻蛉一尾 壁に溶ける (20

          てぃくる 1016 スリム

          てぃくる 1015 加害者と被害者

          「傷をつけてるんだか、傷がついてるんだか、わからんな」  切った鋸なら加害者で、切られた木材なら被害者  明るいやつは加害者で、暗いやつが被害者  上にいる連中が加害者で、下敷きになってるのが被害者  エッジが立ったやつが加害者で、エッジの丸いやつは被害者  無傷なやつが加害者で、虫に食われたやつは被害者  鮮明なやつが加害者で、ぼけてるやつが被害者  ……………… 「だんだん理屈がわからなくなってきたが」 「実際のところ、加害と被害の間にはそれくらいの差しかないというこ

          てぃくる 1015 加害者と被害者

          てぃくる 1014 赤ずきんを探せ

          「ウォーリーは地味だから探すの大変だけど、赤ずきんなら楽勝だろ」 「へー。いいけど。探してみ」 「ごめんなさい。わたしが悪ぅございました。難易度高すぎ」 「時間内に見つけられんかったら、あんたが赤ずきんの代わりに狼に食べられるからね」 「うっそおおおおおっ!」 ◇ ◇ ◇  まあ、食べられなくはないんですが。  クサイチゴは、キイチゴ類の中ではそんなに食味のいい部類ではないです。味が薄くて頼りない感じ。色はとてもきれいなんですけどね。 木苺の実り待つ間に砂糖買う (

          てぃくる 1014 赤ずきんを探せ

          てぃくる 1013 雪のように白く

          「ただ白いのはいやなんだよ。雪のように白くなりたいんだ」 「ほう? 白いものは他にもいろいろあるのに。わざわざ雪か。何か理由があるのか?」 「白さを失うと同時に、色自体も失うだろ? その潔さが好きなんだ」 「そう見えるのはわかるが、実際は違う」 「え?」 「雪ってのはど真ん中に塵の核がある。それを起点に発達するんだよ。つまり融けても塵の色は残るのさ。ごく淡いから気づかないだけだ」 「知らなかった……」 「塵の色から解き放たれて白くなり、融ければ塵の色に戻る。自然でいいと

          てぃくる 1013 雪のように白く

          てぃくる 1012 星の中に星を探す

          たくさん 星が あるのだから その中の 一つくらいは 手元に 置きたくなる どの星がいいか 見比べていたら どれも 星に見えなくなってきた 星は ずっと変わらず星なのに どの星も 私に微笑むのだ あなたの側に 行けば わたしは あなたから 見えなくなるの 星では なくなってしまうの 森満ちて万光星と散りにけり (2023-05-16)

          てぃくる 1012 星の中に星を探す