水円 岳

あらかんの怠け者のおっさんです。俳句から超長編小説まであらゆる文章を書きます。恥も冷や…

水円 岳

あらかんの怠け者のおっさんです。俳句から超長編小説まであらゆる文章を書きます。恥も冷や汗もかきますが、デリカシーにはかけます。作話は画像連想式です。

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  • てぃくる

    長編小説『ぐりーんふぃんがーずくらぶ日誌』の幕間繋ぎ用に書き連ねてきた小ネタ集を、独立させました。画像と短い文章の組み合わせ。内容は雑多です。

  • アナウンス&作品紹介

    自作小説の新作アナウンス、公開済み作品の紹介などをつらつらと。

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せるふ いんとろだくしょん ……てか?

 えーと。水円 岳と申します。  せるふ・いんとろだくしょんをぶちかましておこうと思います。 せ 性格は明るいと思いますが、怠け者で、気は利きません。 る るっくすは年齢相応のおっさん……というか爺さんです。 ふ 服装を考えるのが面倒なので、年中同じような格好をしています。 いん 印象的なものを見たり、聴いたり、感じたりするのは好きです。 と とにかくいろんな文章を書き散らします。超短文から超長編までなんでもござれ。 ろ 老化してきたなあという実感はあります。特に

    • てぃくる 998 競演

      「あなた、わたしと張り合おうっていうの? そのきったない色で?」 「余計なお世話だ。俺は見た目より量で勝負なんだよ。マッチングが風まかせだからな」 「ふふん。わたしの花を見に来てくれる人がいっぱいいるのよ。あんたは無視されるでしょ」 「その代わり、秋は俺の方がどんぐり豊作で目立つからな。その頃あんたは老ぼれだろ?」  満開のソメイヨシノと競い合うように、クヌギの開葉が始まりました。もう少ししたら花も咲き始めますが、クヌギの花は超お地味ですので花見の対象にはなりません。なか

      • てぃくる 997 嘘

         がんばって嘘を吐こうとしてみたんだけどさ。  嘘しか吐いたことがないからできないんだ。  本当のことを言えよって言われるけど。  誰が本当のことを知っているんだろう?  真実を上回れる嘘はないって言うけど。  嘘を上回れる真実もないと思うんだ。  人を傷つけない嘘なら吐いていいの?  人を傷つけない真実があるって以上に嘘くさいね。  嘘で世界を手玉に取れると豪語する人も。  自分は永遠に生きられるっていう嘘だけは吐かないんだ。  嘘で固めた真実なんてものはないって

        • てぃくる 996 役に立たない誘導灯

          「普通さあ、誘導灯って、飛行機の進路に沿って並ぶもんじゃないの?」 「しゃあないだろ。俺らに並ぶっていう概念がないんだから」 「航空機事故のもとになるんちゃうの?」 「事故らないよ」 「どして?」 「俺らの灯りは昼にしか見えないから」 「灯りの意味ないね」 「飛行機には、ね。俺らには意味あるんだからそれでいいじゃん 「そっか」 「んだ」  一筋の飛行機雲の下。  トサミズキの無数の誘導灯がぶら下がっています。  誰を誘導しているのかはわかりませんが、飛行機は誘導に

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        記事

          てぃくる 995 バターを濡らしてはいけない

          「バターを濡らしてはいけないんだよ」 「どうして?」 「バターがバターらしくなくなっちゃうからさ」 「バターはバターらしくなくちゃいけないの?」 「さあ。それはバター次第だと思うけど。でも、あたしはバターらしい方が好きかな」 「ふうん。濡れたくらいでバターらしくなくなるとは思えないけどなあ」 「そうかい? バターは泣いたり、汗をかいたり、水泳をしたりしないだろ」 「うん。だって、バターだもん」 「でもね、濡れるとそいつはバターでなくなろうとするんだ。何をどうしたってバター

          てぃくる 995 バターを濡らしてはいけない

          てぃくる 994 連れ星

          小さな星は 一つだと見つけてもらえない だから たくさん寄り集まって 連れ星になる 連れ星になって 初めてわかる 連れ星の中だと どれが僕かわからない それで いいのかな?  キュウリグサの小さな花。ものすごくいっぱい咲いているんですが、小さな花ゆえにあまり見てもらえません。これだけ集まっても地味なのですから、ましてやその一つでしかないのなら。  たくさんの花の中の一つになった今、自分はどこにいるのかなと。太陽を仰ぎ見る、この頃です。 霞目によく似合うよとかす

          てぃくる 994 連れ星

          てぃくる 993 全然似てない

          「なあ。俺、すっごく悩んでるんだ」 「なにに?」 「俺、全然似てないんだよ」 「親に?」 「勝手に騒動のもとを作り出すな!」 「ちぇ。つまらん」 「そうじゃないって。名前に」 「おまえに名前なんてあったのか」 「ひでえ。そこまで言うか」 「ちょー地味じゃん」 「まあ、そうだけどさ。でも、地味でも名前と外見くらい一致してないと、ますます埋没するからよ」 「ふむ」 「俺は雀には似てないし、槍も持ってない。ひどいと思わん?」 「やたらに毛深いから、ケダラケグサがよかった

          てぃくる 993 全然似てない

          てぃくる 992 明暗

          全き葉なら その下は暗い 欠けているから 光が通る 欠けた分だけ 明るくなる でも 全部欠けたら 僕がなくなる  普通の葉だと影に変化がありません。明るいか暗いか、ですね。その分、意識は葉そのものにしか向きません。  でも、病葉になると一転、影がとてもおもしろくなります。画像の葉もいろいろと置き場所を変え、葉の欠け落ちた部分からどのように光が通り、どのように影が落ちるのかを堪能しました。  葉が朽ちて原型が保てなくなると、影遊びもおしまいに。  新葉が透過光の明暗

          てぃくる 992 明暗

          てぃくる 991 食べ方が汚い

          「いやあ、確かに食われてなんぼではあるんだけどさ。もうちょっときれいに食えないのかね」 「なんか、齧ってみただけって感じだよな」 「中途半端に食べ跡残されると、まずいって感じ百パーセント増量になっちまうじゃん」 「実際、まずいし」 「自分で言うなっ!」 「それにしても、食べかけってのは見た目もよくないよなあ」 「齧られなくても、最初からよくないよ」 「自虐ネタ、さんくす」 「だいじょぶだー。最後にはなんとかなる」 「どこから来るんだ? その自信」 「俺からー」 「なんの根拠

          てぃくる 991 食べ方が汚い

          てぃくる 990 骨

          夏の終わりに 生まれ出で 秋には 月の埃を箒き 秋の終わりに 冬毛を纏う 冬に抗う間に 痩せて 今は膝抱く 骨ばかり それでも俺は 生き切った 春まで待てず 斃れるが それでも 俺は生き切った  様々に姿を変えながら、ずっと被写体になってくれたススキの穂が、そろそろ終焉の時を迎えます。  枯れ穂の足元ではすでに新芽がスタンバイ。旺盛な成長を始めるのは初夏になってからですが、また今秋も勢いよく穂を上げてくれるでしょう。  それまで。  ゆっくりお休みください。 霜柱小鳥

          てぃくる 990 骨

          てぃくる 989 キャラじゃない

          「なあ。俺たち、こういうキャラじゃないはずだよな」 「そうだよ。暖か、ふわふわ、しっとり、もこもこ。それが俺らのキャラだが……」 「どう見ても、その正反対だよな、冷徹、こちこち、べっしょり、ごりごり。やだなあ、こんなキャラ。どうする?」 「待つしかねえよ。融ければ元のキャラに戻れるはず」 「枯れたままだけど……」 「言うなっ!」  霜が降りると、地上の生物たちの様態が一変しますね。  普段は和ませ役のハイゴケが、壮絶なパンクファッションに!  こんなアイスクイーンになっち

          てぃくる 989 キャラじゃない

          てぃくる 988 未だ

          花の便りは 聞こえてきたが 俺の花は 未だ夢の中でしか咲かない 残り少ない 去年の栄華が 寒空の下 かさりと寝返りを打つ 撫でる者待ちて揺れゐる猫柳 (2023-02-26)

          てぃくる 988 未だ

          てぃくる 987 減らないなあ

          「もう正月はとっくに過ぎてるよなあ」 「いつの話をしている。もうすぐ三月だぞ」 「いや、俺たち減らないなあと思ってさ」 「己を安売りしないだけだ」 「でも今はともかく、これからどんどん見た目がぼんぼろりんになっていくよなあ。男前のうちに嫁に行きたいじゃん」 「男が嫁に行ってどうする!」 「まあた、そんな前時代的な価値観に凝り固まってー。だから食ってもらえないんだよー」 「食ってもらえんのはおまえも同じじゃないかっ!」 「ちぇー。紅顔の美男子なのになあ」 「おまえは厚顔

          てぃくる 987 減らないなあ

          てぃくる 986 なんだ、君は!

          「いきなり出てきたらびっくりするではないか!」 「去年の秋からずっといるよ」 「気味が悪いからさっさと退去してくれ!」 「そうはいかない。出番はこれからなんだ」 「徒党を組んで、人を脅そうっていうのか!」 「驚いてるのはあんただけだよ。俺らは静かなもんだ」 「なんだ! グロいのは見かけだけか!」 「ふふふ。少しずつでかくなるから、もっとグロくなるぜ」 「こいつ……でも、こけおどしに過ぎんのだろう!」 「まあな。せいぜい、鼻に悪さするくらいなもんだ」  つーことで。裸

          てぃくる 986 なんだ、君は!

          てぃくる 985 ふとん

          「ふとん、あったかいね」 「まあな。でも、ちょっと俺たちには大きすぎだ」 「ええー? 寒いんだからおっきい方がいいじゃん」 「今はな。春になったら、ふとんは邪魔」 「わがままだなー」 「いんだよ。ふとんは毎年新調されるんだから」 「でも、あたしたちが新調される保証はないよ?」 「ぐむむ」   クヌギの落ち葉に埋もれるようにして、ハハコグサがひょこっと顔を出していました。確かに窮屈そうですが、強風が吹けば「ふとんがふっとんだ」になります。  もっとも、ふとんなしでもハハ

          てぃくる 985 ふとん

          てぃくる 984 なんだかなあ

          「バレンタインデーにチョコもらえるやつはいいよなあ」 「俺たちなんか本命チョコどころか、義理チョコもトモチョコももらったことないぜ」 「それ以前に。俺らチョコもらっても食えへんやろ」 なんだかなあ  紅顔の美青年たちは、まだまだチョコを受け付け中です。  対生の葉っぱの付け根の新芽が膨らんできたハクサンボク。花や新梢の展開までにはまだ間がありますね。しばらくは、なんだかなあポーズのままがんばるそうです。 バレンタインデー 七福神もチョコを貰ふ (2023-02-14)

          てぃくる 984 なんだかなあ