てぃくる 1013 雪のように白く
「ただ白いのはいやなんだよ。雪のように白くなりたいんだ」
「ほう? 白いものは他にもいろいろあるのに。わざわざ雪か。何か理由があるのか?」
「白さを失うと同時に、色自体も失うだろ? その潔さが好きなんだ」
「そう見えるのはわかるが、実際は違う」
「え?」
「雪ってのはど真ん中に塵の核がある。それを起点に発達するんだよ。つまり融けても塵の色は残るのさ。ごく淡いから気づかないだけだ」
「知らなかった……」
「塵の色から解き放たれて白くなり、融ければ塵の色に戻る。自然でいいと