マガジンのカバー画像

てぃくる

1,027
長編小説『ぐりーんふぃんがーずくらぶ日誌』の幕間繋ぎ用に書き連ねてきた小ネタ集を、独立させました。画像と短い文章の組み合わせ。内容は雑多です。
運営しているクリエイター

記事一覧

てぃくる 1026 こころのかたち

「こころに形ってのがあると思うかい?」 「さあ。俺はそんなものないと思うがな」 「私も、…

水円 岳
22時間前

てぃくる 1025 暗ければ暗いでなんとかなる

 世の中が暗いと文句を言うやつがいる。  文句を言う暇があるなら、自力で明るくすりゃあい…

水円 岳
3日前

てぃくる 1024 同じ方向

「みんな同じ方向に向かってるな」 「よくない傾向だ」 「たまには違う方向に向くことも大事…

水円 岳
7日前
1

てぃくる 1023 白の呟き

日差しがないから 薄汚れているわけではない 影を背負っているから うらぶれているわけでは…

水円 岳
10日前
1

てぃくる 1022 小出しにできない

「ここんとこ、てんこの髪ぃ薄なってきててん」 「せやな。カッパまっしぐらちゅうか」 「ほ…

水円 岳
12日前
1

てぃくる 1021 米を研ぐ

「なに? 米を研いだことないって?」 「ない」 「炊く前に研ぐってとこまでは調べたわけね…

水円 岳
2週間前
1

てぃくる 1020 濡れそぼる

 神様に捧げられるものをこんなに濡らしていいのか?  花を雨で叩かれて憤慨していたら、神様に言われた。  雨の神様もおるんや。  しゃあないやろ。 ◇ ◇ ◇  というわけで。運悪く雨に当たってしまったサカキの花。  ツバキの仲間ですから、花にはそこはかとなくツバキっぽい雰囲気がありますね。花後に時間をかけて黒く丸い果実を実らせますが、その頃にはなんの木だかわからなくなっています。神事に使われる木ながら、特にこれと言った特徴がないんですよね……。 神宿る榊の花はただ寂

てぃくる 1019 努力はしてみるけど

 丈夫で管理が楽だということで、公園や緑地帯によく植えられるアツバキミガヨラン。ランとつ…

水円 岳
3週間前
2

てぃくる 1018 ひも

 ひものようだと言われたが、ヒモほどまめじゃない。  ひものようだと言われたが、ヒモだと…

水円 岳
3週間前
1

てぃくる 1017 見た目に騙されてはいけない

ねえ よく熟してるでしょ? おいしそうでしょ? 食べて食べて! どあほう! こんな酸っぱいの…

水円 岳
4週間前
1

てぃくる 1016 スリム

 ハナアブ系に比べて全体にほっそりしているヒラタアブの仲間ですが、こいつはその中でも特に…

水円 岳
1か月前
1

てぃくる 1015 加害者と被害者

「傷をつけてるんだか、傷がついてるんだか、わからんな」  切った鋸なら加害者で、切られた…

水円 岳
1か月前
1

てぃくる 1014 赤ずきんを探せ

「ウォーリーは地味だから探すの大変だけど、赤ずきんなら楽勝だろ」 「へー。いいけど。探し…

水円 岳
1か月前
1

てぃくる 1013 雪のように白く

「ただ白いのはいやなんだよ。雪のように白くなりたいんだ」 「ほう? 白いものは他にもいろいろあるのに。わざわざ雪か。何か理由があるのか?」 「白さを失うと同時に、色自体も失うだろ? その潔さが好きなんだ」 「そう見えるのはわかるが、実際は違う」 「え?」 「雪ってのはど真ん中に塵の核がある。それを起点に発達するんだよ。つまり融けても塵の色は残るのさ。ごく淡いから気づかないだけだ」 「知らなかった……」 「塵の色から解き放たれて白くなり、融ければ塵の色に戻る。自然でいいと