前世はねジュゴンだったのかもしれない アマモの森がこんなに恋しい
ブラウン管今更だけど写真くらい 撮っておけば良かったと思う
このリズム娘三人寝かせたる 匠の業ぞ眠れ初孫
その街は君を包んでくれますか もうすぐ寒い風が吹きます
獣追う空砲谷に轟きて 湯面微か揺らすは誰そ
四世代長女の写真撮りて思う 入る余地なし かなわぬなぁと 全員が長女なんだよこの四人 三女は言って恐れて笑う
波に押されガンガゼの群れに体当たり 悪夢で目覚め海ぞ恋しき
短歌にはしにくけれどこの偉業 この日の記録留め置かなむ
プリプリの曲に合わせて歌いける ブラウン管を知らぬ世代よ
ぬるめの湯 雨は水面に輪を描き 妻と娘は家族風呂なり
インスタで微笑むモデル14歳 誤解だってば慌てスワイプ
兄嫁と母の対立表面化 そろそろお鉢の廻り来るらん
ふるさとの実家の庭のカンナ咲く 今は無人の空き家の庭に
熱低を追って来たるか秋太郎 処暑の波間を翔るちからぞ
田も畑も草木も蟇も喜びぬ ひと月振りの恵みの雨ぞ
猫耳を着けた戦士の幟旗 原爆の日の空にたなびく
ガラス越し聞ゆ嬰児の泣き声に 目尻を下ぐる新祖父母かも