連獅子

【劇評183】深まる秋。菊之助、踊り二題に遊ぶ。

御園座で行われていた『錦秋御園座歌舞伎』の千穐楽、十八日に日帰りで行ってきた。台風などさまざま理由が重なり、ついに見逃すのかと残念に思っていた。
 このプログラムの構成について、考えるところががあり、すでにこのNOTEにも、『京鹿子娘道成寺』ではなく、なぜ『鐘ヶ岬』なのか。『春興鏡獅子』ではなく、なぜ『連獅子』なのかを書いた。実際の舞台を観て、その実質を確かめなければと思い、なんとか見ることが出来

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「好き」って言い言葉ですね!
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写真集「連師子」ができるまで ー #5 あなたの言語は

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写真集「連師子」ができるまで ー #1 穴の空いた写真
写真集「連師子」ができるまで ー #2 どう撮るのが正解なのか
写真集「連師子」ができるまで ー #3 ラジオの音に
写真集「連師子」ができるまで ー #4 茹でたカニのように

僕が初めてフランスのアルル国際写真フェスティバルに参加したのは2016年の夏だった。
ジリジリと強い日差し、土の匂い。地元徳島に帰ったようなどこ

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菊之助は、なぜ 『春興鏡獅子』ではなく、『連獅子』を名古屋で踊るのだろう。

『連獅子』を見るたびに、思うのは、役者であることの業なのだった。

 同じ石橋物でも『春興鏡獅子』は、九代目團十郎と六代目菊五郎が練り上げた品格を感じる。舞踊として自立しているがゆえに、役者と踊りが正面から向かい合っていると感じる。

 ところが、『連獅子』は、親と子、師匠と弟子、同門のライバルなど、年齢や技量に差があっても、競い合いの要素が強い。

 獅子は生まれた子供を千尋の谷底に突き落とし、

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写真集「連師子」ができるまで ー #4 茹でたカニのように

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写真集「連師子」ができるまで ー #1 穴の空いた写真
写真集「連師子」ができるまで ー #2 どう撮るのが正解なのか
写真集「連師子」ができるまで ー #3 ラジオの音に

2018年、とある依頼撮影で兵庫県の城崎を尋ねた。そこは、日本全国はもちろん各国からも観光客が足を運ぶ温泉街だ。

この町の試みの一つに「本と温泉プロジェクト」がある。
著名作家がこの土地を舞台にした小説

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写真集「連師子」ができるまで ー #3 ラジオの音に

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写真集「連師子」ができるまで ー #1 穴の空いた写真
写真集「連師子」ができるまで ー #2 どう撮るのが正解なのか

「これは何ていう舞台ですか?」
「それは"雪の道"ね。昔別れた男女が雪の道で再会するんだけど、また別れてしまうお話」
「これは?」
「それは"道成寺(京鹿子娘道成寺)"ね。国立劇場でやったときのよ。」
「師匠のこの写真、かっこいいですね。」

ある日、師弟関

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写真集「連師子」ができるまで ー #2 どう撮るのが正解なのか

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写真集「連師子」ができるまで ー #1 穴の空いた写真

「君が写真家だって?おいおい。〇〇先生知ってる?」
ちょうど写真集の制作中に開いた、別の作品の展示会場でのこと。
作品を見ずに、というより僕の顔を見てすぐに始まる「あれ」だ。。。
「あなたモグリじゃないの。何歳?」
突然目の前で罵倒をはじめた初老の彼とは初対面。名前を聞いても名乗らない。
「僕は〇〇寺で展示したこともある

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写真集「連師子」ができるまで ー #1 穴の空いた写真

薄暗い舞台袖。向こうから差し込む光で、彼女のシルエットが浮かび上がっている。
キン、キン
舞台の始まりを知らせる拍子木の音が、僕や彼女の間をすり抜けて観客たち全員を射抜く。

鼓膜が破れないかと心配してしまう鋭いこの音を、「チョン」とやけに可愛いい言葉で表すのだと、僕は後に教わった。
本日の演目は...

これは、自分のストレートなドキュメンタリー作品に限界を感じていた30代の写真家が、様々な出会

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【歌舞伎感想】連獅子 〜命の煌めきパワー〜 (2020年8月歌舞伎座公演)

歌舞伎座再開初日の連獅子を観劇したと申しましたが、「連獅子…マジ命の煌めきだわ…」と感動したのにも関わらず、前回記事がアツくなっちゃって長くなり入りきらなかったので、今回は連獅子自体の感想述べていきたいと思います!

花道真横の座席…全てが近い…スゴ…

 実は今回、1階席花道真横という超ド級の優良座席で観てしまったんですよ…!というのも、前日夜に空席状況見たら、1階席に丁度そこだけポコッと空いて

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嬉しみの鎌足!
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興行再開の歌舞伎座・連獅子。愛之助=親獅子の慈愛に満ちた父性と、歌之助のナイストライ。

というわけで、歌舞伎座での八月花形歌舞伎、時勢に鑑み、1部当たり1演目の4部制というイレギュラーな興行の第1部を観てきた。5か月ぶりの歌舞伎興行が威勢よく連獅子で始まるというのは、なかなか乙な企画ではないだろうか。愛之助と壱太郎という組合せも、このようなイレギュラーな状況ならではの取り合わせという感じもあって興味深い。

<開演。アナウンスに続き、愛之助の父性が滲み出る。>

 この日の開演前のア

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また読みにいらしてください!
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<予告!>歌舞伎座第1部「連獅子」のレビュー書きます!

今日は、歌舞伎座第1部「連獅子」のレビューを書こうと思っていたのだけれど、思い返せば思い返すほど、はっと気付かされるような、今回の座組ならではの新たな発見があったり、この状況で1日の幕開きに「連獅子」が踊られることへの感慨が積もったり、まとまらなくなってしまった。

 というわけで、明日、じっくり書こうと思います。という懺悔。。。

そちらの投稿も読ませていただきます!