河野真太郎

05_役に立つ学問とは何か? 役に立つ教育とは何か?

日本学術会議「問題」と人文学

 本稿を書きあぐねていた2020年10月1日に、総理大臣菅義偉が、日本学術会議の会員候補のうち6名を任命しなかったことが官房長官記者会見で明らかにされた。日本学術会議とは日本の国立アカデミーで、学術と科学研究の振興、学術の国際交流、学問的な知見による政策提言を行う機関である。210名の会員と2000名の連携会員で構成されている。会員は登録学術団体(学会)の推薦によっ

もっとみる
アランちゃんも喜んでいます!
12

亡国の防衛省 日本を「殺しやすくする」防衛省のサボタージュ

イージスアショアシステムの導入が中止されて数ヶ月経過する。

イージスアショアシステムは日本の防衛政策の核であった。しかしこの重要な防衛システム導入の中で防衛省は繰り返し繰り返し、無作為を繰り返した。防衛省のわざとなのかの無作為の連続に次ぐ連続で、とうとうイージスアショアシステム導入は中止されてしまった。これは日本の防衛政策の大失態だった。

まずイージスアショアシステムに採用されていたSPYー7

もっとみる

04_「主体性評価」が進めば、階層の分断を固定化することになる

ポストフォーディズムと主体性評価

 私は偏差値批判、詰め込み教育批判が、現在の高大接続改革といわゆる「主体性評価」につながっていると述べた。そのつながりを、ここで述べたような公教育の縮減と教育の私事化/私営化(privatization)で説明することはもちろん可能ではある。だが、現在進められている「主体性評価」は、単なる教育版の「小さな政府」──単に公教育を縮減すること──には留まらない意味と

もっとみる
アランちゃんも感謝しています!
34

03_「偏差値」はなぜ生まれ、批判されるに至ったか

三四郎的近代 

今回も少々個人的な物語から説き起こしたい。第1回で述べたように、私は山口県の出身である。大学に入った時点で「上京」した。1993年のことであった。

 中学生時代は勉強ができず落ちこぼれていた。謙遜ではなく、定期試験では後ろから数えた方が早いような状態だった。担任の先生に発破をかけられてなんとか県立高校に入学した(田舎では県立高校が進学校である)。

 その後は、大学に入るために

もっとみる
アランちゃんも感謝しています!
30

02_「高大接続改革」の名のもとに大学の教養課程は殺された

高大接続改革から高大一貫改革へ

 さて、今回いったんは頓挫した(しかしおそらくまだ追求されている)大学入学共通テストの改革と英語テストの外注化は、いかなる政策的な文脈から出てきたものであろうか。それは「高大接続改革」である。

 一体、「高大接続」とは何か。実はこの言葉は、現在の大学の教授会にほぼ毎回登場するほどに、大学が対応を迫られている言葉である。まずは、その改革を進める主体である文部科学省

もっとみる
アランちゃんも感謝しています!
27

01_大学改革とはすなわち「市場化」の別名に他ならなかった

2019年3月。私は10年間勤めた一橋大学を退職し、4月からは専修大学に勤務し始めた。

 2019年9月。私は霞ヶ関の文部科学省の前で叫んでいた。

 それまでの大学入試センター試験に代わって、2021年に実施が予定されている大学入学共通テスト。その中でもとりわけ各種業者試験の導入が検討されていた英語試験に反対するデモに参加して、叫んでいたのである。

 私は社会や政治について考えたり書いたりす

もっとみる
いい本とのいい出会いがありますように!
85

【お知らせ】専修大学教授・河野真太郎さんの連載が始まります!

こんにちは、編集部の田頭です。

本日より、専修大学教授・河野真太郎先生による新連載「一橋大学を辞め、文科省の前で叫んだ。」が始まります。

先生への原稿のご依頼は、本文にも出てくる、現代ビジネスに掲載された「私が一橋大学の教員を辞めた理由〜国立大に翻弄された苦しい日々」という記事を拝見したことがきっかけでした。

初めてお目にかかったのが、昨年秋、萩生田文科相による例の「身の丈発言」の翌日という

もっとみる
アランちゃんも喜んでいます!
14

なぜオフィスでラブなのか 出版記念トークイベントへ行ってきた!

前回のnoteで書いた #田中俊之 先生がこちらのトークイベントにゲスト出演されるということで、夫を誘って下北沢B&Bまで行ってきました。

著者の #西口想 さんと もう1人のゲストの #河野真太郎 さんのことはあまり知らずに行ってしまったのですが、お三方ともわかりやすいお話で勉強になりました。

男性のフェミニズム、、、と聞くとややこしそうですが、つまりはよく #ジェーンスー さんが言っている

もっとみる
嬉しいです^_^幸せな1日を!
2