ピナバウシュ

誉昧ダンス

「ヨマイです。よろしく」
「はい。よろしく」
「誉れに曖昧で『誉昧』です」
 
優一と私の公演は四日後に迫っていた。残りの日数は本番と同じ劇場で稽古できる。それはとても贅沢な事だ。舞踏と音楽、一夜限りの饗宴…勿体無いようだが、それはプロデューサーの策略らしい。身内の批評家、ライターばかりで客席を埋め、余計な悪評を書かせず、好評な講評のパーセンテージを上げる。即日完売の肩書、一夜の特別感を存分に利用

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意欲は、そして好奇心は絶えず補われる(2003)

2003年に行われたピナ・バウシュへのインタビュー記事を翻訳しました。ヴッパータール舞踊団がバーゼルにて、Der Fensterputzer(『窓ふき人』)を上演した際のものです。括弧内は筆者による補足説明です。

2003

ピナ・バウシュをバレエ監督として招いてから、アルノ・ヴュステンヘーファーは一年間、ヴッパータールの劇場の総合監督としての彼の役目を終えたいと思っていた。1974年に彼は、1

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とてつもなく素晴らしい(2003)

2003年に行われたピナ・バウシュへのインタビュー記事を翻訳しました。トルコのイスタンブールで生まれた作品であるNefés(『息吹』)の制作について語っています。

2003

ある都市、国、風景、そしてそこでの人々との出会いから受ける印象を、どのようにダンスシアター作品の形に変えるのか?一つの世界全体が、どうやって舞台の大きさに縮小されうるのか?とんでもない、とピナ・バウシュは数多くのインタビュ

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意欲を蓄える(2003)

2003年に行われたピナ・バウシュへのインタビューです。括弧内は訳者による補足です。また、作品名には二重括弧をつけてあります。

2003

2000年代のはじめ、幾人かの批評家や専門家は、ピナ・バウシュの作品に内容的な変化が見て取れると考えていた。ヴッパータール舞踊団が2003年に、スイスの 「バーゼルは踊る」という催しでDer Fensterputzer(『窓ふき人』)を上演した際にも、批評家

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ピナ・バウシュの動きに魅せられて

みなさん、コンテポラリーダンスというものをご存知でしょうか。
僕が初めてコンテポラリーダンスという単語を知ったのは確か、テレビ番組『LIFE〜人生に捧げるコント』でのココリコ田中のネタを見たのが初めてだったと思います。

その時はコンテンポラリーダンスがどうというよりも、ココリコ田中の動きが破天荒すぎて面白いという感情しか抱きませんでした。

そして、月日がたち、ピナ・バウシュという一人の女性を知

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【世の中の話③】コロナに苦悩する音楽家の声

私の専門分野であるファッションは、一つの文化ですが、今の状況下では、不要不急のものと捉えられています。アフターコロナ以降生きる上で、一体どのような価値をファッションが与えることができるのか自問自答する日々が続いています。密閉空間の器の中で行われてきたビジネスモデルは淘汰されます。デジタルではない、フィジカルな感覚の中での満足感や高揚感を与える方法を創り出さなければなりません。

文化や芸術に携わる

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スキありがとうございます!
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ピナ・バウシュ『コンタクトホーフ』シニアのダンサーによる公演(映像):コンテンポラリーダンスにもユーモアがなきゃ!

ピナ・バウシュ『コンタクトホーフ』を、65歳を超えた男女が踊る舞台。カーテンコールではピナ・バウシュも登場。

シーンごとに大きな拍手が、そして所々で笑いや手拍子が起こる温かい雰囲気。動画はウェブサイトで無料で視聴可能。

ドキュメンタリー映画『ピナ・バウシュ 夢の教室』(アンネ・リンゼル監督)で、十代の若者たちが『コンタクトホーフ』の舞台を作り上げるのを見たが、本作はそのシニア(高齢者)版。

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ピナ・バウシュ『カフェ・ミュラー』ヴッパタール舞踊団(映像)

1978年初演の『カフェ・ミュラー』。ヴッパタール舞踊団のダンサーたちによる公演で、振付のピナ・バウシュ自身も踊った。以前も映像で見たことがある作品だが、オンラインで公開中の今、あらためて視聴。

薄暗い、閉店後(?)のカフェを模した舞台セット。

目を閉じているらしい、薄いワンピースをまとった女性ダンサー2人が、夢遊病者のように歩き回る。ウェイターのような男性が、1人の女性の動きに合わせて、彼女

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ピナ・バウシュ『オルフェウスとエウリディケ』パリ・オペラ座バレエ団公演(映像)

1975年初演のピナ・バウシュ振付のダンス・オペラ『オルフェウスとエウリュディケ』(『オルフェとユリディス』)を、パリ・オペラ座で同バレエ団が上演した舞台を、映像で鑑賞。オルフェウス役のダンサーはヤン・ブリダール、エウリディケ役はマリ=アニエス・ジロー、アムール(愛)役はミテキ・クドー。上演は2時間。

グルックの歌劇曲を基にしており、3人の女性歌手も舞台に上がり、ダンサーと触れ合う場面もあった。

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わ~い!!
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ピナ・バウシュ『嘆きの皇太后(Die Klage der Kaiserin/The Complaint of an Empress)』映画

コンテンポラリーダンス、タンツテアターの振付家でダンサーのピナ・バウシュが監督した、1990年の映画『Die Klage der Kaiserin/The Complaint of an Empress/嘆きの皇太后』。自身が主宰するヴッパタール舞踊団のダンサーたちが出演しているようだ。

決まったストーリーはなく、シーンの断片がコラージュのように組み合わされている、1時間10分程度の作品。ちょっ

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