vol.70「異世界は異世界内異世界へ“深化”する」(『教養としてのゲーム史』多根清史/筑摩書房/2011年刊)

vol.70「異世界は異世界内異世界へ“深化”する」

みなさんこんにちは。
今週は新書です。

新書はあまり読みません。紙数が限られているから、扱える内容は限られている分、著者さんが窮屈そうにしている印象を受けます。それに、ハードカバー製本を閉じたときの「バタンッ」という音が好きです。新書の「ペチャッ」ではいけない。単行本は大きさ・音ともにすばらしく、本を読んでいる実感がじわじわ湧いてきて、読書

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楽しんでいただけたら幸いです!
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『日本デジタルゲーム産業史』小山友介

『日本デジタルゲーム産業史 ファミコン以前からスマホゲームまで』
小山友介/著 人文書院 ISBN:978-4-409-24107-3

1983年にファミコンが登場したとき、僕は10歳。小3でした。野木中のそばにあった「広瀬商店」でワンプレイ20円〜50円のゲームで遊んでいまして、筐体はテーブルタイプが店内に二台、外に二台でした。
記憶にあるだけでも、当時その駄菓子屋には『ペンゴ』『バーガータイ

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ストⅡ対戦台の発祥は?

ゲームメディア4Gamer.netにて連載されている、黒川文雄氏の『ビデオゲームの語り部たち』という記事がある。

老舗オペレーター池袋ロサ会館のオーナー、バーチャファイターのディレクションを行こなった開発のメインメンバーであり、ほとんどメディアにバーチャファイターのことを語ったことのなかった、石井精一氏のインタビューと黒川氏のコネクションと取材力で、ビデオゲーム史を後世に残す連載記事だ。

その

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スキを押してくれるありがてぇ。
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先見の明を持つ若獅子

日本でインベーダーバブルが弾ける一方で、海外ではひとりの実業家が生まれようとしていました。のちに日本ソフトバンクの社長として名を馳せる若き日の孫正義です。彼は小さい頃から政治家や実業家になることを夢見ていました。そうは言っても政治家はなろうと思って簡単になれるような職業ではありません。しかし、事業家であれば努力次第でなれる。そう考えた孫正義は中学3年のときから実業家になる決心を固めていきます。孫は

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インベーダーバブルの終焉

スペース・インベーダーの登場は産業バブルを起こしました。 雨後のタケノコのように多くのインベーダーゲーム制作会社が乱立され、スペース・インベーダーのコピー基盤は大量に作成されました。これらコピー・インベーダーの数は50~70種類にものぼると言われています。

 警察庁がテレビゲーム機について初めて本格的な調査を行い、8月16日に発表した結果では、全国7万の店舗に設置された28万台のゲームのうち、8

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ゲームセンター=非行の温床

スペースインベーダーの人気はとても激しいものでした。 喫茶店のみならず、スナックやレストラン、ホテルにまでも筐体が設置され、 日本人は金と暇さえあればインベーダーと戦っていると表現してもよいほどのブームになりました。当時の調査によれば、一人当たりの平均にして月4,900円をインベーダーゲームにつぎ込んでいたそうです。ピーク時には全国に30万台以上筐体があり、1台につき1日10,000 ~ 15,0

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泣いて笑ったパチンコ業界

スペース・インベーダーが巻き起こしたブームは何も良い影響ばかりがあったわけではありませんでした。何かがブームになるということは他の分野からも人が流れてくるということを意味するからです。その中で一番の打撃を受けたのがパチンコ業界です。
 スペース・インベーダーが登場する直前のパチンコ産業は正に勢いに乗っているところでした。座って遊戯できるようになっただけではなく、1972年に新しいタイプの機種「アレ

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【コラム】『ゲームセンターあらし』にまつわる誤解

現在でも『ゲームセンターあらし』がインベーダーブームで登場したと思っている方も多いようなのですが、これは間違いです。同漫画がコロコロコミックの読み切りが登場したのは第9号(1978年11月15日発売号)にまで遡ります。 内容も「ブロック崩し」で争って勝ち、サラリーマンを撃退するというものでした。 ですからインベーダーブームより少し前に起ったブロック崩しブーム、TVゲームブームによるものだと判ります

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ハイスコアラーの登場

インベーダーブームは「ハイスコアラー」を生み出すキッカケにもなりました。ハイスコアラーとは、より高いスコア(ハイスコア)を獲得するためにゲーム操作の技術を研鑽し、日々研究をしている人たちです。もちろん、それ以前にもハイスコアラーは存在していたと思います。しかし、まだ潜在的な存在で、全国的な規模を持つほどではありませんでした。

 ところがスペースインベーダーのお陰で全国的なゲーム大会が開かれるよう

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メディアを巻き込むインベーダー・ブーム

インベーダーが巻き起こしたブームは、ありとあらゆるメディアに進出し、大きな経済効果をもたらしました。まだ「メディアミックス」という言葉も生まれていない時代に、まさにメディアミックス効果を生み出していたのです。

 スペースインベーダーにはプレイ時に点数が変動するUFOの存在があったり、 名古屋打ちと呼ばれるバグを利用した攻略法、レインボーと言われる画面がバグ技など、 当時のゲームでは考えられないほ

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