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ビデオゲーム史:『パックマン』

 ビデオゲーム史シリーズとして,作品ごとにまとめたメモを書き残しています。今回の作品は『パックマン』(Pac-Man) です。


概要

 世界的に有名になったアーケードゲームで,可愛いキャラクターが人気を集めた大ヒット作です。1980年に稼働を開始しました。開発・発売元はナムコで,岩谷徹さんがデザインしました。アメリカではミッドウェイ社が許諾を受けて製造しました。

 プレイヤーはパックマンを操作して,迷路の中を進みながら,ドットで表現されたクッキーを食べていきます。敵キャラクターであるゴーストを避けながら,迷路内に配置されている全てのクッキーを食べて,できる限り高いスコアを獲得することがプレイヤーの目的です。ゴーストには,赤色のブリンキー (Blinky),ピンク色のピンキー (Pinky),水色のインキー (Inky),オレンジ色のクライド (Clyde) の4種類がいて,それぞれが異なる行動パターンで動きます。パックマンがゴーストに捕まると失敗となり,ライフを失います。全てのライフを失うとゲームオーバーとなります。なお,スコアが1万点になると,ライフがひとつ追加されます。

 点滅する大きなドットで表現されたパワークッキー (Power Pellet) を食べると,一定時間ゴーストが青色になり,この状態のゴーストは触れて倒すことができます。ゴーストを倒すと200点を獲得することができ,連続して倒すことによって,獲得するスコアが400点,800点,1600点というように増加します。倒されたゴーストは画面中央部分に移動してから,元の状態に戻ります。一定時間が経過するとゴーストは点滅して,それからすぐに元の状態に戻ります。

 一定量のクッキーを食べると,画面中央付近にボーナスアイテム(主にフルーツ)が出現し,消える前にこれを食べるとスコアを獲得することができます。迷路の左右両端にはワープトンネルがあり,通過すると画面の反対側に移動することができます。全てのクッキーを食べ尽くすと,次のステージに進みます。特定のステージのクリア後に,キャラクターが登場するカットシーンがあるのも特徴です。

 一般に(海外では)「迷路追跡ゲーム (maze chase game)」というジャンルに属するとされますが,日本では「ドットイートゲーム」というジャンル名が用いられています。発売当時の英語表記はPUCK MANでしたが,筐体のPをFに変えるいたずらを防ぐために,後からPAC-MANに変更されました。

 日本国内だけでなく,海外でもヒットし,様々な種類のキャラクターグッズが販売されました。アメリカでは10万台以上の売り上げがあったといわれています。

 1982年には,キャラクターが女性になった『ミズ・パックマン』(Ms. Pac-Man)ミッドウェイ社から発売されました。日本では出荷されませんでしたが,アメリカでは11万5千台も出荷され,アーケードゲームとしては最大のヒット作となりました。このほかにも,移植版や続編,コピー品などの関連した作品が数多く作られています。

 アメリカではパックマンが登場するテレビアニメが放送されました。「パックマン・フィーバー (Pac-Man Fever)」という曲のレコードも発売されています。2005年には,総設置台数が293,822台という記録で「最も成功した業務用ゲーム機」としてギネス世界記録に認定されました。


作品メモ

 以下は,YouTubeにアップロードされている動画へのリンクです。

https://www.youtube.com/watch?v=WbqC-sP3eUQ

 出荷台数に関しては,アメリカに比べると少ないですが,日本国内では1万1千台となっています。この時代の他のヒット作と同様に,無断コピー品が多く出回っていたようです。


 以上,ビデオゲーム史シリーズの16作品目でした。ゲームをあまりプレイしないような人でも名前だけは知っていると思われる『スペースインベーダー』以来のエポックメイキングな作品です。あまりにも有名で,ビデオゲーム史では絶対に欠かせない名作であることは間違いありません。現在でもいろいろな場所で,いろいろな形で見かけるという点が本当にすごいと思います。

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