イーガン

サブカル大蔵経288グレッグ・イーガン/山岸真編・訳『しあわせの理由』(ハヤカワ文庫)

科学の先の世界。人間が新しい苦しみを持つ世界。SFの生老病死。

SFの短編集。「適切な愛」と「しあわせの理由」が印象に残りました。

その言葉に私は初めて激しく動揺して、そして思った。何がいけないの?p.11

 タブーは何故存在するのか。やはり理由はあるんだ。

クリスとはクリスの脳のことだ。p.11

 インドの説話にも似た台詞があります。

私は横になったまま何時間も、シーツの端で顔の汗を

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ありがとうございます。
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SF・短編 #1-3 愛撫

どうもビビビです。本日はグレッグ・イーガン日本オリジナル短編集「しあわせの理由」ピックアップ第二弾、「愛撫」をご紹介します。

はい、読む前はもちろんそっちの意味だと思っていました。違いました。愛撫とは19世紀のベルギーの画家クノップフの「(スフィンクスの)愛撫」という絵画で、Wikipediaにも画像が載っている彼の代表作です。

美しい男女が頬を寄せ合う幻想的な絵画ですが、ここに登場する、体は

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SF・短編 #1-2 闇の中へ

どうもビビビです。本日はグレッグ・イーガン日本オリジナル短編集「しあわせの理由」ピックアップ第一弾、「闇の中へ」をご紹介します。

ページ数は85ページでとってもライトに、でも内容はぎっちり。ただ、初見ではどういう状況設定なのかめっちゃわかりにくい。状況がわかるとストーリーがさらに面白くなりますので、今回はそれに絞ってお話ししたいと思います。

あらすじ

この世界線には10年ほど前から謎のワーム

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SF・短編 #1-1 しあわせの理由

どうもビビビです。今日ご紹介するのはSFが好きな人なら絶対大好きと言われるグレッグ・イーガンの短編集

その中でも大抵初心者におすすめされているのがこの「しあわせの理由」。こんな記事書いといてアレですが、なんせ私もSF初級者なので、一冊でSFのエキスをだくだく摂取できる短編は超おいしい。

今回は概要の紹介をして、次回以降私がおすすめしたい作品をもっと楽しく読むためのサポート的なものを書いていきた

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ヴィーガンvsイーガンvsわたしで戦った場合の勝者は?

 海外SF作品に抵抗感を覚えてしまう事には、理由がある。国内SF作品の場合、小説の内容は作者→読者という流れなわけだが、海外作品=他言語で書かれた小説の内容は、作者→「翻訳者」→読者という流れとなる。

 この「翻訳者」なる存在がとてつもなく分厚いフィルタとなる。過激に言うならば、翻訳された作品は厳密には作者の書いた小説として読者には届かない。最早、翻訳者が読み解いた原作付き小説なのである。

 

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グレッグ・イーガン『ビット・プレイヤー』を読んでいます②

5編目の『鰐乗り』に入りました。

結婚生活1万と309年目の夫婦が、死ぬ前の大プロジェクトとして、銀河系のあらゆる周辺種族からの接触を拒んでいる「孤高世界」とのコンタクトを試みる話です。

ーーこれって、「ソラリス」で描かれる、理解を超えた相手とのコンタクトの試みを彷彿とさせますよね。

ソラリスは、「理解できないもの」との物理的精神的な対峙を主軸に据え、アイデンティティSFとしての要素も多分に

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グレッグ・イーガン『ビット・プレイヤー』を読んでいます

待ちに待った久々の短編集。早速買って読んでますが、あっという間に6編中4編を読み終わってしまいました。

今のところ、アイデンティティ模索のテーマがさまざまな世界設定&語り口と絡み、これぞSFの醍醐味!という楽しさであふれています。

各編の世界設定、アイデンティティを問いなおすIFはこんな感じです。

『七色覚』
「人口網膜に視覚改変アプリを入れて世界の見え方が変わったら?」

『不気味の谷』

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【解説再録】SF界のトップランナー、グレッグ・イーガン待望の最新短篇集!

現代SF界を代表する作家、グレッグ・イーガンの7年半ぶりとなる日本オリジナル短篇集『ビット・プレイヤー』が刊行されました。SF界のトップを走るイーガンの魅力に満ちた物語6篇が収録されています。牧眞司さんによる解説の再録で、イーガンの凄さを感じ取ってください。

神なき世界で「私」の根拠を問えるか?
SF研究家
牧 眞司

 グレッグ・イーガンの作品は、きわめて理知的であり、またいっぽうで情緒に訴え

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ありがとうございます!今日のおすすめは『息吹』です。
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イーガンの空想世界

 子どもの頃から「SF」小説が好きで、今でもよく読みます。

 アイザック・アシモフの「鋼鉄都市」から始まるロボットものや、ロバート・A・ハインラインの「夏への扉」なんかは、何度か読み返しているのですが、何度読んでも初めて読んだ頃の気持ちに引き戻してくれるのが不思議だったりします。

 「SF」小説の楽しいところは、何といっても、こちらの想像力の上をいく風景を見せてくれることです。

 そういう意

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ありがとうございます! はげみになります。
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