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多様な参加の輪が教育にも有効 『関係からはじまる』第8章(読書会記録)

 2週に1章ずつオンライン読書会で読み進めているガーゲンの「関係からはじまる」。今回は第8章のまとめです。※あくまで個人の受け取り方・感想です。

📕第8章概要

第8章 関係こそが教育のカギ

 第8章は第3部「専門的実践における関係規定的存在」の2章目で、教育分野を掘り下げた回でした。
 教育を「有能な個人を生産するもの」と捉えるのではなく、さまざまな関係に視点を向けると、みんなが共に生きていく新たな一歩が踏み出せるのではという可能性が示されています。

📕「関係」からみる教育

 従来の教育は「自分で考えられる」ことを促すようなカリキュラム、つまり、考えることは個人の営みで、それを伝える手段として言葉があるという境界画定的な考え方でした。

 しかし、関係に焦点を当てたとき、思考の対象は全て他者から生じるものであるし、言語も関係の中でしか生まれないという捉え方になります。

 そこで、関係の可能性を無限に拡張するプロセスを促進することを教育の目的と捉える、というのが本章の基本スタンスとなっています。
 関係のありようの方が、学習教材よりも大事とまで書かれていて、中学校が荒れていた環境だった自分としてはなんとなく納得という感じがしました。
 さらに、近年の組織では、チームワークや協働など、関係を重視する流れがあるということも納得材料の1つかと思います。

 また、生徒・先生共に「変幻自在的存在」として、多様な参加の輪をもっていて、その1つが教育にも関わるものだと言われています。
 どんな関係でも、参加することで能力や感度が高まる、生きた教材のようなものなのかなと思いました。


 実は第8章の読書会は子どもの病気の関係であまり読み込めず&耳だけ参加だったりで、あまり自分に落とし込んで読めなかった章になります。
 メモで、気になった言葉だけ追加しておきます。

・コミュニティ=実践共同体に入ることで、進行中の実戦に共に取り組むメンバーになる
・人がよく学ぶのは行動を通して

もう少しわかりやすい入門書はこちら→「現実はいつも対話から生まれる

📖各章の感想はこちら
第1章 誰もが「私」から世界を見ると起こること
第2章 生きている限り関係なしで成り立つものはない
第3章 「心の中のこと」と思ってたことも、全て「関係」による
第4章 関係のシナリオで対話(現実)を変える
第5章 自分も相手も関係によって変わりゆく
第6章 グループ間の対立をやわらげるには
第7章 「知」を作るのは誰か
第8章 多様な参加の輪が教育にも有効
第9章 セラピーも関係で捉え、自分自身のナラティヴも変えていける
第10章 関係の視点で捉えた組織・リーダーシップのあり方
第11章 自分の価値観を押し付けないことで対立を柔らかくする
第12章 関係から成り立つ全てのことに感謝を

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