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関係から成り立つ全てのことに感謝を 『関係からはじまる』第12章(読書会記録)

 2週に1章ずつオンライン読書会で読み進めているガーゲンの「関係からはじまる」。今回は第12章のまとめです。※あくまで個人の受け取り方・感想です。

📕第12章概要

第12章 聖なるものの探求

 第12章は第4部「道徳から聖なるものへ」の最後の章で、ついに最終章です!
 非常に面白いのは、これまで「関係が大事!」と述べてきたけれど、この関係の本質そのものを理解するのは限界がある、なぜなら「言語」という独立したもので書き記すしかないから、ということです。

📕メタファーで説明する「関係」

 そこで、この本質を理解してもらえる用に、ということで、7つのメタファーで「関係」を解説しているのが本章になります。

 面白かったのは、無機物も含めた相互の関係性に注目する「アクターネットワーク」や、生態系は相互依存しているという拡散共進化の概念、すべてが繋がりの中に存在する仏教などのメタファー。

 特に拡散共進化を読んで思い出したのは、吉野弘さんの「生命は」という詩。映画の空気人形の中でも朗読されてるものです。

生命は
自分自身だけでは完結できないように
つくられているらしい
(中略)
花が咲いている
すぐ近くまで
虻の姿をした他者が
光をまとって飛んできている
私も あるとき
誰かのための虻だったろう
あなたも あるとき
私のための風だったかもしれない

 本当は全部コピペしたいですが、まずいと思うので一部抜粋させてもらいました。

📕定義を超えた理解のできないものへの感謝

 こういった、言葉で説明しきれない、人間の理解の及びきらないものを人は聖なるもの(神様)と呼ぶ、ということでの章のタイトルだったようです。

 そうした聖なるものに気づいた時、人は感謝をするしかない、という形で章が締め括られていて、最初は「???」でした。
 ここは読書会で話している中で、人は1つの物事の背景を知ることができる、例えばご飯を食べるのも、料理してくれた人・食材を運んでくれた人・食材を作っている人・その肥料を作ってる人etc...たくさんの関係に支えられていることは奇跡のようなもので、それに感謝をしよう、ということだと理解しました。

 次回は最後「おわりに」で締めくくりの予定です。

📖各章の感想はこちら
第1章 誰もが「私」から世界を見ると起こること
第2章 生きている限り関係なしで成り立つものはない
第3章 「心の中のこと」と思ってたことも、全て「関係」による
第4章 関係のシナリオで対話(現実)を変える
第5章 自分も相手も関係によって変わりゆく
第6章 グループ間の対立をやわらげるには
第7章 「知」を作るのは誰か
第8章 多様な参加の輪が教育にも有効
第9章 セラピーも関係で捉え、自分自身のナラティヴも変えていける
第10章 関係の視点で捉えた組織・リーダーシップのあり方
第11章 自分の価値観を押し付けないことで対立を柔らかくする
第12章 関係から成り立つ全てのことに感謝を

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