「ゼレンスキー大統領の真珠湾攻撃発言を見誤るな」「立憲民主党・泉健太代表は御託を並べず国会演説を認めよ」

ウクライナのゼレンスキー大統領が、アメリカ議会で「アメリカ同時多発テロ(9.11)、真珠湾攻撃」を引き合いに出して、敵国に空爆される恐怖を切々と訴えた。

>「真珠湾を思い出してほしい。1941年12月7日の恐ろしい朝、空があなたたちを攻撃する飛行機で黒くなった。米同時多発テロを思い出してほしい。2001年の恐ろしい日、邪悪が米国の都市を戦場に変えようとした。そのとき、無辜(むこ)の人々が空から攻撃された。誰も予測していなかったように。そして、あなたがたはそれを防げなかった。我が国は同じことを経験している、毎日、まさに今この瞬間も」(ゼレンスキー氏)

ゼレンスキー大統領の真珠湾攻撃発言に対し、

「米同時多発テロは、無差別テロで、軍事基地を標的にした真珠湾攻撃と同列に語るのは違う」
といった声が日本人の間でも聞かれる。

また、大東亜戦争(太平洋戦争)は、当時のGHQマッカーサー元帥も「日本は自衛のための戦争」をしたと認めているが、今回のロシアによるウクライナ侵攻は、そうではない。

「ロシアは、NATOのウクライナを含めた東方拡大を恐れて、自衛のためにウクライナと戦争をしている。太平洋戦争当時の日本と同じ」と独自の理論を展開し、ロシア擁護に回る論者もいるが、当時の日本が置かれた状況と今のロシアでは、何もかもが異なる。

ロシアは、天然ガスや原油、小麦の輸出国であり、資源等の確保に困っていたわけではないし、ウクライナ侵攻の前に他国から輸入制限等、経済制裁を受けたわけではない。

たとえウクライナがNATOに加盟しても、ロシアがウクライナに攻撃を仕掛けなければ、NATOも動かない。
むしろ、ロシアのほうがクリミア併合等、他国への領土拡大に積極的な姿勢を見せている。
ウクライナが脅威を感じてNATOへの加入を希望するのは理解できる。

真珠湾攻撃と911が起こった背景が全く異なるのは、たしかにそのとおりなのだが、ゼレンスキー大統領は、米国が過去に敵国に受けた空からの攻撃の例として、上記2つの事例を引用しただけであり、同列に語る意図はなかったと推察される。

篠田英朗教授もこのように述べておられる。

篠田英朗 Hideaki SHINODA @ShinodaHideaki
ゼレンスキーが米国議会で真珠湾に言及したことが脊髄反射を生んでいるようだが、演説を聞くべきだろう。二回の米国本土への航空機攻撃を参照して、毎日空爆されるイメージ喚起を求めているだけ

Ukrainian President Zelensky Addresses Congress https://youtu.be/6YF0qfAj8IY

@YouTube よりyoutube.com
Ukrainian President Zelensky Addresses Congress
Ukrainian President Volodymyr Zelensky addressed Congress about the Russian invasion of his country.President Zelensky asks for a no fly zone: "Remember Pear...
午後1:28 · 2022年3月17日·Twitter Web App

一方で、ゼレンスキー大統領が戦前の日本を取り巻く事情について詳しく知らないことも事実だろう。

だが、彼は、今の日本を真珠湾攻撃のことで攻める意思もない。彼はアメリカ人でもない。ユダヤ系とのことだから、ユダヤ人を救った過去を持つ日本に対してはむしろ好意的なのではないか。
日本に悪いイメージを持っていれば、国会で演説をさせてほしいとは訴えないはずだ。日本に力がないと考えれば、日本を頼ることもしない。

真珠湾攻撃に関しては、アメリカへの宣戦布告の通告が送れたという話もあるが、世界の多くの人には、今でも奇襲と捉えられ、卑怯だとみなさているのが現実なのだろう。
戦端を開くきっかけや、そこに至る事情はさまざまあるにせよ、先に手出しをしたほうが印象が悪くなる。
相手に手出しをさせるように、挑発し、煽るやり方もあるだろうが、挑発に乗って先に手出しをしたほうが分が悪くなる。
しかし今回ウクライナはロシアを挑発していない。
ウクライナがNATOに加盟することを希望するという話はあったが、それだけでロシアの武力侵攻が正当化されるわけがない。

現代に生きる誰もが、世界各国がどのような歴史認識を持っているかに通じているわけではない。

ゼレンスキー大統領の真珠湾攻撃発言が受け入れがたいといって、国会演説を拒否するのは違う。冷静になったほうがいい。

民主主義国家として、日本の国会は率先してゼレンスキー大統領に演説をしてもらうべきである。

ゼレンスキー大統領や駐日ウクライナ大使に対して、真珠湾攻撃当時の日本の立場について説明することはあってもよいが、これを国会でのスピーチを断る材料としてはならない。

日本は、ゼレンスキー大統領の真珠湾攻撃を契機として、当時の日本の立場を世界に説明し、訴える機会を増やしたほうがいい。

中国や韓国による捏造された反日プロパガンダを払拭していくには、絶対に必要なことである。

また、ウクライナのゼレンスキー大統領が米国議会において真珠湾攻撃に触れる前に、野党の中では、彼が日本の国会で演説することに関し、疑問を呈す声があった。

政府としては初め、「前例がない」といって慎重な姿勢を見せたという。

>ウクライナのゼレンスキー大統領が日本政府に対し、ロシアに抗議するオンライン演説を日本の国会で行いたいと打診

>ゼレンスキー大統領はすでにイギリス議会でビデオ演説を行っていて、日本の国会でもロシアによる侵略に強く抗議する意思を示すものとみられます。

>ただ、関係者によりますと、国会でオンラインでの演説が行われた前例は無い、とのことで政府は慎重に検討する方針です。

前例がないということで政府が慎重に検討するのは愚かである。
「前例がない」ないことは断る理由にはならない。
世界から見たら「何をか言わんや」と思われる。

ゼレンスキー大統領に申し入れに対し、岸田首相は、このように述べた。

>「国会で前向きに対応してほしい」

>「ゼレンスキー大統領が世界各国に向けて協力を求めている」とした上で、「日本においても国会でゼレンスキー大統領の演説をリモートで行いたいという意向がウクライナ側から示されている」
>「技術的な問題等があるとは承知しているが、是非国会で議論していただき、前向きに対応していただければと政府の立場からも考えている」

このあたりは、岸田首相も世論を見て「前例がない」とは言わなかったのかもしれないが、もはや、あらゆる場面において「前例がない」という言葉は使ってほしくない。

ビジネスにおいても、他から抜きん出て業界のトップに躍り出る企業というのは、だいたいが「前例がない」ことをしたがために結果を出しているのである。

政治に限っては、前例踏襲主義を貫けば万事うまくいくというセオリーもない。
むしろ日本は、前例に固執するがあまり、思い切ったことができず、他国に取り残される状況が発生しているのではないか。

さておき、前例云々の話はひとまずここまでにする。

ウクライナのゼレンスキー大統領の「日本の国会でスピーチをしたい」という申し入れを受け、立憲民主党の泉健太代表は、このようにツイートした。

Twitter 
泉健太🌎立憲民主党代表|衆議院議員@office50824963 3月16日

ゼレンスキー大統領による日本の国会での演説。 他国指導者の国会演説は影響が大きいだけに、オンライン技術論で論ずるのは危険。 私は日本の国民と国益を守りたい。だから国会演説の前に『首脳会談・共同声明』が絶対条件だ。 演説内容もあくまで両国合意の範囲にすべき。それが当然だ。

>国会演説の前に『首脳会談・共同声明』が絶対条件だ。 演説内容もあくまで両国合意の範囲にすべき。それが当然だ。

議院内閣制とはいえ、国会は政府(内閣)とは独立した機能を持つ機関である。
ウクライナ駐日大使を通し、日本政府が窓口になるのはよいとしても、ゼレンスキー大統領の日本の国会での演説を受け入れるかどうかは、三権分立の一つを担う国会が独自に判断することである。

ロシアによるウクライナへの武力による一方的な現状の試みは、明らかに、国連憲章に違反している。
ロシアは、国連安全保障理事会の常任理事国としての責任を果たすことなく、蛮行に及んだ。

この事実を前にして、民主主義国家である日本の国会議員の中に、ウクライナの大統領の演説の申し入れをはねつける者などいないだろう。
いるとすれば、今後、危険分子として監視が必要になる。

ともあれ、国会の権限を考えれば、立民・泉代表の、

>国会演説の前に『首脳会談・共同声明』が絶対条件だ。 演説内容もあくまで両国合意の範囲にすべき。それが当然だ。

という発言が、いかにズレているかがわかる。

ゼレンスキー大統領が岸田首相と会談をするのはよいとして、国会演説をする絶対条件にすべきとするのは、極めて理不尽であり、ゼレンスキー大統領を始め、ウクライナ人に対して思いやりがなく、冷酷であると言わざるを得ない。

特に日本は、防衛装備品などの物資や金銭面での援助はできたとしても、現状、武器供与は考えていないらしい。
当たり前だが、防御だけでは相手に勝てない。攻撃するための兵器を供与できないのは非常に口惜しい。ドイツも長らく外国への武器供与は禁止としていたようだが、今回のウクライナ危機を受けて、武器供与をする運びとなった。また、GDP比2%超の防衛費増強を実行すると宣言した。
このドイツのタブー破りを日本も見習うべきである。

ウクライナ危機は対岸の火事ではない。いつまでも平和ボケをして、「憲法9条ガー」「非核三原則ガー」と、のたまっている場合ではない。
「憲法9条で日本が守られる」という反日左翼の言い分は、プーチンのような独裁者の前では、通じるわけがないことがつまびらかになった。
憲法9条は、他国がお人好しの人間の集まりで、「戦争をしたくない」と訴える国には決して攻撃してこないだろう、という性善説が成立してこそ通じる、戯れ言である。

しかし、実際に世界はそうではない。

プーチンのような独裁者は、憲法9条を「お花畑」の法律文として一笑に付して、にべもなく鉄砲を突きつけてくるのである。

とにかく、ゼレンスキー大統領の国会演説は、ぜひ行ってもらうべきである。

「前例がない」「技術的なハードルが…」「スクリーンがない」
などと言い訳をしている暇はない。

テレビでゼレンスキー大統領の演説を放送するなら、スクリーンがある部屋と国会内の様子がわかる映像を流すようにすればよい。
また、当然、インターネットでも閲覧できるように配信体制を整えていただきたい。

立憲民主党の泉健太代表は、最初と言ってることが違い、潔くないですね。


泉健太🌎立憲民主党代表|衆議院議員@office50824963 3月17日

ゼレンスキー大統領のオンライン演説。
私の昨日の投稿も、実施が前提の投稿。自民党と立憲民主党は、記事の通り『実施』の方向で調整を進めています。
立憲民主党が反対している事実もないし、事前の必要な調整を『慎重』と色分けするのはおかしい。
必要な調整は必要です。

>国会演説の前に『首脳会談・共同声明』が絶対条件だ。 演説内容もあくまで両国合意の範囲にすべき。それが当然だ。

こう言っていましたが、この前提条件(絶対条件)なしでもゼレンスキー大統領の国会演説を認めるということでしょうか?

このようないい加減なことを言う政党が日本の第2の政党というのは驚きです。

他の民主主義国家と比べて、日本は、明らかにあらゆる点で政治のスピードが遅いです。
野党が与党を批判するのは当然としても、国民のためにならないところで、揚げ足を取り、物事の決定を遅らせていると言っても過言ではないでしょう。

中国や北朝鮮、ロシアの脅威が日本にも迫っているというのに、この体たらくでは非常に困ります。

言い訳は非常に見苦しいです。

民主主義と日本国民を守るための発言をしてください。


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