オサレ番長は海を越えて／連載エッセイ vol.63

※初出：知事認可・岩手県カイロプラクティック協同組合発行、「ほねっこくらぶ通信 vol.65（2011年・第4号）」掲載（原文ママ）。

この『ほねっこ通信』を毎号ご愛読頂いている方ならば、ご存じの通り、先号表面は、珍しく『海外ネタ』が重複した。

（私の『ＷＦＣ世界大会参加』ネタ＆私を含む数名の『韓国ハンソ大学院集中講義』ネタの２本立て!!笑）

そして、これまた毎号ご愛読頂いている方ならば、ご存じの通り、このエッセイでは毎回『海外ネタ』がある度に、それらを面白おかしく『レポート』してきた。

しかしながら、先号では、個人的に『ＷＦＣ世界大会』での体験が強烈だったため、ソチラを『エッセイネタ』に採用。
そして今号にて、『ハンソ集中講義』を扱うにも…何か『今更感』アリアリなので…『訪韓後日談』でもご披露しようかと。

今回、２回目となった訪韓。
１番の大きな違いは…自分で計画を立てて、帰国前夜の僅かなフリータイムを、セカセカ動き回ったコト!!（←いきなり『放課後』ネタ…??苦笑）

前回は、なにせ初めての韓国というコトもあって、多少ビビりながら旅行代理店任せの『観光』であったが、その時の印象は…

『こりゃぁ…
　ソウルなら（街の規模的にも治安的にも）
　余裕で自由行動できるな!!』

そんな訳で、今回はベタな観光名所あり、グルメあり、観劇ありの『コテコテソウルツアー』を敢行!!

（まぁ…
　１度は体験しておこうと思いまして…苦笑。
　ただ、その辺を詳しく書いてしまうと
　『後日談』じゃなくなるので…割愛!!笑）

その中で、ワタクシ的に『メインイベント』だったのが、『服飾業界・世界最大の「生産・流通・販売」一貫密集地域』こと東大門地区の、某皮革専門店における『バイカージャケット（ライダースジャケットの裾長版）のオーダーメード』!!

前回の訪韓で、好みの男性服飾品があまり存在しない事を悟った私、『ないなら作ってしまえ!!』と言わんばかりに、今回は『フルオーダーメード』を画策!!

日本で入念に下調べをし、『品質・価格・アフターサービス』の面から最適だと思われる店舗をピックアップ!!
当日は、まさに『ロックオン』状態で、脇目も振らず来訪!!
モデルとなるジャケットも持参し、『これと同色・同サイズで!!』と単刀直入にオーダー!!
その甲斐あって、ものの１０分程度で交渉成立!!

あとは日本にて完成品を待つばかりとなった。

帰国して約２週間…。
日常生活へ戻り、その日はクリニックの営業を終え、深夜の自宅へ戻ると、郵便受けに『不在連絡票』が…。
差出人は…『某皮革専門店』!!

『は…早っ!!』

予定では、１ヶ月近くかかるとの事だったので、一抹の疑問が頭を過ぎるものの、そこは『世界の東大門』、その『最強の生産体制』でもって早急に対応してくれたものと考え、翌日の受け取りを前に、その日は『遠足前夜の小学生』気分で床へ就いた…。
明日に控えた『たった独りのファッションショー in my room』を夢想しながら…。

翌日、待望の『国際小包』が到着!!　
逸る気持ちを抑えて、カッター…入刀!!　
梱包…開放!!　
クッション材…撤去!!　
ジャケット…摘出!!　
手触り…Good!!　
縫製…Excellent!!　
いよいよ装着…装着…装…

なんじゃこりゃぁぁ～～!!!!

確かに…確かにレザーの品質は良い…。
さすがは『Made in ITALY』。
縫製も…申し分ない。
デザインも…まぁ、オリジナルに忠実。

しかし…しかし…サイズ感が、何故にこれ程まで『ルーズ』なのだぁぁ～～????

前夜からの期待感からくる『落差』に翻弄されながら、必死に冷静さを取り戻そうと、まずはモデルとなったジャケットとサイズ比較。
微妙に数ｃｍずつデカい。その僅かな誤差の積み重ねが…オーダー品をまったくの『別物』へと変貌させていたのだ!!

着られない事はない、『そういう服デス!!』と主張すれば…。
考えてみれば、あの価格でこの品質は、それだけで驚きだ…。
スーツの上からコート的に着れば、ジャストサイズだし…。
これで…手を打とうか…。

『独りファッションショー』の予定が、思わぬ『独り問答』の場へ…。

徐々に自分の考えが、『このジャケットをどう着こなすか』に傾きかけた頃…どこからか…声が…!! 

『おい…それでいいのか…??　
　気に入った一着が欲しくて
　オーダーにしたんだろ??　
　その為に入念な下調べをしたんだろ??　
　だからこそ日本からわざわざ
　モデルのジャケットを持参したんだろ??　
　それが…相手が国外だからって怖気づくのか??　
　お前のこだわりは、そんなもんか??　
　毎晩、半身浴しながら
　ファッション誌を眺めているのは
　単なるポーズか??　
　いい加減、目を覚ませよ!!　
　お前はどうしたいんだ??　
　どう生きたいんだ??』

　『…そうだ…それでいい!!　
　　それでこそお前だ、Go aheadだ!!　
　　…え??　
　　俺が誰かって??　
　　…フフ…俺は…お前さ!!　
　　…そう…俺達は『オサレ番長』さぁ!!』 

それからの行動は、『神憑り的』に早かった。
モデルのジャケットと、届いたジャケットの写真を撮り、データを編集して、相違点を英語で書き込み、事細かな『ダメ出し図版』を作成!!　

某皮革専門店宛ての『クレームメール』を、真摯に、しかし伝えるべき事はしっかり伝わるよう打ち込み、その図版を添付!!　

おまけに、ハッタリを効かせる為、今年１月、ＬＡにて撮影された『オサレスナップ写真』も合わせて添付!!（ほねっこ通信６３号掲載・エッセイ『粘り腰サンダ～ス』参照!!笑）　

あとは祈るような気持ちで、某皮革専門店の反応を待ったのだった…。

それから約１ヶ月…。

現在私は、ほぼ注文通りに作り直され、カバーを掛けられた状態で吊るされながら、秋風の到来を待つジャケットの存在を背中に感じつつ、このエッセイを書いている。

某皮革専門店との関係は良好で、その後の遣り取りもスムーズそのもの。
今年の１１月に予定されている、３回目の訪韓時も、再びお邪魔する約束となっている。
まさに『オサレ番長』さまさまである。

ただ…唯一の『懸念』は…クレームメールに添付した『オサレスナップ』のせいで、先方が私を『ファッション関係者』と誤解している事…。
これは正直に言うべきか…それとも今後の再注文を考慮して、そのままにしておくべきか…思案の為所である…。

ただ…既に誤解されているかもしれない読者の皆様には念の為、今ここで伝えておこう!!

私は…『カイロプラクター』である事を!!　（←何だ??このオチ??笑）

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