見出し画像

ハンガラン@極東亜細亜/連載エッセイ vol.65

※初出:知事認可・岩手県カイロプラクティック協同組合発行、「ほねっこくらぶ通信 vol.67(2011年・第6号)」掲載(原文ママ)。

11月某日、深夜。
一昨日の早朝、横浜から帰ってきて降りたバス停車場から再び関東を目指す。
その際に、座席に忘れてしまっていた携帯マクラを受け取る。
これで車中でも熟睡準備OK。

翌朝、上野着。
韓国へ向かう前に日本らしいモノを食べていこうと、24時間営業の店へ入り、何故か思わずカレーを注文。
まぁ…日本『的』食事である事に変わりはあるまい。

鉄道で一路、成田へ。
遅めのチェックインだった為か、予約していたエコノミーが満席で、幸運にもビジネスへアップグレード。
無意味に座席を極限まで倒したり、赤ワインのミニボトルを数本空けたり、はしゃぐ。
機内食のビビンバに付いてきた、『チューブ入りコチュジャン』の美味しさに感動。
我ながら安上がり。

仁川着。
集合時間まで空港のコーヒーショップで過ごすも、あまりのテンションの高さに、彼の国の方から、片言のニホンゴで諭される。
『オ…オ客様ァ…アマリニモ…』。
注意する言葉選びにも気を遣わせてしまって申し訳ない…。

既に通い慣れた感のあるルートを、大学のバスに揺られて約2時間。
オリエンテーションを挟んで、学食で夕飯。
シェフが交代した…とは事前に知らされていたが、そのあまりのクオリティーに一同愕然…。
食に関しては、来る時の機内食がピークであった事を悟る。

その後、宿舎へ。
今回から同室者が変わった為、少し話し込んでから、翌日から始まる集中講義への決起集会に参加。

集中講義1日目。

自身のリクエストが通り、急遽、『アジアカイロプラクティック教育サミット』へ、オブザーバー参加。
日本と韓国のカイロプラクティック教育のトップが集まり、日本語・韓国語・英語の飛び交う国際会議の雰囲気に、自分が今後研鑽しなければならないであろう方向性を確認。

参加者が昼食で外出した隙に、国際会議へ参加した時には恒例の、会場中央での、さも参加者ヅラした記念撮影を敢行。
ご満悦。
その日は1日、サミット参加。

宿舎ではその晩、同室者による『荒ぶる夜更けのマーライオン事件』が発生(詳細は…とても字に起こせる内容ではないので割愛)。
無事を確認し、明け方に就寝。

集中講義2日目。

修士課程在学生による、現地学生・関係者を交えたリサーチ発表会。
途中、会場から連れ出され、昨日の不参加講義分の『補習』を受け、いきなりテスト。
あわよくば『免除』を期待していただけに、若干落胆。
終了後、発表会場へ急いで戻り、自身の研究発表をグループメンバーとそつなくこなす。

夜は学食にて、韓国の方々と懇親会。
地元生産のマッコリの余りの美味しさに感動。

集中講義3日目。

講義1つとテスト2つ片付け…もとい、受け流して、午後は付属の大学病院へ向かい、レントゲン実習。
撮影時、患者役が大きく息を吸い込んで止める瞬間を見計らって、笑わせ困らせ楽しむ。

夜は、この韓国滞在、最後の晩餐で盛り上がる中、帰国後に開催されるセミナーの準備の為、独り部屋に籠もりPC作業。
数時間後、やっと目途をつけて会場へ出向くも、その盛り上がりっぷりに腰が引け、結局、会場出口脇で、関係者数名と井戸端会議。
最後は、師匠も合流。
結局、明け方就寝。

集中講義最終日。

広げた荷物をスーツケースへ再度詰め込み宿舎を出発。
グループ毎にまとめた病理学のプレゼンテーションを行い、日程終了。

最後まで微妙でありつつ、何気に舌が慣れつつあった食事を摂ってから、バスに乗り込み空港へ。
頭の中は既に、翌日から始まり、自身が講師&コーディネーターを務める技術セミナーへ切り替え。

その為、今回は自由行動…いわゆる観光は一切なし。

この仕事を始めてから20回近く海外へ出掛けているが、これは初めての経験。
何の為に海外まで来てるんだ…と憤ってみるも、そりゃ仕事の為でしょ…と自身へツッコミを入れつつ、釈然としないまま空港で食べた石焼ビビンバが案外美味しく、割とご満悦。
我ながら安上がり。

ゲートイン後、広い空港内のベンチで1時間程、横になって鼾をかいた後、搭乗口に師匠を見つけ、翌日からのセミナーの打ち合わせ。

その後、国際線としては初めてとなる岡山空港へ降り立つ。
到着後、ホテルへ直行。
荷物を解き、翌日の準備をしているうちに、意識を失う…。
おやすみなさい。

セミナー1日目。

午前は今回の韓国滞在時の出来事をベースとした、業界の動向について。
受講者の協力と、彼の地のホテルで独り引き籠もった甲斐もあり、手応え十分。

午後は師匠にご登場頂いて、技術講義。
その際、師匠より、翌日の技術講義で、これまでセミナーで扱った事のない技術を、理論から導き出し、それを自分が講義するように指示を受ける。
正直、マジでビビる。

終了後、観光施設でもある倉敷アイビースクエアで開催されたパーティー時も、その事が頭から離れない。
そんな時は、いくら赤ワインのグラスを空けても無意味。
2次会へ繰り出す仲間達を見送り、独りホテルの自室に引き籠もる。

セミナー2日目。

午前は我々のグループの今後の展開について扱い、これまた受講者の協力を得て、手応えアリ。

続いて、問題の午後の技術講義。少し遅れ目に会場入りする…という言葉を信じて、檀上へ向かうも、しっかり開始時間に間に合った師匠が会場後方に控える中、体中の毛穴が全開の気分で、理論&技術披露。
結果は…ノーコメント…。

すっかり抜け殻の面持ちでホテルへ到着。
ベッドへ倒れ込みたい衝動に駆られつつも、セミナー最終日へ向けて、最後の引き籠もり。

セミナー最終日。

この日からは、技術指導者のみが参加。
会のある意味、『最高峰テクニック』である『頭蓋矯正』について、グループワーク的に進行。
昨今の無茶苦茶かつ医学的には重大な危険性さえはらんでいる『小顔矯正ブーム』への怒りを胸に講義進行。
さすがに指導者揃い、受講者に助けられながら無事終了。

その後、師匠や仲間達と連れ立って、行きつけの割烹にて食事会。
瀬戸内の海の幸を、お腹がはち切れんばかりに堪能し、寝台列車へ駆け込み乗車。
久々に、心行くまで就寝。

翌朝、東京着。
短い乗換時間に追われながら、愛用のスーツケースを押し、東北新幹線へ乗車。
恒例の『新幹線アイス』を朝から頬張りながら、背中を丸めてPC作業。

そして岩手着。遠くの山々には白いモノが確認でき、吹き付ける風は既に、晩秋ではなく初冬の様相。
足かけ10日間、季節の移ろう地元へやっとこさの帰還。

こうして例年以上に全国を…世界中を駆け巡った1年が過ぎていく…。
社会的にもいろいろな事が起きたこの1年…。
そして新しい1年が始まろうとしている。
自分にとって、きっと今後の10年間を決めるであろう1年…。

『深刻』ではなく『真剣』に、『hanging around(ぶらぶら)』気分でしなやかに、今日から始まる未来を駆け抜けていこう!!
(今年もご愛読ありがとうございました!!)


☆筆者のプロフィールは、コチラ!!

☆連載エッセイの
 「まとめページ(マガジン)」は、コチラ!!

※「姿勢調整の技術や理論を学んでみたい」
  もしくは
 「姿勢の講演を依頼したい」という方は
  コチラまで
  お気軽にお問合せください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?