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ブ厚くても一気読みで最高の読後感

週末や祝日は、過去の読書ブログからの転記が多くなってしまいますが、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。

2005年12月21日に投稿したブログより。

おそらく今年読んだ中でも1,2を争う家族小説の佳作です。

前から気になっていたのですが、案の定今年の文庫王国ベスト1の座を獲得。それも納得の読み応えです。

娘二人と両親の四人家族が主役ですが、母親は20年以上のプチ家出中、お父さんは変化やトラブルを嫌う超ことなかれ主義、姉は甲斐性なしの男へ貢ぐことを生き甲斐とし、妹はこんな環境から逃げてやるとばかりの超上昇志向。

こんなトンデモない設定の家族なのに、肝心なところではきちんと分かり合えていて、繋がっている。勝手に騒いでいる親戚連中含む外野に比べると、はるかにまともな家族に見えてくるから不思議です。

最後は、こういう落とし方できたか、という感もありますが、読んで満腹、いつも一緒にいるだけが家族じゃないんですよ、それぞれ皆やりたいことをして生きた方が得ですよというメッセージがしっかりと入っています。

旅芸人のくだりの印象が強かったためか、また母親の造詣が似通っていたせいもあるのか、途中から荻原浩の小説を読んでいるような錯覚にも陥りました。

作者をして「私の代表作になる予感がする」というのも頷ける一作です。

是非!

今日も読んでくださいまして、ありがとうございます。

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