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沖縄を語る人への踏み絵となる一冊

本屋大賞のノンフィクション部門の受賞作ということでダウンロードしてみた一冊。

母であり取材者であり、娘であり、沖縄の住民であるという様々な視点から、沖縄以外に暮らす人には決して理解できないであろう沖縄の現実というナイフを、ゆっくりと、しかし着実にズブリズブリと突き刺してきます。

現実とそこに向き合う人たちの虚しさを憂いつつも、決して暗くはなく、そして諦めていない熱量は感じさせつつ、何かを読み手に強く求めてはいないのに、読後にザラリとした感情を残していきます。

自分たちの責任でないのに押し付けられている様々な沖縄の有り様について、普段の生活の中でふと感じてしまう怒りや憤りが、行間から沸々と噴き出る熱となっているのだと思います。

読後の今も、あとがきの最後の一文が強烈に胸に残っています。

この本を読んでくださる方に、私は私の絶望を託しました。だからあとに残ったのはただの海、どこまでも広がる青い海です。

今日も読んでくださいまして、ありがとうございます。

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