綯い交ぜサーティーン
ねぇ、いつか私も肩を並べられるのでしょうか。
待ちに待った婚約者のライブ。
同棲していた友達が教えてくれたその歌声は、
すっぽりと私を丸ごと包み込んでいるのに、
どこか少しだけ悲しく、寂しそうで。
高度で難解な歌詞は、歌詞カードを見る前提で
執筆されている。
「Highになってゆこう」と聞こえるのに、
本当は「灰になってゆこう」と書かれていたり。
1番は「最後」と書かれているけれど、
2番は「最期」なんて書かれている。
どこまでも繊細で緻密な歌詞に、心が奪われる。
そうそう、そういう所が大好きなのです。
謙虚の中にも沸々と燃える野望があって、
あぁ、スターになる人ってきっと君のことね。
既に1300人もの観客を熱狂させているのに、
もっともっとって、明るく踊るその姿は、
やっぱり美しく、格好良く、眩しいのです。
初めて書いたファンレター。
君に服を作るその時まで、決して名乗らない。
そう決めていたはずなのに、次の日にはバレて。
あぁ、きっとこれも綯い交ぜ。
あなたの音楽で私の生きる道が彩られるように、
私の服であなたの人生が輝きますように。
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