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リーダーが心を軽くするために-自分を許すための7つの視点

リーダーとしての役割は、時に過大なプレッシャーやストレスを伴うものです。組織としての成功、部下の育成、そして目標達成など、様々な責任がリーダーにのしかかる中で、成果が出ない時や困難な状況に直面したとき、自分自身を厳しく評価しがちです。

真面目で自責思考が強い人ほどその傾向が強いのですが、自分を追い込み過ぎると、心の健康に深刻な影響を及ぼし、その結果としてリーダーシップにも悪影響を及ぼすことがあります。

今回は、リーダーがどのようにして自分を許し、心の負担を軽くすることができるかについて、掘り下げて考えてみたいと思います。

1. 自分に対する過剰な期待と心の重荷

リーダーが高い目標を掲げることは組織の成長には欠かせない要素ですが、成果を追求するあまり、自分の努力や成果に対して過剰な期待を抱くと、達成できなかった場合の落胆や自己批判が強くなり、心に負担をかけることになります。

例えば、プロジェクトの成功に強い期待を寄せるあまり、予期しないトラブルや失敗があった際に、自分を激しく責めることがあります。このような状況では、心のバランスが崩れ、ストレスが増し、次の行動に対する意欲も低下してしまうことがあります。

リーダーとしての目標達成に向けた努力は重要ですが、その過程で自分に対する過剰な期待を持ちすぎると、逆に心の健康を損なうことになるのです。うまくいかないことも計画に織り込み、その都度修正をかけていくしかないと割り切ることで過剰な期待を避けられると思います。

2. 自分を許すことの重要性

自分を許すことは、リーダーシップにおいて非常に重要な要素です。リーダーとしての役割には、多くの責任が伴いますが、完璧である必要はありません。失敗や問題発生は避けられない当然のことであり、それを受け入れることが、心の余裕を保つために不可欠です。自分を許すということは、自己評価を見直し、自分自身に対して寛容であることを意味します。

失敗や困難な状況は成長の機会であり、それを冷静に受け入れ、次に生かすための学びとする姿勢が大切です。自分を責めるのではなく、原因を分析し、今後の改善に役立てることが、リーダーとしての成長に繋がります。

3. ストレスの軽減と自己ケア

リーダーが心の負担を軽くするためには、日常的なストレスの軽減と自己ケアが必要です。リーダーシップには他人を支えることが含まれますが、そのためにはまず自分自身を大切にしなければなりません。自己ケアを怠ると、心の健康が損なわれ、リーダーシップの質にも影響が出てしまいます。

ストレスを軽減するためには、趣味やリラックスする時間を持つことが効果的です。

例えば、読書や散歩、好きな曲を聴くなど、自分がリラックスできることを積極的に取り入れることで、心のリフレッシュを図ることができます。

また、周囲の信頼できる人と話すことで、心の支えを得ることも大切です。悩みやストレスを他人と共有することで、気持ちが軽くなり、新たなエネルギーを得ることができます。

4. 成果だけが全てではない

リーダーとして関わり、成果を出すことは重要ですが、それだけがリーダーの価値を決めるわけではありません。

リーダーシップには、部下の成長を見守り、信頼関係を築くことも含まれます。成果が出なくても、過程で得られる学びや成長を大切にすることが、リーダーとしての本質的な価値を高めることに繋がります。

例えば、部下の能力を引き出すために努力しているリーダーが、その結果として直接的な成果が見られないこともあります。しかし、その努力が部下の成長を促し、信頼関係を深めることができるのであれば、それは十分に価値のあるリーダーシップです。

成果が出なくても、自分の努力がどのように組織や部下に影響を与えているのかを考え、その過程で得られる学びや成長を大切にしましょう。

5. リーダーシップの長期的な視点

リーダーとして成功を追求するあまり、一時的な成果や短期的な結果に固執しすぎると、心の負担が増し、長期的な視点を見失ってしまうことがあります。

リーダーシップにおいては、長期的な視点を持つことが重要です。組織や部下の成長を見守り、信頼関係を築くためには、短期的な成果だけでなく、長期的な目標を設定し、それに向けて着実に取り組む姿勢が求められます。

リーダーが短期的な成果を追い求めすぎると、自分だけでなく、部下にもストレスやプレッシャーを与え、互いに心の健康が損なわれることがあります。長期的な視点を持ち、組織や部下の成長を見守ることも、より持続可能なリーダーシップを発揮するために大切です。

自分の役割や責任を一時的な成果だけで評価するのではなく、また、成果は数字だけでないことも鑑みて、長期的な目標や成長を見据えて取り組むことが、心の余裕を保つために必要と心得ましょう。

6. 失敗から学び、成長する姿勢

失敗はリーダーとして避けられないものであり、それをどのように受け止めるかも重要です。失敗から学び、成長する姿勢を持つことで、心の負担を軽減し、より良いリーダーシップを発揮することができます。

失敗を単なる挫折として捉えるのではなく、成長の機会として受け入れることが、リーダーとしての成長に繋がります。

例えば、プロジェクトの失敗や目標未達があった場合、その原因を分析し、次に活かす方法を考えることで、より良い成果を上げるための学びを得ることができます。くよくよして次に繋がる学びとしないことは、リーダーとしての成長を妨げることになります。

失敗を受け入れ、それから学び、成長していこうと前向きに思っていれば心の負担が軽減できます。

7. 他人との比較をやめる

リーダーとして自分を追い込み過ぎる一因として、他人との比較が挙げられます。リーダーは、周囲の成功や成果と自分を比較しがちですが、これは心の負担を増す原因となります。他人と比較することで、自分の不足を感じたり、自己評価が低くなったりすることがあります。

他人との比較をやめ、自分自身の成長や成果に目を向けることが、心の健康を保つために重要です。

リーダーとしての価値は、自分自身の努力や成果によって測られるものであり、他人との比較によって自分を評価することは、心の負担を増すだけです。自分の目標や成長に集中し、自分のペースで進むことが、リーダーシップの質を高めることに繋がります。

まとめ 

リーダーには、多くの責任やプレッシャーが伴いますが、その中で自分を許し、心の負担を軽くすることが、より良いリーダーシップを発揮するために重要です。過剰な期待を抱かず、成果だけでなく過程で得られる学びや成長も大切にし、心の健康を保つことが大事です。

私自身、会社員時代肩書はさまざまでしたが、リーダーとして、台風が来て交通機関がまひして混乱が起きた時も、サーバーに障害が発生して業務が全てストップしてしまった時も、部下が重大なミスを犯して大きなクレームになった時も、すべて自分の責任だと思って過ごしていました。それは言葉にできないほどの心の負担であったことを振り返ってみると実感します。

そして、自分がうまくいかないことがあるように部下もまた同じように悩んでいることも忘れてないけないことです。期待通り、予想通りにうまくできることが常ではないのは、自分も他人も同じです。

人にはそれぞれのペースがあります。巷に溢れる「リーダーとしてあるべき姿」に翻弄され、いち早く成果を出す、常に完璧であることは無理な話です。焦らず、自分らしいリーダーシップを目指すのがいいと思います。

人間誰でも理想通りにはいかないものですから、うまくいかない自分も受け入れて、長期的な視点で成長や成果と向き合うことが大事ではないでしょうか。

リーダーとして頑張り過ぎている誰かの心が軽くなって
くれたら嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございます。


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