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会社の成長を支えるナンバー2の育て方 vol.90 【ナンバー2の選び方】功ある者には禄を与えよ、徳ある者には地位を与えよ

ナンバー2選びで起きてしまう大誤算

社長の右腕、ナンバー2として選んだ人が社長の期待通りに動いてくれなかったり、いつしか反目するような存在になってしまうのはなぜでしょう。

その理由は、ナンバー2として選んだ理由が営業マンとしての売上などの実績によることが多く、ナンバー2として機能してくれるかどうかという観点で選んでいないからです。

まして、社長自身がナンバー2の役割を理解しておらず、またナンバー2としての教育もしていなければそのような結果になっても仕方がないかもしれません。

ナンバー2の役割を簡潔に説明すると、経営陣の一人として社長を補佐しながら、自身の得意な持ち場で功績を上げ、現場を統括するという広範な役目を担います。

プレイヤーとして有能であっても、最高幹部として会社全体を見て適切な行動を取るというのは全く別の視点や才覚が必要です。

この当たり前のことを前もって社長も本人も理解、納得したうえでナンバー2に任命することが大切なのですが、「名選手名監督にあらず」と言われるように、ナンバー2に必要な資質を無視して選んでしまうと全くの期待外れになる可能性が高いです。

ピーターの法則に見る無能な上司

プレイヤーとしての実績を買って、管理職に昇進させ、チームを任せたところチームが崩壊し、深刻な業績不振になってしまったという話は世の中に数限りなくあり、その説明にピーターの法則が用いられるのでご存知の方も多いでしょう。

念のために説明しておくと、ピーターの法則とは、出世という階段において、有能さを発揮できていた地位から、無能ぶりを露呈することになる限界の地位まで昇進することで、最終的には会社全体に無能な人間があふれてしまう法則のことを指し、マネジメント能力に難がある中間管理職の課題としてよく語られます。そしてナンバー2選びでも同じことが言えます。

嫌いな上司、苦手な上司ランキングというのを転職サイトなどの調査データでよく見かけますが、管理職にすべきではない人材を選び、管理職としての教育もしていないので、現場の社員の不満が多く、マネジメントが機能せず、離職に繋がっているのもピーターの法則で説明がつきます。

ナンバー2に選んではいけない人材

ナンバー2選びにおけるポイントを選んではいけない人材という切り口であえて解説すると以下のとおりです。

・社長の価値観に合わせられないタイプ
・自分のことだけが大事なタイプ
・組織目標に全力を捧げられないタイプ
・自分に甘く、組織のルールを守れないタイプ
・利口ぶっているタイプ
・自分勝手なベテランタイプ
・ご機嫌取りのイエスマンタイプ

こういうタイプを実績だけでナンバー2に選ぶと、社長の後ろ盾を笠に着てやりたい放題で、無秩序で統制が取れない会社となり、現場の社員は大量に辞めるなど弊害が多く、派閥を作ることなどもあります。

私が会社員時代に転職した際に、これら全てに当てはまる自称ナンバー2という人一倍売上だけは作っている自己評価が高い馬鹿に出会ったことがあります。(社長にとっては売上を作ってくれる有難い存在だったのでしょう。)

転職初日で、あらかじめ聞かされていない組織崩壊しているひどい会社に就職してしまったと思いましたが、私も経営幹部として入社したので、結局はあり得ないほど実績を積み上げて、自分が正真正銘のナンバー2として最終的には辞めさせたのも今では懐かしい思い出です。(私はソフトに見えて、組織の害に対してはとても武闘派な会社員でした)

ナンバー2は組織にとって影響力のある存在でもあるので、人選を誤ると、目先の数字が多少良くても、将来的な伸びしろもなく、組織崩壊させる元凶になることもありますし、何よりも社長の負担は全く減りませんから慎重になることが大事です。

功ある者には禄を与えよ、徳ある者には地位を与えよ

この言葉は中国古典のひとつである「書経」に出てくるものなのですが、西郷隆盛が同様のことを言っていたことで有名になった言葉かもしれません。

現代風に言えば、功績のある人材には高い年収を与え、組織全体のマネジメントができるような人間力の高い人材には高いポジションを与えよという意味です。

前述したとおり、名選手名監督にあらずです。プレイヤーとしての実績と経営幹部、特に社長の右腕、ナンバー2は役割が全く異なりますから資質を見極めることは重要なことなのです。

ナンバー2の役割を認識し、社長を助け、会社に貢献する意識と行動を取れる人材を選び、教育を施さないとナンバー2によって組織崩壊させる可能性があるので、よくよく考えないといけないことです。

最後までお読みいただきありがとうございます。

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