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ミレニアル世代の子供、「α世代」はどのような傾向があるのか|週刊小売業界ニュース|2024/7/1週

2024年7月1日~7月7日のアメリカの最新ニュースから、
最近の小売り業界について紐解いていきましょう。

今週のおさらいに、ぜひどうぞ!


テクノロジーに慣れ親しむアルファ世代に対して、既存のブランド戦略は通用しがたい | Marketing Dive

<記事の要約>
α世代はテクノロジーとメディアに幼少期から慣れ親しんでいるため、そこで見聞きできる幅広いジャンルに興味と探求心を有している傾向にある。またブランドを評価する際は、創造性を刺激するブランドに対する好感度が高いことも分かっており、テレビタレントに対する信頼度は低く、アスリートや有名人をロールモデルとみなす割合はわずか2割にとどまっています。

これからの消費の中心を担う世代として
「Z世代」を解説する記事やニュースが多いですが、

一部のマーケッターはすでにZ世代の先、
α世代」と呼ばれる次世代の消費者を見据えています。


α世代とは2010年から現在に生まれた世代を指す名称です。
オーストラリアの世代研究者マクリンドル氏が2005年に提唱しました。

2010年生まれなので最年長でもまだ14歳(=中学2年生)。
そのため消費を牽引するのは約10年後にはなりますが、
彼らが既に消費者である動画ストリーミング等webコンテンツは
すでにα世代の消費動態に合わせてアジャストを進めています。


α世代には一般的にどのような傾向があるのでしょうか。
ミレニアル世代・Z世代と比較し、違いを見てみましょう。


【ミレニアル世代】=α世代の親世代
→1980年代初頭〜1990年代中盤に生まれた世代

  • インターネットの普及とともに小・中学生時代を過ごす

  • リーマンショックを受け、ワークライフバランスやシェアリングエコノミーに関心

  • 環境・社会問題への関心が高い


【Z世代】
→1990年代中盤~2000年代初頭に生まれた世代

  • もの心ついた時にはインターネット・スマートフォン・SNSが存在

  • 消費動態の一部として、所有よりもシェアを好む

  • 環境・社会問題に加え、文化や性的指向(ダイバーシティ)への受容性が高い

  • モノ消費よりコト消費を重視

  • コストパフォーマンスに加え、タイムパフォーマンスも重視


【α世代】
→親世代であるミレニアル世代からの影響が強い

  • スマホやタブレットに初めて触れた年齢として1~3歳が最多となるなど、真のスマホネイティブであり、また学校でのICT活用によりITリテラシーがさらに高まる

  • 社会課題への関心が高く、Social Goodに貢献するブランドを志向

  • モノ消費よりコト消費を重視することに加えて、オンラインで体験を共有することに関心を見出す(メタバース空間でのアバターを介したコミュニケーション等)

  • テレビタレントやアスリートをロールモデルに感じることが少なく、創造性や知的好奇心を満たすブランドやコンテンツにより強い関心を見出す



このような傾向があるとされるα世代に向けて、
企業がマーケティング・ブランディングを進めるには
どのような方向性が鍵となってくるのでしょうか。

まず注目すべきはオンライン・オフラインの融合です。

スマホアプリを取り入れた機能的な生活が当たり前のα世代では
オンライン行動とオフライン行動がシームレスに繋がる感覚があり、

オンライン・オフライン双方の顧客体験を掛け合わせ
提供価値を高めるという打ち手がより頻繁に検討されるでしょう。


加えて、幼少期にインターネットに触れ始めた当初から
パーソナライズされた体験(広告やおすすめ等)が当たり前のため
自社の顧客データを商品・サービスに反映する重要性も高まります。


また旧来のテレビタレントやアスリートといった
万人受けする有名人から影響を受ける傾向は減少し、
自らに近いと感じる人物像からの発信が重要となります。

近年ではZ世代向けSNSマーケティングとして、
ターゲット顧客のセグメントを従来より細分化し、
そのセグメントに当たるインフルエンサー
(「マイクロインフルエンサー」と呼ばれます)
を活用する手法が多く取り入れられています。

α世代へのマーケティングにおいても同様に、
パーソナライズした広告塔の起用が鍵になります。



<担当者からの一言>
OMOやメタバースによってオフラインとオンラインの統合が進められていますが、個人的にはα世代が大人になり消費の中心を担うころには、オフラインとオンラインの"融合"まで実現しているような気がしています。
それこそ現在でも24時間いつでもスマホに通知が届き、誰かからのメッセージであれば即確認するという行動は当たり前かと思いますが、これもある種オフラインの日常世界に常にオンラインが介在しているわけで、スマホをポケットから取り出す、テキストを打つといった作業をいかに早く人間どうしのナチュラルなコミュニケーションの形にまで簡素化できるかというだけだと思います。ChatGPTが会話形式のアウトプット技術を取り入れたとたんに、LLMの実用性が認知され普及したのと、感覚としては似ています。
"融合"を実現するためのインフラ面でも、様々なウェアラブルデバイスの開発や長時間耐えるバッテリー素材の開発、5G通信など専門企業によって準備が着々と進んでいると見ており、α世代がこれらの環境を活用してどのように社会課題を解決してゆくのか、むしろ楽しみに感じています。



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