ごーせん

文筆家です。 日常は妄想と偏見と強烈な自意識で満ちています。

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私たちに潜む「傲慢と善良」

辻村深月という作家が直木賞作家であり、著書の中にはアニメ化されたり、映画化されたりしているものがあることは知っていた。 しかし、アマノジャクな私は有名作家はみんな読んだことがあるだろうから、もっと掘り出し物作家を読みたいという思考のもと、辻村作品のどの作品も目を通したことはあまりなかった。 ”あまりなかった”というのは、唯一「ツナグ」を途中まで読んだことがあったからだ。 知人宅に遊びに行った時に、本棚にあったのを手に取り少しパラパラと読んでみたのだ。 「面白そう」と思

    • ギャランドゥーのワルツ

      ワルツという言葉を、ご存知だろうか? 音楽に関係する事だと認識する人は多いと思う。 ウィキペディアを確認してみてもそんな感じだ。 私はこの言葉を私の愛しい「胸毛」に由来するものとして読者諸君にお伝えしたいと思う。 胸毛、否、ムナゲだ。 MUNAGE。 ここでいう「ムナゲ」とは、下記の毛であると定義する。 ・乳首の周りに生えている毛 ・乳首と乳首の間の皮膚に生えている毛 ・ヘソの周りや、ヘソ下に生えている毛 あれは、仕事終わりに電車で帰宅した後、風呂に入り、

      • 田中、会社辞めるってよ

        「田中、会社辞めるってよ」 コピー機で書類をスキャンしながら、オレは中山に耳打ちするように囁いた。 「え、マジすか!?」 少し驚いたような拍子抜けしたような表情で中山はオレの方を向いた。 青天の霹靂、というやつか。 田中が青井部長からパワハラを受けているとオレに相談があったのは、今回の現場の件より以前の話だ。 しかし今回、現場で青井部長と喧嘩して、田中の堪忍袋の緒が切れて何も言わずに帰ってきたと聞いた時、正直マズイなと感じた。 いかにもテンプレートに添ったような

        • 嫁の足音にドキドキするオレ

          今日はオレの番のはずだ。 昨日と一昨日は嫁の番だった。 風呂上がりの洗面所で、髪を乾かしながらドライヤーの轟音の中に嫁の足音がないか常に伺っている。 今んとこ大丈夫だ。 今日は妻がご飯担当で、保育園の迎えもやり、風呂も寝かしつけも行っている。 俺は夕食後の食器の片付け。 昨日と一昨日は逆だった。 在宅ワークは、ラクだが業務後の家事や育児がついて回るからそれが大変だ。 とにかく子供2人を風呂に入れてタオルで拭いて、ドライヤーで髪を乾かしてやるのはホトホト疲れる。

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        私たちに潜む「傲慢と善良」

          なぜ犯罪者は低学歴の人が多いのか

          YouTubeにある動画が投稿された。 その動画の中で、建設現場で働く初老の建設作業員同士が映っていた。 おそらくその動画は、作業の休憩中に撮られたものなのだろう。 その作業員同士は口論になり、どんどんエスカレートしていた。 それを第三者が撮影しているという構図だ。 一方の作業員が意味不明な言動でまくし立てているのに対して、もう一方の作業員は頭に血が登っているのが見受けられるものの言い返せずにいた。 ひたすら意味不明な言動を一方が繰り返して、それをひたすら歯軋り立

          なぜ犯罪者は低学歴の人が多いのか

          「壁ドン」で壁が崩壊した際の処方箋

          お世話になっております。 先日はご対応頂きまして、ありがとうございました。 首題の件に関しまして、私の方から簡単に対処法を説明させて頂きます。 まず、昨今の「壁ドン」という概念の定義づけとして、これを読まれる方々の中にはまだ曖昧模糊とした思いをお持ちの方もおられるかと思いますのでそちらから説明致します。 「壁ドン」というのは、割と背の高い(日本男児の平均身長より4、5センチ以上高い)男性で、ご自身のことを外見的に優れていると思われる方が、比較的容姿の整った女性をなんや

          「壁ドン」で壁が崩壊した際の処方箋

          「オレかっこいいぜ」が溢れている

          ペデストリアンデッキのモニュメントの前のベンチで足を組んでいる日焼けした高校生男子。 ツーブロックを決め、ワックスでいい感じの頭の雰囲気を醸し出し、制服のシャツをズボンから出して、スマホを片手で斜め上の方角を見入っている。 これから彼女でも待ち合わせしているのかい? 彼の瞳の奥、否、心の奥底では「自意識」が溢れ、全ての彼の意識は彼自身の風貌をメタ認知で捉えているのであろう。 要は、潜在的に「オレかっこいいぜ」が溢れている。 オレかっこいいぜが溢れている男子はゴマンと

          「オレかっこいいぜ」が溢れている

          私小説の文豪:西村賢太「苦役列車」

          彼の筆致には底辺の底の底で絶望し切った男の極度の「諦観」という無敵さを感じる。 「無力」は、「無敵さ」と往々にして同義であると考えさせられる。 西村賢太氏の「苦役列車」を読むとそう思わずにはいられない。 私が西村賢太氏を認識したのは、大半の人がそうであるように彼がこの「苦役列車」という私小説で芥川賞を獲得した2011年だった。 当時の記者会見で、「そろそろ風俗に行こうかなと思っていた」と発言した内容は度肝を抜いた。 こんなに失うものが無い人間がいるんだなあと率直に感

          私小説の文豪:西村賢太「苦役列車」

          こじれた人間関係を修復する方法

          大輝は、妻との関係がギクシャクしていることに気づいていた。 この関係性はこの先ずっと続いていくのではないかと言う不安と闘っていた。 大輝は、優柔不断な性格から、自分の弱さと向き合うことから逃げていたのだ。 優しさとは、臆病さの裏返しである。 優しさとは、嫌われたくないと言う思いの裏返しである。 優しさとは、認められたいと言う執拗なまでの負の執念である。 優しさとは、臆病さと表裏一体である。 優しさとは、つまり軸を他人に委ねてしまっている心理的状況のことなのだ。

          こじれた人間関係を修復する方法

          人間とオランウータンは結婚できない

          冒頭で記載したことに異論はないと思う。 ではこのタイトルで何が言いたいのか。 要は、知的レベルが違いすぎるといくら人間同士でも会話が噛み合わなくなってくるのがオチだということ。 東大を卒業したエリートと中卒の人間の会話はひたすら永遠に噛み合わないのは、容易に想像つくはずだ。 同じ地球に住んでいても、住んでいる世界が違いすぎるのだ。 しかし、人間は良くも悪くも「慣れる」生き物だ。 知的レベルの高い人間でも、知的レベルの底辺レベルの階層の中で仕事をすると数年後、見るも

          人間とオランウータンは結婚できない

          考えるほど沼にハマる「正欲」の自己矛盾性

          朝井リョウの「正欲」を読了した時、私の中に抱かれた感情というものは、「これはやられたなぁ。。」であった。 誰もが心の奥底の方で微かに思っていたことに違いない。 いわゆる「正しさ」という凶器をこれでもかとこの小説を通して、「矛盾」という形で突きつけられたように感じた。 これは人間の卑しさの抽出であり、炙り出されにくい闇を見事なまでに昇華させた作品だ。 全面オビのコピーには、 と記載されている。 なるほど、確かに後戻りはできない所に来てしまったように感じる。 冒頭で

          考えるほど沼にハマる「正欲」の自己矛盾性

          人は1年後の結果を重要視するが、10年後の結果はかなり軽視している

          あなたが何かに挑戦したり、成功を目論んで行動を起こしたとしよう。 目に見える結果というのは、そうそう簡単に出るものではない。 それが大きな目標であればあるほど、結果が出るまでもかなり時間がかかる。 しかし、大概の人間というものは目先の結果が欲しくて、涎(よだれ)垂らしているものだ。 しかし、社会に出ればあなたが垂らしたよだれを拭いてくれるお母さんは存在しない。 つまり本音でアドバイスをしてくれる人はほとんど皆無に等しいということだ。 「今すぐに」とか、「ラクして」

          人は1年後の結果を重要視するが、10年後の結果はかなり軽視している

          パパとママの思考をアウフヘーベンしてね

          今日は、もうすぐ7歳になるヨシナちゃんに少しだけ、否、かなり難しい話をするけど人生にとってとてもためになる話だと思うから、少しずつ理解しながら聞いてみてね。 ヨシナちゃんは今、「あいうえお」に続く言葉を55個覚えてひらがなは全部読めるようになったよね。 そして、パパとママのお話もそこまで滞りなくスムーズに聞けるようになって来たよね。 相手と会話することが出来るようになってくると、今度は次のステージに向かって行くんだ。 次のステージというのは、会話の相手がなんでこんな言

          パパとママの思考をアウフヘーベンしてね

          あなたが上手くいかない理由はあなたが一番よく知っている

          思考力を高めるためにはどうしたら良いかご存じだろうか。 何も早慶旧帝大卒の超エリートコースを突っ走っている人たちだけが思考力が高い持ち主だけだと決めつけるのも時期尚早だ。 思考力を究めるたった一つの方法とは、常に目の前の事象に対して「なぜ?」と問いかけることだ。 ニュースを見ていてふと疑問に感じ、「なぜ、この事件は起こってしまったんだろう?」と自問自答してみる。 街を歩いていて、気になる人を見かけたら「なぜ、この人はこんな奇抜なファッションをしているのだろう?」と自問

          あなたが上手くいかない理由はあなたが一番よく知っている

          解像度が上がるとカチンときやすくなる

          ウォーキングしていた時のことだ。 人通りと車両の通行量の多い交差点に差し掛かった時、1人の若い女性が爆笑しながらケータイで電話をしていた。 彼女が立っていたのは、歩行者側の信号が赤にもかかわらず、歩行者用交差点に少し出かかっているところだった。 要は、車両側に少しはみ出てしまっていた。 これでは、左折する車両が邪魔で邪魔で仕方がない。 彼女は相変わらず、そのことに気づかずにずっとケータイで電話をしていた。 運転している人たちは、イライラしているに違いないだろう。

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          ケガをした瞬間が、人生の岐路になる

          大怪我をした瞬間、終わったと思う。 選手生命が。 当分会社を休まないと。 あぁ、色々と調整しないといけない。 これから俺はどうなるんだろう。 私の人生はもうついてないのかしら。 何か、リハビリや入院などを伴うような大怪我をしたことがある人なら分かるように、その瞬間は激痛と明日への絶望感で胸がいっぱいになる。 不安と苦しみに苛まれる。 しかし、この瞬間から人生が好転することもあるのだ。 入院先で、熟読した本の中にインスピレーションを感じ、行動することであれよあ

          ケガをした瞬間が、人生の岐路になる