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【心理的安全性編8:「チーム時間」の使い方】

本マガジンは心理的安全性について対話形式で解説していきます。これまでの投稿は上記に入れてあります。
 今回は、先輩で新規事業部長の健と若くして製造課長となった正輝が登場します。ある日、リモート会議で、健と正輝が久々にあいます。正輝はどうやら課長としてのマネジメントに悩みを持っているようで、健に相談を始めリモートで定期的に対話をします。健の指導で心理的安全性について学びながら自分のチーム作りを見直します。これまでGoogleのプロジェクト・アリストテレスについて解説し心理的安全性の意味を学びました。そこから心理的安全性向上の具体的な方法を学び、その上でマネジャーとしての考え方・心構えを学んでいきます。

なお、本マガジンは「世界最高のチーム グーグル流「最少の人数」で「最大の成果」を生み出す方法」を参考に記載していきます。

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👨;おはようございますー。今日もお願いしますー。

👱🏼‍;おはよう。今日もリモートでやっていこう。

👨;おはようございます。おはようございます。おはようございます。

👱🏼‍;おーい!何回言うのよ。聞こえてるって!あ、やべ。ミュートになってるじゃん。ごめんごめん。よし、今日は、心理的安全性がマネジャーと部下である程度構築できたとして、その上でチームメンバーがどのように活動すべきかという点について解説するよ

◆完璧主義と実験主義

👨;はい。それに関連して今日はちょっと報告したいことがあります。先日マネジャーの役割ってところで、理念を明確にというのがあったんですが私が加工1の課長になってから作っていなかったので、主任みんなを集めてみなで作成してみました。ビジョナリーカンパニーを工場長から習った健先輩見てもらうのは恐縮ですが。

👱🏼‍;お、いいじゃん。どんなもの?というか、みんなを集めてそんな議論ができるようになってきたのか、それ自体が心理的安全性が過去よりだいぶ向上している証拠だね。

👨;はい。下記です。

・1;安全・5Sを文化にする(すべての仕事品質の代表値)
・2;「ものづくり=楽しい」を体現していく
・3;分析に時間をかけるよりも、リスク判断に準ずるタイムリーな実験を重ねる
・4;心理的安全性を意識。フラットな関係性でつながる。
・5;裏表がない
・6;チャーミングを大切にする
・7;マイクロマネジメント反対

中身に関して、細かいことを話すつもりはないのですが、私が大事にしたいと思ったのは、このビジョンも長時間かけて、じっくり完璧なものを作るということではなくて、まず作成してそのアクションをとってみるということです。中身の本質は変わりませんので。

👱🏼‍;それはいいじゃないか。そうだね。それはチームのメンバーが有益に働いている活動の一つだと思うよ。本の中でもよい集合知を得るには完璧主義ではなく、「実験主義」でなければならないと記載されているよね。著者のピョートルさんの会社の理念も載っている。それは30分で関係者を集めて作ったようだ。きっと通常うちの会社のどこかの部署で理念を作ろうとしたら3か月はかかってしまうよね。もちろん組織の大きさにもよるけど、長い時間をかけてしまうのは「完璧主義の弊害」だね。本の中でも書かれているように、現代では完璧を求めて、それが終わってからアクションを起こすというのはもう遅すぎるんだ。

👨;そうですよね。要するにたたき台を作って、どう思うかメンバーに聞く、そしてそのたたき台をみんなでディスカッションをしていく。たたき台は、具体的にイメージがあるものだから相手もアドバイスがしやすい。そうして良いものができていく。

👱🏼‍;そう。それこそが、「集合知」というわけだな。つまり、よい集合知を得ようとすると完璧主義ではなく「実験主義」でなければならないんだ。とはいえ、バランスは必要だし、その瞬時、瞬時は120%頭を動かして考えなければならない。

👨;わかりました。

◆計画主義では生産性は高められない

👱🏼‍;完璧主義にもつながってくるんだが、計画主義に対してもこの本の中では懐疑的な姿勢を示しているよ。グーグルでは、アンコンシャス・バイアス(無意識のうちの先入観や偏見)、つまり自分が気づいていない先入観を確認する、そしてそれを壊すバイアス・バスティングというものを行っているというんだ。要するに意図的に先入観を壊すということだね。

👨;それが、計画主義と何が関係あるのですか?

👱🏼‍;要するに一度自分が考えたことが正しくなかった、それに気づき自分の元々の考えを修正することが重要だっていっている。つまり、自分が立てた計画が正しいという先入観を捨てろということだ。変化の激しい現代では、一度決めた計画がずっと正しいなんてことはない。生産性を高めるためには、常に現実を見て過去を見直し、修正していく「学習主義」重要ということだ。これは実験主義と関連しているところがあるね。やってみて、学んでまたやってみる。その高速サイクルを行っていくことが重要なんだ。

👨;なるほどです。学習含めての高速サイクルですね。マネジャーも同じですね。自分が出した指示に対して、現場から声が上がったら、自分の先入観を壊してきちんと見直す、すり合わせするということが必要なのですね。

◆クリエイティブカオスを目指す

👱🏼‍;さて、ほかにもメンバーに活躍してもらうために目指すべき状態というのがある。その一つが「クリエイティブカオス」の状態だ。

👨;クリエイティブ・カオス??すみません。そこまでまだ読めていませんでした。

👱🏼‍:日本語にすると、創造的混沌だ。

👨:変わらないっす。同じっす。

👱🏼‍:まあ、待って(笑)新しいアイデアが生まれる時っていうのは、その前段には多くの場合、一見デタラメのように思えるようなカオスな状態が生まれるんだ。チームがカオスな状態になると考えたり、まず実績を作るためにアクションが起こったりするんだ。それ自体がチームメンバーの成長を促す大切な機会になるということだ。そのカオスをあえて作るということだ。

👨;あえて、大胆な目標を立てて、そこでちょっと強引な無理なアイデアであったり、一見実施しても意味がないような活動に関して議論してもらうわけですね。その中で複数の活動が実行されていく。結果として、それはこれまで体験したことがなかった活動になるので個人の成長につながるというわけですね。

👱🏼‍;その通りだ。思い切ったアイデアを出してもらって、実行する環境を作ることが大事になる。だが、実際は日本の大手企業は「失敗したら、誰が責任取るのか」とか、「他社はどうしているのか」と言って管理者が現場の自発的な言動をむやみに止めてしまうことがあるね。

👨:そうなのです。って、私も少し前までそうでした。気持ちはわかってしまいます。。やっぱり、これまでのオペレーションエクセレンス主義の文化だと減点法になる。そうなると発想が失敗したらどうしようになってしまうのですよね。

👱🏼‍:そうだな。ちなみにそのような人たちのことを著者は「オールドエリート」と呼んでいるそうだ。新しい価値を生む人が「ニューエリート」に対して「オールドエリート」だそうだ。比較表が本の中にあったから記載するよ。

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👨:なるほど。でも、、日本の歴史ある企業には多くの「オールドエリート」が存在していそうですね。まあ私もなりかけていましたが・・。

👱🏼‍:そうだな。でも、スタートアップのような短期間に新しいビジネスモデルを作っていく組織のリーダーはオールドリーダーでは務まらないんだ。新しい価値を生み出し、それと同時にチームに資金を提供してくれる人たちに成果と数字をしっかり出さないといけない。つまり自分のアイデアに固執していては弾で、自分より優れた人たちの力を借りて成長していかなければならない。

👨;でも、それって、今閉塞感を抱えている日本の大企業に必要な考え方ですよね。新しい価値を生み出し成果を出していく。これが必要です。だからこそ、大企業のマネジャーこそ「ニューエリート」になっていかなければならないのですね。そして、あえて、クリエイティブカオスな状態にしてメンバーに成長を促すべきということですね。

◆フィードバックからフィードフォワードへ

👱🏼‍;そうだな。よし、今日は最後にフィードバックからフィードフォワードへということを解説しよう。

👨:フィードフォワード?

👱🏼‍;そうだ。前へというわけだ。フィードバックというと「結果は〇〇だったね。それはどんな理由からだったからかな。」というように過去の事象に関しての会話だよな。

👨:はい。

👱🏼‍;フィードフォワードというのは、その事態が起きる前に「どんな準備しておく?」とか、「〇〇のリスクのチェックわすれているのではないか」などを会話することを指すんだ。これは、心理的安全性が確保できていないと、嫌味になってしまったりマイクロマネジメントと感じてしまうかもしれない。

👨:でも、フィードバックでも失敗を反省して、次につなげますよね?

👱🏼‍:そうそう。フィードバックはもちろん必要だよ。つまり、フィードバックをフィードフォワードに活かせということなんだ。

👨:なるほど、フィードフォワードと言語化するとより意識することができますね。

👱🏼‍:じゃあさ、フィードバックであったり、振り返りってどんなタイミングで必要だと思う?

👨;え?普通なにかが終わった時というか、行動後ですよね。

👱🏼‍;そう思うよな、でもそこだけじゃないんだ。「行動前」「行動中」「行動後」それぞれで振り返り、つまりフィードバックが必要なんだ。例えば人に会うとしたら、会う前に「こういう風に、接してこういう結果を出そうとしっかり考えておく。

👨:そうすると確かに建設的に相手と話ができますね。

👱🏼‍;そして、会話の最中にも状況が良い方向になるように会話をしていく。会話ってテストの連続みたいなものだ。その時もこういう説明であれば相手がわかりやすいなど、一瞬一瞬を振り返りながら会話を続けていく。そして、面談が終わったあと次はどうしたらいいか振り返る。

👨;なるほど。これでも、チームのミーティングでも同じということですね。会議前にこの打ち合わせで何を得たいかを事前に決めて置き、ミーティングが始まったらメンバーの会話や体調等を確認しながらファシリテートしていく。そして会議後、本日の会議はどうだったのか次はどうするかを考えるわけですよね。

👱🏼‍:そうだ。チームをよくしていくために、フィードバック、フィードフォワードは欠かせない活動だ。よし、今日はここまでにしよう。

👨:あ、もうこんな時間なのですね。ありがとうございました。また次回お願いします。

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今回は、実験主義の重要性、クリエイティブカオス、オールドエリートそして、フィードバック・フィードフォワードを解説しました。いよいよ、ピョートルさんの著書のタイトルにもなっている「最少の人数」で「最大の結果」を生み出す方法について次回は解説します。次は第5章となります。6章が最終章ですので、このマガジンも終盤に差し掛かっていきます。ぜひ、スキ・フォローお願いいたします。

また、下記の固定記事に、このnoteのコンセプト、これまでのマガジンについて解説しています。もし興味があれば是非フォローお願いします。

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