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【心理的安全性編7:自律的なパフォーマンスを引き出す】

本マガジンは心理的安全性について対話形式で解説していきます。これまでの投稿は上記に入れてあります。
 今回は、先輩で新規事業部長の健と若くして製造課長となった正輝が登場します。ある日、リモート会議で、健と正輝が久々にあいます。正輝はどうやら課長としてのマネジメントに悩みを持っているようで、健に相談を始めます。健の指導で心理的安全性について学びながら自分のチーム作りを見直します。前回はGoogleのプロジェクト・アリストテレスについて解説し心理的安全性の意味を学びました。そこから心理的安全性向上の具体的な方法を学び、その上でマネジャーとしての考え方・心構えを学んでいきます。

なお、本マガジンは「世界最高のチーム グーグル流「最少の人数」で「最大の成果」を生み出す方法」を参考に記載していきます。

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◆自律的なパフォーマンスを引き出す

👱🏼‍;おはよう。聞こえているかい?あ、映った、映った。今日もリモートでやっていこう。

👨;おはようございます。よろしくお願いします。早速、先日教わったことを実践してみました。お互いの時間の見える化はして(注意;各人のスケジュールに関してはもちろん干渉しない。時間調整のための見える化。心理的安全性が向上してくると自然に皆が自分の予定の見える化を始める。)1on1の時間を確保する方法は前々からできていたので、5人に対して少しづつ実施ができてきました。それと、質問も前回の7つの質問を使って探り探り対話を行っています。ターニングポイントの質問をすることで、各々の人間性が見えてもきました。

👱🏼‍;なるほど、具体的には何か変わってきたかい?

👨;はい。少しづつ変わってきたというか価値観ベースの雑談から話をしているのですが、話しているうちに、「あ、そういえば」といって最近現場で起こって生産上の不具合だったり、各現場での人間関係について話してくれるようになってきました。

👱🏼‍;なるほどね。自然な流れで現状の現場状況や雰囲気がわかってくるようになったということか。いいじゃないか。ぜひ続けてみてくれ。

👨;はい。だんだん、そして徐々に私に判断を聞いてくれるようになってきました。非常に管理がしやすいです。

👱🏼‍;そうか、判断を聞いてくれるようになったていうのは具体的などのような質問なんだろう。例えば、軽微なトラブルが続いて歩留まりが落ちているとかさ、そういう報告と相談があったときなんかはどう?

👨;そうですね。例えば「どうしましょう。このくらいの軽微なものあれば、時間との費用対効果を考えると無視したほうがいいでしょうか?それとも、対策をとったほうがいいでしょうか?」というような感じですね。

👱🏼‍;うーん。ちょっと違和感ないかい?

👨;え?

👱🏼‍;前回勉強したと思うんだけど、まだ、ピラミッド組織の構図が強い気がするな。君に判断を状態のように見えるんだよね。

👨;はい。でも製造ってそれぞれが権限と責任があるので、課長が決めていくのが良いと思いますが。

👱🏼‍;ああ、もちろん組織や課題の大きさによるのだが、権限委譲を明確にして、工程の歩留まりに関係する程度の判断はすべて部下に任せる。つまり、自律的に判断してもらうようにしていくべきだ。もちろん、事後でも事前でもいいが、情報共有はあっていいと思うけどね。それが雑談やちょっとしたことで自然に入ってくるといいということだ。

👨;そ、そうですか。

◆パフォーマンスの分類

👱🏼‍;腑に落ちていないようだが、著書の中でも「ビジネスや現場での変化のスピードが速くなって、かつ従業員の多様化が進んでいる中でトップの意思決定を待って動き出すようではすべての物事に遅れてしまう。それぞれの「現場」が自律的に判断してすぐ動くことが望ましい」と書いてある。だから、マネジャーが細かいことまで決めていくのではなく、現場が自律的に成果を生み出せるようにサポートしていくことがマネジャーの役割になるんだ。

👨;は、はい。それはわかります。でも、その意思決定で不具合が起きて業績が下がってしまったらどうするのですか?

👱🏼‍;そこ。今どの時間軸の話をしている?

👨;時間軸?時間軸・・。いや、目の前というか短期です。今期の成績であったり今年の成績であったりです。

👱🏼‍;そこをよく考えてみよう。もちろん現場の成果というのは「個人のパフォーマンス」に左右される。マネジャーはそのパフォーマンスを最大限にするために存在している。そして、パフォーマンスというのは「短期的」「長期的」「随時的」という3つの時間軸に分かれるんだ。下記のようにピョートル氏の著書には書いてある。

短期的;いま目の前にある本人とチームタスクのタスクを実行すること。
長期的;本人とチームの市場価値(スキルや成長可能性)を高めること
随時的;本人とチームが変化に適応できる能力を付けること

👨;あ、、長期的視点。。随時的視点・・。

👱🏼‍;そうだ。多くのマネジャーは短期的パフォーマンスだけを考えがちなんだ。言いたいことわかるよな?(笑)マイクロマネジメントになっちゃっているんだよ。昨今いわれているマネジャーの仕事というのは、

メンバーが自発的に組織のビジョンに向かって日々の業務を実行できて、なおかつ自発的にあアイデアを出して実行できるようにして、最終的に自己実現できるように育んでいくこと

なんだ。

👨;なるほど。メンバーというのは新人も入るのですかね。ほとんどのマネジャーが新人にはやっぱりマイクロマネジメントしてしまいがちだ思うんですよ。

👱🏼‍:そうだな。多くのマネジャーは新人に対して、どうしてもコントロール支配しようとする。「新人だから、なにもわかっていないから口出すな」とか、「お前がそれを言うのは早い」とかね。

👨:いや、私思いっきりそれやってました。

👱🏼‍:でも、そうじゃなくてさ、やっぱりもっと器大きく、「いい意見」だとか、「もっと言ってくれ」というほうが本人も成長ができるしチームがシナジーをもたらす可能性もある。新人は、コントロールするのではなく、自己効力感(自分はそれが実行できるという期待)を高めてあげることが大事なんだ。マネジャーからそういう態度を取っていかないと、部下は新人をコントロールしようとするぞ。

👨:わかりました。新人に正論を言われるといろんな言い訳をして正当化してしまうんですよね。考え方変えます。器大きくですね。

◆フロー状態を増やす

👱🏼‍:さて、ここでフロー状態について話をしよう。

👨;フロー状態?

👱🏼‍:近年のハイパフォーマンスの研究では、アメリカの心理学者、ミハイ・チクセントミハイが提唱している「フロー理論」(チャレンジとスキルが釣り合う状況で、物事に没頭する体験や状態に関する理論)が注目されているんだ。

👨;ちょっと何言っているかわからないっす。

👱🏼‍:サンドウィッチマンかい。フローとは、簡単に言えば「夢中になること」だ。興味があることを一生懸命やっている状態だ。そして、このフローの状態は普通8時間働く中で30分しかないとされていてさ、その状態が1時間半に伸びると生産性が2倍になるといった研究結果があるんだ。

👨:ということは、マネジャーの仕事はその「フロー時間を延ばすこと」も重要になるのですね

👱🏼‍:そうだ。そして。そのためには、心理的安全性が高いことが前提になるんだ。どんな好きな仕事でも共感できないマネジャーの下では落ち着いて楽しく仕事はできない。心理的安全性を築いた上で、チャンスを作るということが必要だ。要するにキャリア・マネジャーとしての振る舞いが必要だってことになる。

👨:キャリアマネジャーですか。望むキャリアを聞いておくことも必要ですね。

👱🏼‍:ただ。いきなりキャリアの話なんてしたって、はっきり言える人なんてまずいないよ。だから、それを考えてもらうことからスタートするんだ。一度聞いてみて答えられなくても、「なんでわからないんだ?自分のことだぞ。」なんていってはならない。きちんと話を聞いて、次回の面談でどうだいと聞く、それでも出てこなくても要求はせず待つんだ。そうすると次聞かれると思って勝手に考えるものなんだ。そして、回答があったら具体的な相談(コーチング)の開始となるのだ。

👨:日々の会話や面談での会話の中で積み重なって行われていくものなのですね。

◆マネジャーにとっての「判断基準」

👱🏼‍:ところでさ、チームの成果というのは「経営のトップにどう評価されるか」ということだったよね。

👨:はい。

👱🏼‍:つまり、マネジャーは自組織経営トップの目線が必要でメンバーに対しても同じ目で見て中といけないよね。つまり経営者の立場で考えるということだ。これがマネジャーにとっての必須の「判断基準」だ会社のパフォーマンスというのは、会社に必要な仕事と、その人のスキルや好みが一致して、それが積みあがって成り立つそれをどう一致させるかが重要になってくる。

👨:要するに適材適所ということですよね。それがうまくいくとモチベーションが上がってくるのは非常にわかります。

👱🏼‍:モチベーションね。それを上げてあげることは肝だね。ところでモチベーションは何が揃うと上がりやすいといわれているかしっているかい?

👨:知っています。「目的(意味があること)」「熟達(新しいことを学べるか)」「自主(自分の能力成長の選択肢が増えているか」です。読みました。(笑)

👱🏼‍:そうだな。ここから分かるように、メンバーにとって上の三つが当てはまる仕事になっているかをマネジメントおよび対話をすべきということだ。さて、時間だ。今日はここで終わりにしよう。

👨:ありがとうございます。また、実践してみます。また話聞いてください。

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今回は、パフォーマンスの時間軸、フロー状態、マネジャーの判断基準について簡単に解説しました。次回は第4章に入り、チームとしての時間の使い方について解説していきます。前半戦はここで終了です。ここから後半戦に入りチーム力向上について解説していきますので、是非スキー・フォローいただければ幸いです。

また、下記の固定記事に、このnoteのコンセプト、これまでのマガジンについて解説しています。もし興味があれば是非フォローお願いします。

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