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【心理的安全性編9:最小のチームで最大の結果を得る】

本マガジンは心理的安全性について対話形式で解説していきます。これまでの投稿は上記に入れてあります。
 今回は、先輩で新規事業部長の健と若くして製造課長となった正輝が登場します。ある日、リモート会議で、健と正輝が久々にあいます。正輝はどうやら課長としてのマネジメントに悩みを持っているようで、健に相談を始めリモートで定期的に対話していくことになりました。健の指導で心理的安全性について学びながら自分のチーム作りを見直していきます。これまでGoogleのプロジェクト・アリストテレスについて解説し心理的安全性の意味を学びました。そこから心理的安全性向上の具体的な方法を学び、その上でマネジャーとしての考え方・心構えを学んでいきます。

 今回はチームメンバーの能力を引き出す上でのポイントについて、「世界最高のチーム グーグル流「最少の人数」で「最大の成果」を生み出す方法」の第5章を参考に記載していきます。

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◆個性に応じて接し方を変える

👨;おはようございます。

👱🏼‍;おはよう。今日は、いかにチームメンバーの力を引き出すかという部分にフォーカスして解説をしていくよ。ワンオンワンを継続して主任さん達と実施していると思うけど何か気が付いたことはあるかい?

👨:はい。あります。一人ひとり個性がありますから話し方、聞き方を各々に合わせていくことが重要だなということがわかってきました。性格的にポジティブな人もいればネガティブな人もいますし、その日の調子というものがそれぞれにはありますね。

👱🏼‍:おお、なるほどね。いいところに気づいたね。それと、ワンオンワンは会社でやらなきゃいけないってわけじゃないんだよね。私の若いころは、居酒屋に行ってじっくりと払わって話したことがあったりしたよ。まあ、それももちろん人によるし、「職務上の関係性」は常に公平でなければいけないけどな。えこひいきのようになってはいけないということだ。

👨;はい。そこは気を付けたいと思います。でも、少しづつ心理的安全性がメンバーと築けてきているのか、彼らが考えている現場管理や改善のアイデアであったり、それぞれの工程に対する彼らの思いを語ってくれます。その中で彼ら自身が何を望んでいるかというのがわかってきますね。

👱🏼‍:なるほど、だいぶ心をつかんできているようだね。それは深い会話ができ始めている証拠だ。今回解説している本の中でも、メンバーが何を望んでいるかをつかめば、個々のモチベーションも高くなるし、チームのモチベーションも上がると言っている。ただ、そのような会話を直観的にしていくのもいいのだけども下記のように整理して対話していくのもいいかもしれないからシェアしておくよ。ちなみに、これは、「シチュエーショナル・リーダーシップ」として知られたフレームワークだ。能力と意欲で4つパターンにわかれるんだ。

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・委任する……能力も、意欲も、高いケース。定期的に褒めたり、同意したりするだけでなく、クオリティ指標を示すことで、共にリスクを管理する

・励ます. 能力が高く、意欲が低いケース。タスクの重要性や感謝を伝えることで、モチベーションを引き出す

・手を取る……能力が低く、意欲が高いケース。基本と期待を明確に示し、小まめにフォローしたり、コーチングしたりすることで、成長を促す

・指揮する……能力も、意欲も、低いケース。ゴール、プロセス、その理由を明確に説明理解度を小まめにチェックすることで、タスクを成長機会へと変える

👨;なるほど。整理されると非常にポイントがわかりやすいですね。

◆すべての相手に共通するコミュニケーションの原則

👱🏼‍:とはいえ、相手がどんなタイプだったとしてもマネジャーとして心掛けてほしい原則はあると、著者は言っている。それは、3つ。「やさしさ」「厳しさ」「チャーミングさ」だという。「やさしさ」というのは、kind、つまり、親切さだ。よかったよかったというだけでなくて、何がよかったのかフィードバックする、つまり自分の思考を相手のために丁寧につかうということだ。


👨:厳しさはわかります。やはり、やさしさの中に厳しさありです。でも私気づいたのですが、心理的安全性が確保されていない中での厳しさって凶器になりますね。理想論ですが、心理的安全性を築く、つまりマネジャー側の努力をする前に厳しくしてしまうのはちょっと現代ではうまくいかないだろうなと思っています。この本を学習する前の私ですね。

👱🏼‍:まあ、そうだろうな。相手にもよるが凶器になってしまうね。そして、「チャーミングさ」だね。著者のピョートルさんの個性があふれ出ている気がするが、納得はできるよね。チャーミング、愛されキャラってことだと思う。尊敬されているけど、スキがある。なんでも話せてしまう人ということだと思うな。自分の弱さをさらけ出せる強さがある人しかなれないんだろうな。


◆チームメンバーは7人以内、理想はメンバーに多様性を持たせる

👨:ワンオンワンの個性ごとの対応と原則について解りました。でも、ワンオンワンをしっかり実施しようとなると、多くの部下を抱えられないですよね?

👱🏼‍:そう。それも大きなポイントだね。著者は一人のマネジャーに対し、チームメンバーは7人以内と言い切っているよ。これはグーグルの考え方だそうだ。

👨:なるほど、すごく感覚的に近いです。私は6人げ限界だと思っていました。ワンオンワンの時間や各人に対する思考時間を考えるとその辺が限界だなと。

👱🏼‍:まあ、本の中でも同じ理由で7人といっているよ。いずれにしろこのあたりが限界なのだろう。なので、7人以上の部下を持つようになったらそれは、階層化して部下に部下を付けなければならいね。工場では当たり前のようになっているけど。

👨:なるほど。でも、そのチームメンバーの構成の理想ってありますよね?プロジェクトチームでないかぎりそういうチームの作り方は難しいですが知っておきたいです。

👱🏼‍;「ディズニーストラテジー」という有名な「戦略」があるんだ、ウォルトディズニーは映画を作成するとき、アイデアから実現に至るプロセスの中で相談するメンバーを必要に応じて変えていたというんだ。下記の3つのプロセスに分けたという。

1つ目:ドリーマー(夢想家)
 我々は何をするべきか、なんの制限を考えずにまず大きな話をするプロセス

2つ目:リアリスト(現実主義者)
 いかにそれを実現するか、今どんなことができるか実現可能な事柄を上げて「こういう動きでやっていこう」具体的なプランを作るプロセス

3つ目:クリティック(批評家)
 どんなリスクがあるのか、どんなネガティブな影響かあって、抵抗がありそうなのか。ネガティブな要素を建設的に洗い出すことプロセス

チームミーティングでは話し合うテーマによって、ドリーマー的な人が活躍するときもあればリアリスト、クリティックな人が活躍することもあるよね。いずれにしろ、メンバーのマインドセット(個性)の多様性がチームの集合知を高めてくれるんだ。

👨:すごくわかります。やはりそうなのか、現場で改善だったり何か新しいことをしようとすると、「やりたい!!」って人がいるのは大事なのですが、ただそれだけではリスクが大きいときがあります。なので、それに対してもちろん前向きな姿勢を保ったうえで建設的に、リスクを小さくする対策であったりを皆で考えていくことが重要だと思っています。あくまでも、心理的安全性が築けた上で、皆が前向きに考えていくという前提の条件が必要ですが。

👱🏼‍:そうだね。そして、建設的な議論にしていくためには、心理的安全性を前提としてマネジャーによるファシリテーションが重要になってくる。ブレスト中でも、「それってうまくいかないんじゃないの」などクリティック的なメンバーが批判をするというパターンがあったりする。それ正したり、現状のプロセスの意義を説明する必要があるね。コーチングとファシリテーションに関しては、どこかで話をしなければならないね。ちょっと先になるかもしれないが。

👨:なるほど。

👱🏼‍:よし、今日はこのくらいにしておこう。次回も引き続きチームメンバーの能力に発揮に関連した内容を解説していくよ。

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 今回は、短いですがチームメンバーの能力を活かすための、ワンオンワンにおけるタイプ別の対話のポイント、その中のでの原則、そして部下を持つ限界の人数とチームに持たせるべき多様性について解説をしました。次回も同様に、チームメンバーの能力を活かす活動について紹介、解説していきます。本マガジンも残り3回の予定です。もう少しですので、お付き合い下さい。ぜひ、スキ・フォローお願いいたします。
(なお、次回のマガジンは少し毛色が変わって、現場でのIoT活用について解説するマガジンにしたいと思います。なお、本マガジンで数回話に出てくるコーチングとファシリテーションに関しても先々のどこかで、マガジン作成したいと思っています。)

また、下記の固定記事に、このnoteのコンセプト、これまでのマガジンについて解説しています。もし興味があれば是非フォローお願いします。

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