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【心理的安全性編10:”代打、俺”はダメ。~チームの日常業務もする「プレイングマネジャー」になってはならない~】

本マガジンは心理的安全性について対話形式で解説していきます。これまでの投稿は上記に入れてあります。
 このものがたりは先輩で新規事業部長の健と若くして製造課長となった正輝が登場します。ある日、リモート会議で、健と正輝が久々にあいます。正輝はどうやら課長としてのマネジメントに悩みを持っているようで、健に相談を始めリモートで定期的に対話していくことになりました。健の指導で心理的安全性について学びながら自分のチーム作りを見直していきます。これまでGoogleのプロジェクト・アリストテレスについて解説し心理的安全性の意味を学びました。そこから心理的安全性向上の具体的な方法を学び、その上でチームの力を引き出すためのマネジャーとしての考え方・心構えを学んでいきます。

今回はチームメンバーの能力を引き出す上でのポイントについて、「世界最高のチーム グーグル流「最少の人数」で「最大の成果」を生み出す方法」の第5章の後半を参考に記載していきます。(6章で終了)

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👨:おはようございます。

👱🏼‍;おはよう。今日もリモートでやっていこう。どうだい、最近は?

👨;おはようございます。そうですね。先日チームに多様性を持たせるという話を聞いて、各主任たちに自分の工程で改善会議を行うときに、できる限りドリーマーとリアリストとクリティックをメンバーに入れてみてほしいとい話をしてみました。

👱🏼‍;お、なるほど、多くの部下を持つ現場を持つ主任だからこそ、組み合わせが作れるってことか。君が部下にするのでなく、部下に実施してもらうというわけだ。

👨:はい。もちろんすべてがうまくいっているわけではないですが、一部チームでは、実行確率が格段に上がってきていますアイデアなんてどこでも出るんですよね。最も重要な実行力が上がってきているチームが出てたのが良いことだと思っています。

👱🏼‍;なるほど。面白いね。その通りでアイデアじゃないんだよね。この3つの多様性のメンバーがすり合わせを行うと、そのチームが変化を起こそうとするときに発生する抵抗力に負けない勢いと論理ができているんだよね。つまり、力強く実行できるチームができてくるんだ。

👨:はい。その通りです。

👱🏼‍;じゃあ、いいじゃないか。どんどん進めていってくれ。

◆“代打、俺”ではだめ。チームの日常業務をするプレイングマネジャーになるな。

👨:はい。でも、今回の健先輩との対話の中マネジャーとしてやるべきこと、考えるべきことがわかってきたのですが、各種日常業務が忙しくてわかっていても考えられない、手が回らないということがでてきました。

👱🏼‍:各種日常業務って?

👨:やはり、日々の業績管理・報告であったり、営業との会議、安全対策、各部署との連携業務の調整ですかね。まあ、日本企業の課長はプレイングマネジャーですから、主任が一部業務回っていなかったらサポートするのも課長の役割です。昔のヤクルトの古田さんみたいなもんですね。まさに“代打、俺”状態ですよ。

👱🏼‍:なるほどな。でも、それはあまりよろしくないな。自分のチーム内での日常業務に携わっているうちにマネジャーとしての業務がおろそかになってしまうということか。グーグルでもプレイングマネジャーという言葉は使うそうだ。しかし、意味合いが全く異なっている。

👨:意味合いが異なっている?

👱🏼‍:そうだ。グーグルでいうプレイングマネジャーというのは、自分の上のレイヤーの仕事もこなすことなんだ。プレイングというのあくまでも、課長なら課長レベルの仕事に対してのプレイングということになっているんだ。つまり、彼らの同僚というのは、同じ課長なら他部署の課長のことを指す。その同僚(マネジャー同士)との会議や企画における議事録や企画書を作ることがあるが、自分のチームメンバーと同じ仕事をすることはないんだ。著者は、自分の部下と同じような日常業務をこなしている、日本のプレイングマネジャーの働き方は大きく間違っていると言っているよ。

👨:なるほど。。。確かに日本の課長は、部下と同じような仕事をしていますね。。私もそうです。変わっていかなければならないということですね。

◆ポートフォリオマネジャーになる

👱🏼‍:そうだ。正直、日本の課長たちのプレイングマネジャーのような仕事では、生産性を上げることは期待できない。日本の会社が生産性が著しく低いといわれているのもこの呪縛から逃れらないのが一つの理由になっていると思う。これからのマネジャーは、すべてのプロセスを考え直して、大胆に業務を委託したり外部のテクノロジーを使ったりできる、「ポートフォリオ・マネジャー」でなければ、生産性を大きく向上させることはできない。

👨:自分のチームにリソースだったり、マンパワーが足りなかった場合短期的な外部調達も視野に入れて考えるということですね。

👱🏼‍:そうだ。社内のリソースの制限から問題解決であったり、新規の活動のプロセスを設計するのではなく、プロセスを最適化するために外部内部を使ってどうしていくかを考えていく、それが「ポートフォリオ・マネジャー」だ。

👨:おっしゃる通りなのですけど、なかなか、チームの業務から離れなれないのです・・。実際、現場は生産があり、毎日出荷がありますからプレイングマネジャーにならざるを得ないときっていうのがやっぱりあって。

👱🏼‍:そうだね。そこがもどかしいよね。でもさ、短期的に問題が出たとしても思い切って部下に仕事を任せるべきなんだよ。ピョートルさんも著書のなかで、グーグルのアジア・パシフィックのトップだったから、グローバルチームのメンバーでもあった、そこでは、全世界の人材育成の戦略を作らなければならなかった。その中で、アジアパシフィックの分の仕事は任せられるだけ部下に任せていたというよ。そうしないと、グローバルの仕事が出来なくって、会社としての生産性を高めることができなくなるからだそうだ。そして、部下は任されれば任されるほど成長の機会をもらうことになる。短期的なトラブルが発生しても長期としてはどちらが会社にとって正なのか考えればすぐわかるよね。わかっていてできる部分はやっていると思うけど。

👨:短期的なロスと長期的な会社の生産性を天秤にかけてみろということですね。答えは決まっています。やはり、そこの部分はリーダーの器の大きさが必要ですね。どんと構えて、部下に仕事を任せる、その分自分はもう一フェーズ上の仕事をする。あくまでもチームのマネジャーは現場の仕事をする役割の人ではないということですね。考え方を変えていかなければいけませんね。

◆前例を作って自分が手本になっていく。

👱🏼‍:ああ、ぜひ考え方を変えて思い切って部下に権限委譲し、新しいリーダーシップを見せてくれ。それに関連して、「リード・バイ・エグザンプル」という考え方をすごく簡単に紹介しよう。

👨:文字からすると、例を導け・・良い例を作れということですかね?

👱🏼‍:そうだ。前例を自分が作って手本になるということだ。まず誰かが新しい道に踏み出さなければ、その後を追うサポーターはでてこない。よく使われる比喩で言えば、「ファーストペンギンになれ」ということだね。

👨:ファーストペンギン?

👱🏼‍:ペンギンの群れでは、先頭の1匹がリスクをとって海に飛び込むと、それを追うようにして次々にペンギンが飛び込む。まさにこのことだ。ぜひ、ポートフォリオ・マネジャーになるファーストペンギンになってくれ。

👨:承知しました。

👱🏼‍:おっと、よし、今日はここまでとしよう。これで本書の5章まで終わったことになるよ。あとは最終章の解説だ。あと少しだが、引き続きこれまでのように習ったことを実践してくれ。頑張っていこう。

・・・・・・・

 今回は、プレイングマネジャー、そしてポートフォリオマネジャーについて解説しました。これは、グサッと胸に刺さるような内容だったと思います。実は課長クラスでも日々の仕事に忙殺され、会社としての生産性を上げるための仕事に手がついていない場合があると思います。そのような場合は短期的な成果を犠牲にしてでも権限委譲に部下の成長(教育含む)を実施しないといけないということですね。そして、外部からリソースを取り入れることもですね。いずれにしろ、勇気がいります。
 さて、今回で第5章までの内容が終了し、次回と次々回で最終章の第6章を解説したいと思います。その後は現場でのIT活用の要件定義のポイントについてのマガジンを始めていきます。ぜひ、スキ・フォローお願いします。

また、下記の固定記事に、このnoteのコンセプト、これまでのマガジンについて解説しています。もし興味があれば是非フォローお願いします。

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