ノリ@TAFRO父とのコントな日々

TAFRO(タフロ)症候群という全身性炎症疾患grade5の最重症と診断され闘病中の父…

ノリ@TAFRO父とのコントな日々

TAFRO(タフロ)症候群という全身性炎症疾患grade5の最重症と診断され闘病中の父。医療スタッフから『長女さん』と呼ばれる看護初心者の娘。患者家族の立場から闘病生活のこと、親子や家族のこと、日本に数百人とも言われる希少難病のことを書いていきます。

マガジン

  • TAFRO×新型コロナ闘病

    TAFRO症候群の治療方針見直しで入院したらまさかの新型コロナウイルス陽性。ICU、挿管による人工呼吸器などまたまた死の淵を彷徨ってしまった父と自宅待機から見守っていた娘のお話。

  • 第2関門【TAFRO症候群と廃用症候群】大学病院血液内科

    急性期治療により40日間寝たきりになっていた父はほとんどの日常生活動作が全介助の状態に陥りました。発熱と腎不全を脱したとは言え胸腹水・下肢の浮腫・血小板減少が残り症状の改善と減薬も必要でした。救急科から血液内科に転科後《TAFROと廃用》ダブル症候群と闘う第2関門。

  • 第1関門【E-ICU(救命病棟)を出る】突破までの24日間

    TAFRO症候群も人それぞれ病状が異なる病気です。急速に悪化する炎症が命を危険にさらすケースも。父の場合はその最重症と診断されました。発症から40日間の急性期、E-ICU(救命病棟)に入院中の父は第一目標を「ここを出ること」に設定しました。

  • TAFRO症候群と診断されるまでの17日間

    あまりに症例が少なく、医療関係者の間でも聞いたことのない病名と言われるこの難病。急速に進行する全身の炎症が多発する中「除外しなければいけない病気」をひとつひとつ検査してやっと診断されるため、人によっては何ヶ月も病名がわからないこともあります。父の場合をまとめました。

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【随時更新まとめ】TAFRO症候群を知るための参考記事

2020年現在、TAFRO症候群は医療関係者の間でも「初めて聞いた」と言われることがある稀な疾患です。 (最初に聞いたとき「アフロ?」とあの髪型を思い浮かべたのは内緒です) 父は2019年11月から発症しましたが、日本の先生によりこの疾患が提唱されたのは2010年のことで比較的新しくまだまだ研究の途中というのが一番大きな要因だと思います。 疾患概念の提唱から10年経過しても、認知の低さから診断がつかず病院を転々とせざるを得なかった方々もおられるようですし、治療法が確立さ

    • TAFRO症候群×新型コロナウイルス感染16日目:膠原病科へ転床。偶然の顔合わせ、看護師さんと一緒に涙

      呼吸器科のベッドで肺炎の治療を続けている父。1日2〜3回のうつ伏せ酸素投与と痰を出しやすくする吸入以外になにか治療をしているのかどうかはわからない。LINEのやりとりはあるけど、声を聞いているわけではないからどのくらい苦しいのかもわからない(父はだいたい「大丈夫だ」と言っている) それに、もともとの入院目的だったTAFRO症候群の治療方針や、腎臓数値、CRP、血小板などの数値異常がどうなっているのか(TAFROの症状なのか?それともコロナの症状だったのか?も含めて)その辺も

      • TAFRO症候群×新型コロナウイルス感染12〜14日目:一般病棟(呼吸器科)個室へ転床、肺炎治療へ

        2度目のPCR検査も無事陰性で迎え、2〜3時間程度のうつ伏せでの酸素投入や10分程度の痰を出しやすくするための吸入治療を続けている父。 『酸素の値が良くなっても安心しない程度に喜んでる』 と、状態は良くも悪くもないといった感じで淡々としているLINEが届く。 食事はまだゼリーやスープといった流動食だけど、ゼリー+スープのようにセットで出たりして、少しずつ量も増えているようだ。 「まだ安心はしない」 父からの連絡だけが頼りな今、父が伝えてくれる情報をそのまま受け止め、同

        • TAFRO症候群×新型コロナウイルス感染10日目:挿管回避と1回目のPCR検査

          再び「LINEのメッセージに既読がつくかどうか?」で挿管・鎮静の判断をする時間がやってきた。内容のないスタンプだけのメッセージ。返事はいらない、既読がつけばいい。父の悪化を知らせるLINE通話から5時間、そうやって過ごしているのだが、時間はかかっても不思議と既読がついている。 まだ、先生は考えておられるのだろうか… そう考えあぐねていると、なんと父からLINEグループ通話の着信が入った。ビデオ通話の映像にはなぜか父のドアップ顔の背景に天井と蛍光灯が映っている。 『今ね、う

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        【随時更新まとめ】TAFRO症候群を知るための参考記事

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        • TAFRO×新型コロナ闘病
          11本
        • 第2関門【TAFRO症候群と廃用症候群】大学病院血液内科
          21本
        • 第1関門【E-ICU(救命病棟)を出る】突破までの24日間
          22本
        • TAFRO症候群と診断されるまでの17日間
          12本

        記事

          TAFRO症候群×新型コロナウイルス感染9日目:再び、悪化。人工呼吸器装着か

          昨日はおかゆだったから、朝食から軟飯に変わったかしら…半分くらいは食べられたかな?いろいろイメージを浮かべなから、妹と2人、父へ朝のLINEを入れる。他愛ない天気の話、そしてもれなくおかゆの昇格話題などのやりとりをして終えた朝。 お昼前になって、父からLINE通話が来た。 通話は、昨日の電話の声をはるかに上回る、父のしんどそうな声ではじまった。 『また酸素の値が悪くなったみたいで、管入れなきゃいけないかもって先生に言われた』 息が上がり、話すのもやっとという感じ。明らか

          TAFRO症候群×新型コロナウイルス感染9日目:再び、悪化。人工呼吸器装着か

          TAFRO症候群×新型コロナウイルス感染8日目:ICUから感染者病棟へ。ガラガラ声の電話と「青空っていいな」

          前日、LINEをくれたものの、今どんな状況なのかを話すことはなかった父。ICUでスマホを使っているのだろうか?いろんな疑問は残ったままだけど、身体の状態を優先してほしいと思っていた私は、8日目の朝に父にLINEを入れた。 『おはようございます!先日の看護師さんの話では早ければICUを出られるかも…とのことでしたが体調はどうですか?』 1時間経って、父から返信が。 『もうICUを出てコロナ病棟に移りました。嬉しい(ニコちゃん絵文字)』 ここで、今まで聞けなかったことを次

          TAFRO症候群×新型コロナウイルス感染8日目:ICUから感染者病棟へ。ガラガラ声の電話と「青空っていいな」

          TAFRO症候群×新型コロナウイルス感染7日目:1週間ぶりについた既読マークと父からの返信

          「なんじゃ、そりゃ」な6日目が明け、人工呼吸器が外れて座ってテレビを観ている父の姿を浮かべながら、少しだけ晴れやかな7日目の朝を迎えた。私の自宅待機期間も半分が過ぎようとしている。 父はたぶん、ICUの雰囲気に飲まれないようテレビを望んだのだと思う。TAFRO症候群の重症時、救命救急の病室でせん妄と悪夢に苦しめられていたとき、テレビから流れる紅白歌合戦でこちらの世界に戻ってきたことを思い出したのかもしれない。鎮静から覚める夢うつつの中で、現実の世界に戻ろうと戦っていたのだと

          TAFRO症候群×新型コロナウイルス感染7日目:1週間ぶりについた既読マークと父からの返信

          TAFRO症候群×新型コロナウイルス感染6日目:『あ、今、座ってテレビを観てますよ』

          5日目も、全く音沙汰がなかった。 相変わらず父には既読のつかないLINEメッセージを入れ、スマホを握り締めて眠り、何度も着信を確認しながら過ごしていた。そんな日々はもう4日になる。 職場のスタッフとオンラインで繋ぎ、打ち合わせをする。実際に会えなくても顔を見て話せるのがこんなにもホッとするものなんだと、自宅待機中に初めて知った。私がいなくたって仕事は回る。そうじゃなかったら私は「仕事のできない人」だ。だけどスタッフと話せるのが嬉しくて、必要以上に長時間ZOOMを繋いでしまっ

          TAFRO症候群×新型コロナウイルス感染6日目:『あ、今、座ってテレビを観てますよ』

          TAFRO症候群×新型コロナウイルス感染4日目:娘のPCR検査陰性、父の感染経路は?

          前日のPCR検査結果は、この日のうちには連絡が来ることになっていた。事前の受診指示連絡の時に「結果連絡は夫と私、一緒で構いません」と伝えてあって、夕方までには連絡がいくと思いますと言われていた。 夕方までソワソワしながら待つのがとても嫌だった。それでなくとも病院から父に関する「何かあったら」の連絡、ECMO判断の連絡、自分の仕事の連絡、もはや「来るかもしれない連絡」に埋もれてしまいそうだった。 夫も同じだったようで、自分のコーヒーと私にお茶を入れてくれた。熱いお茶をゆっく

          TAFRO症候群×新型コロナウイルス感染4日目:娘のPCR検査陰性、父の感染経路は?

          TAFRO症候群×新型コロナウイルス感染3日目:濃厚接触娘のPCR検査受診とAmazonでおむつ配達

          検査は午後からだった。事前に車種とナンバーを伝えてあり、案内された市内の病院の敷地へ入ったら誘導に従って下さいとのことだった。 敷地に入ると、警備の方が何やら紙を確認しながら停車中の車の後ろにつけるよう誘導してくれた。既にどこが検査場なのかわからないほど列ができていて、検査を受ける人の数が少数ではないことを知った。 それでも1時間ほどで検査場へ。 そこは救急車から患者を運ぶために設けられた救急入口スペースで、1台ずつ入った後は自動扉で仕切られ完全に外から見えない形になって

          TAFRO症候群×新型コロナウイルス感染3日目:濃厚接触娘のPCR検査受診とAmazonでおむつ配達

          TAFRO症候群×新型コロナウイルス感染2日目:人工呼吸器装着と保健所による濃厚接触者の疫学調査

          ベッドの中でうつらうつらしながら、マナーモードを切ったスマホを握りしめて何度も確認する。 そんな夜を過ごした朝、すぐ父にLINEを入れる。 既読がつけばまだ人工呼吸はつけていない。つかなければ先生からの連絡の前に挿管されたことがわかるだろうと思っていた。 20分後、父から返事が来た。 『おはよう!苦しくはないですよ!これから検査です』 まだ、酸素投与だけで経過を見ている。 肺炎はかなり悪いと先生は言っていた。なのにどうして苦しくないんだろう?? わからないことだらけだっ

          TAFRO症候群×新型コロナウイルス感染2日目:人工呼吸器装着と保健所による濃厚接触者の疫学調査

          TAFRO症候群×新型コロナウイルス感染1日目:陽性反応から肺炎判明まで

          一番、恐れていた事態になった。 さすがに今回はもうダメなのか…覚悟をした。 でも、父は今回もまた奇跡的に一命を取り留めた。 今日現在、まだまだ油断できる状況ではないけれど、備忘録として書いていこうと思う。 *** 2021年1月下旬。 TAFRO症候群の治療方針見直しのため、大学病院リウマチ膠原病内科病棟への入院が決まっていた。入院は4度目だった。 1度目の入院はちょうど180日間だった。 アクテムラと免疫抑制のネオーラル、そしてステロイド剤プレドニンの3つの薬が、父

          TAFRO症候群×新型コロナウイルス感染1日目:陽性反応から肺炎判明まで

          父と一緒に年を越せるのがこんなに嬉しいなんてね

          すっかり更新が滞ってしまって。 闘病ブログの更新停止って「もしかして…」と嫌な予感を与えるのにね。 詳細は来年にでもじっくり書いていきたいけれど、昨年末には救命病棟でうわ言を言っていた父。ちょうど今年の元旦に一般病棟に移ることができて。でもまだ全然回復の見込みがわからなくて…ってところから、自宅で一緒に年越し蕎麦を啜ってるなんて、想像もできなかった。 いろんなことがありすぎて、体験したことがないことばかりの1年を過ごして。父と一緒に年越しができるのはやっぱり奇跡だよなぁ…

          父と一緒に年を越せるのがこんなに嬉しいなんてね

          面会謝絶!【大学病院血液内科54日目】

          ようやく体調が戻ってきていた。 入院中の父の方ではない、看病中の娘の風邪の具合である。 これからまた毎日、いやほどほどに自分の体も労わりつつ面会に行けると思っていた。面会に行って何かできるわけではない。洗濯物や差し入れ(といっても大したものはいらないと言われてしまう)入浴頻度が少ないためにガサガサになってしまう顔や手足をタオルで拭いたり軟膏を塗ったり…そんなもんなのだ。でも、毎日顔を合わせることが大事なんじゃないかと勝手に思っていた。仕事の事情、家の事情ともに幸いにも私はそ

          面会謝絶!【大学病院血液内科54日目】

          はじめての風邪。それも家族の方の。【大学病院血液内科48日目】

          リハビリの先生から「握力を鍛えるのに、ボールをにぎにぎしてみては?」と言われ、週末はボールを渡しに行って一緒にトレーニングしようと思っていた。それだけじゃない。『病室の外の廊下で車椅子を足踏みで漕いで進むリハビリならご家族の付き添いでもできます。土日まったく動かないと平日のリハビリも効果が出にくくなりますからぜひ一緒にやってあげてください』のっぽ先生からそう言われていた。 この週末は、はじめての共同リハビリだ。 そう思っていた矢先、なんだか鼻水とくしゃみが出てきた。 父では

          はじめての風邪。それも家族の方の。【大学病院血液内科48日目】

          治療の第3選択、免疫抑制剤追加【大学病院血液内科43日目】

          アクテムラ投与を週1から2週に1回の間隔にあけたことで、父の体に再び炎症が起こっていることがわかって2日。相変わらず発熱はなく、多少のだるさ(これはもうずっと続いているので感覚として慢性化しているみたい)くらいしか父は訴えていない。 ちょっと語弊があるかもしれないけど、私は父の訴えをあんまり信じていなかった。だって、救急搬送された時も、ICUにいた頃も『いや、体がだるいだけなんだよ』と何度も口にして、そして突如意識が薄れていく…みたいなことを何度も繰り返してたからね。 完

          治療の第3選択、免疫抑制剤追加【大学病院血液内科43日目】