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TAFRO×新型コロナ闘病

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TAFRO症候群の治療方針見直しで入院したらまさかの新型コロナウイルス陽性。ICU、挿管による人工呼吸器などまたまた死の淵を彷徨ってしまった父と自宅待機から見守っていた娘のお話。
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TAFRO症候群×新型コロナウイルス感染16日目:膠原病科へ転床。偶然の顔合わせ、看護師さんと一緒に涙

TAFRO症候群×新型コロナウイルス感染16日目:膠原病科へ転床。偶然の顔合わせ、看護師さんと一緒に涙

呼吸器科のベッドで肺炎の治療を続けている父。1日2〜3回のうつ伏せ酸素投与と痰を出しやすくする吸入以外になにか治療をしているのかどうかはわからない。LINEのやりとりはあるけど、声を聞いているわけではないからどのくらい苦しいのかもわからない(父はだいたい「大丈夫だ」と言っている)

それに、もともとの入院目的だったTAFRO症候群の治療方針や、腎臓数値、CRP、血小板などの数値異常がどうなっている

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TAFRO症候群×新型コロナウイルス感染12〜14日目:一般病棟(呼吸器科)個室へ転床、肺炎治療へ

TAFRO症候群×新型コロナウイルス感染12〜14日目:一般病棟(呼吸器科)個室へ転床、肺炎治療へ

2度目のPCR検査も無事陰性で迎え、2〜3時間程度のうつ伏せでの酸素投入や10分程度の痰を出しやすくするための吸入治療を続けている父。

『酸素の値が良くなっても安心しない程度に喜んでる』

と、状態は良くも悪くもないといった感じで淡々としているLINEが届く。

食事はまだゼリーやスープといった流動食だけど、ゼリー+スープのようにセットで出たりして、少しずつ量も増えているようだ。

「まだ安心は

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TAFRO症候群×新型コロナウイルス感染10日目:挿管回避と1回目のPCR検査

再び「LINEのメッセージに既読がつくかどうか?」で挿管・鎮静の判断をする時間がやってきた。内容のないスタンプだけのメッセージ。返事はいらない、既読がつけばいい。父の悪化を知らせるLINE通話から5時間、そうやって過ごしているのだが、時間はかかっても不思議と既読がついている。

まだ、先生は考えておられるのだろうか…
そう考えあぐねていると、なんと父からLINEグループ通話の着信が入った。ビデオ通

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TAFRO症候群×新型コロナウイルス感染9日目:再び、悪化。人工呼吸器装着か

TAFRO症候群×新型コロナウイルス感染9日目:再び、悪化。人工呼吸器装着か

昨日はおかゆだったから、朝食から軟飯に変わったかしら…半分くらいは食べられたかな?いろいろイメージを浮かべなから、妹と2人、父へ朝のLINEを入れる。他愛ない天気の話、そしてもれなくおかゆの昇格話題などのやりとりをして終えた朝。

お昼前になって、父からLINE通話が来た。
通話は、昨日の電話の声をはるかに上回る、父のしんどそうな声ではじまった。

『また酸素の値が悪くなったみたいで、管入れなきゃ

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TAFRO症候群×新型コロナウイルス感染8日目:ICUから感染者病棟へ。ガラガラ声の電話と「青空っていいな」

TAFRO症候群×新型コロナウイルス感染8日目:ICUから感染者病棟へ。ガラガラ声の電話と「青空っていいな」

前日、LINEをくれたものの、今どんな状況なのかを話すことはなかった父。ICUでスマホを使っているのだろうか?いろんな疑問は残ったままだけど、身体の状態を優先してほしいと思っていた私は、8日目の朝に父にLINEを入れた。

『おはようございます!先日の看護師さんの話では早ければICUを出られるかも…とのことでしたが体調はどうですか?』

1時間経って、父から返信が。

『もうICUを出てコロナ病棟

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TAFRO症候群×新型コロナウイルス感染7日目:1週間ぶりについた既読マークと父からの返信

TAFRO症候群×新型コロナウイルス感染7日目:1週間ぶりについた既読マークと父からの返信

「なんじゃ、そりゃ」な6日目が明け、人工呼吸器が外れて座ってテレビを観ている父の姿を浮かべながら、少しだけ晴れやかな7日目の朝を迎えた。私の自宅待機期間も半分が過ぎようとしている。

父はたぶん、ICUの雰囲気に飲まれないようテレビを望んだのだと思う。TAFRO症候群の重症時、救命救急の病室でせん妄と悪夢に苦しめられていたとき、テレビから流れる紅白歌合戦でこちらの世界に戻ってきたことを思い出したの

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TAFRO症候群×新型コロナウイルス感染6日目:『あ、今、座ってテレビを観てますよ』

TAFRO症候群×新型コロナウイルス感染6日目:『あ、今、座ってテレビを観てますよ』

5日目も、全く音沙汰がなかった。
相変わらず父には既読のつかないLINEメッセージを入れ、スマホを握り締めて眠り、何度も着信を確認しながら過ごしていた。そんな日々はもう4日になる。

職場のスタッフとオンラインで繋ぎ、打ち合わせをする。実際に会えなくても顔を見て話せるのがこんなにもホッとするものなんだと、自宅待機中に初めて知った。私がいなくたって仕事は回る。そうじゃなかったら私は「仕事のできない人

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TAFRO症候群×新型コロナウイルス感染4日目:娘のPCR検査陰性、父の感染経路は?

TAFRO症候群×新型コロナウイルス感染4日目:娘のPCR検査陰性、父の感染経路は?

前日のPCR検査結果は、この日のうちには連絡が来ることになっていた。事前の受診指示連絡の時に「結果連絡は夫と私、一緒で構いません」と伝えてあって、夕方までには連絡がいくと思いますと言われていた。

夕方までソワソワしながら待つのがとても嫌だった。それでなくとも病院から父に関する「何かあったら」の連絡、ECMO判断の連絡、自分の仕事の連絡、もはや「来るかもしれない連絡」に埋もれてしまいそうだった。

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TAFRO症候群×新型コロナウイルス感染3日目:濃厚接触娘のPCR検査受診とAmazonでおむつ配達

TAFRO症候群×新型コロナウイルス感染3日目:濃厚接触娘のPCR検査受診とAmazonでおむつ配達

検査は午後からだった。事前に車種とナンバーを伝えてあり、案内された市内の病院の敷地へ入ったら誘導に従って下さいとのことだった。

敷地に入ると、警備の方が何やら紙を確認しながら停車中の車の後ろにつけるよう誘導してくれた。既にどこが検査場なのかわからないほど列ができていて、検査を受ける人の数が少数ではないことを知った。

それでも1時間ほどで検査場へ。
そこは救急車から患者を運ぶために設けられた救急

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TAFRO症候群×新型コロナウイルス感染2日目:人工呼吸器装着と保健所による濃厚接触者の疫学調査

TAFRO症候群×新型コロナウイルス感染2日目:人工呼吸器装着と保健所による濃厚接触者の疫学調査

ベッドの中でうつらうつらしながら、マナーモードを切ったスマホを握りしめて何度も確認する。

そんな夜を過ごした朝、すぐ父にLINEを入れる。
既読がつけばまだ人工呼吸はつけていない。つかなければ先生からの連絡の前に挿管されたことがわかるだろうと思っていた。

20分後、父から返事が来た。
『おはよう!苦しくはないですよ!これから検査です』

まだ、酸素投与だけで経過を見ている。
肺炎はかなり悪いと

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TAFRO症候群×新型コロナウイルス感染1日目:陽性反応から肺炎判明まで

TAFRO症候群×新型コロナウイルス感染1日目:陽性反応から肺炎判明まで

一番、恐れていた事態になった。
さすがに今回はもうダメなのか…覚悟をした。

でも、父は今回もまた奇跡的に一命を取り留めた。
今日現在、まだまだ油断できる状況ではないけれど、備忘録として書いていこうと思う。

***

2021年1月下旬。
TAFRO症候群の治療方針見直しのため、大学病院リウマチ膠原病内科病棟への入院が決まっていた。入院は4度目だった。

1度目の入院はちょうど180日間だった。

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