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TAFRO症候群×新型コロナウイルス感染12〜14日目:一般病棟(呼吸器科)個室へ転床、肺炎治療へ

2度目のPCR検査も無事陰性で迎え、2〜3時間程度のうつ伏せでの酸素投入や10分程度の痰を出しやすくするための吸入治療を続けている父。

『酸素の値が良くなっても安心しない程度に喜んでる』

と、状態は良くも悪くもないといった感じで淡々としているLINEが届く。

食事はまだゼリーやスープといった流動食だけど、ゼリー+スープのようにセットで出たりして、少しずつ量も増えているようだ。

「まだ安心はしない」
父からの連絡だけが頼りな今、父が伝えてくれる情報をそのまま受け止め、同じ感覚を持つことが大事だと思った。必要以上に不安になることも良い方に考えることもしない。よくわからない自分の体の症状と戦っている父の方がよっぽど、不安になってもおかしくないのだから。

『呼吸器科に移りました』

入院12日目、午前中に父から転床連絡のLINEが届いた。新型コロナ感染者病棟を出て、呼吸器科で肺炎治療をするということのようだ。

移った先は呼吸器科の個室。
ベッドに寝たまま移動したらしい。
2度の陰性が出ているとはいえ、念のための個室ということなのか?それとも個室しか空いていなかったということなのか?それはわからないけれど、とにかくまだ本来の膠原病科の病棟に戻る前にもう少し肺機能を元気にしましょう、ということらしかった。

その日の夕食から、全粥の食事が出たと写真付きのLINEが届く。4日ぶりの食事だ。食欲はどうだろう…と聞くと「半分以上は食べた」と思ったよりも食べられた様子。写真を見る限りご飯は柔らかいお粥だけどもおかずは普通の感じ。量を食べられた要因のひとつだと思う。

就寝前にはうつ伏せ酸素投与と吸入。
普段20時くらいには横になってそのまま寝てしまう父にとって、もしかしたら遅い時間のうつ伏せ治療はしんどいのかもしれない。妹も私も、できればそのまま楽に眠れると良いのにと願っていた…

ら、翌朝『良く眠れましたよ(絵文字)』とLINEが。神経過敏になりがちな父は入院中眠れないことも多いのだけど、今回はわりと眠れたと言っていることが多い。肺機能や酸素の値低下が体力を奪っていたりするのだろうか。それとも比較的穏やかに過ごせているのか。後者だったらいいな…

味覚や嗅覚障害は出ていない模様

翌、入院13日目は父の「3度の飯写真付きLINE」で少し賑やかになった。父の好きな豆腐の煮物や焼き魚、お肉のソテーまで。中でもリンゴがついてきたことにはちょっとテンションが上がったようで、食欲はあまりないけど頑張って食べるよとの宣言までいただいた。

食欲がない理由には、味がしないとか匂いを感じないとかもあるのだろうか…そう思った私はLINEで父に尋ねる。すると、

『それはない。味も匂いもするよ!』と返ってきて一安心。自由に動くこともできず食べ物くらいしか楽しみがない入院生活で、もしも味や香りが感じられなかったら…考えただけでゾッとしたもんね。

リハビリは未実施

2週間近く寝たままでベッドから起き上がっていない父。そろそろ動きたい、もしくは動けなくなることに不安、などの気持ちが出てくるだろうと思っていた。

以前のTAFRO症候群での入院では廃用症候群になり、(それでも早い方だと思うけど)リハビリに4ヶ月を費やした。本格的なリハビリに入る前にもPTさんがベッドに来てくれて足を動かしたりしてもらったと聞いていた。

前回と違って、おそらくうつ伏せになる時も自分で寝返りを打っているはずだ。ICUや感染者病棟では感染防止の観点でリハビリは難しいだろうと思っていたけど、呼吸器科に移ってからはどうなのか気になってきた。もちろん父に尋ねる。

『(リハビリは)わからないね、話も出ていない(涙)』と父。

少し体を動かせば、息が上がり、酸素は下がり、ということなのかもしれない。じっくり進めていかないとということだろうけど、動けない時間が長くなるほど、動けるようになるまでの時間も長くなる。前回の入院でせっかく自力で歩けるまで頑張ったのに、またゼロからやり直しなんて辛すぎる。

私はともかく、父には何かしらの方針が早く伝えられるといいのに。ただただ今の現状ばかり見つめなければいけないのは想像以上にキツいはずだ。「明日から前に進むよ」「こうなったら次の段階だね」例えば先生からのこんな言葉が希望や目指す目標になり、父に力を与えてくれると思うのに。


***

入院して2週間。大きな峠を越え、就寝前の酸素投与も吸入も「頑張るよ」と言っている。少しずつ楽になってるといいんだけど…と伝えると「少しずつは、ね」と。

どっちが安心させてもらってるんだろ?
家族が父を安心させるつもりで、実は患者本人の方が家族を安心させてくれているように感じる。

病院からの連絡はない。
何もわからない状況が続いていた頃に比べれば、父と連絡が取り合えている今の状況を喜ぶべきなんだろう。でも、やっぱり客観的な父の状態や今後の治療方針(たとえ検討中や不明等であっても)などを知りたいと思うのは、このコロナ渦では家族の贅沢な悩みなのだろうか…



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