青松花歩

こんにちは。大体2000文字ずつにして、パン職人の修造の一生について延々と続く挿絵付き…

青松花歩

こんにちは。大体2000文字ずつにして、パン職人の修造の一生について延々と続く挿絵付き小説を書いています。生きていると山あり谷あり。最後の最後に焼くパンとは、、話の内容は全てフィクションです。どうぞよろしくお願いします。

マガジン

  • パン職人の修造 150話〜 江川と修造シリーズ

    30代に入り何もかもに充実感を抱き日々を家族と共に生きる修造だったが、、、 運命は先に先に準備を進めている。その事に気がつくのはいつも過去を振り向いた時。気をつけろ修造、希望に満ちたその時こそ細心の注意を払え。

  • アップロードしたイラスト

    季節のイラストを時々載せています。アップロード専用。色々なシュチュエーションを模索しています。

  • パン職人の修造 101話〜149話 江川と修造シリーズ

    独立して江川と店を始める修造。パン職人として、経営者として、一家の主人として。頑張れ修造。

  • パン職人の修造 56話〜100話 江川と修造シリーズ

    パン職人の修造 江川と修造シリーズです。 長い長いお話なので1〜55話までで一旦区切ってこちらは56話からになります。 お話の内容 口数は少ないがパンにかける情熱は人一倍の田所修造と、明るくてみんなに好かれるが実は人一倍頑固者の江川卓也がパン作りに挑戦していきます。各お話毎にテーマや主人公が変わりますのでどうぞ宜しくお願いします🤲 このお話はフィクションです。実在するお店や団体とは何ら関係ありません。

  • パン職人の修造 1〜55話 江川と修造シリーズ

    パン職人の修造 江川と修造シリーズです。 口数は少ないがパンにかける情熱は人一倍の田所修造と、明るくてみんなに好かれるが実は人一倍頑固者の江川卓也がパン作りに挑戦していきます。各お話毎にテーマや主人公が変わりますのでどうぞ宜しくお願いします🤲 このお話はフィクションです。実在するお店や団体とは何ら関係ありません。

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パン職人の修造 江川と修造 初めに

パン職人の修造は、口数の少ない主人公の田所修造(たどころしゅうぞう)がパンにまつわる色々な出来事に出会うお話です。元は2021年3月に「パン屋のグロワール」のホーム…

青松花歩
2年前
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久しぶりにおめでとう頂きました。

おめでとうございます頂きました。 ありがとうございます。

青松花歩
4日前
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パン職人の修造 154 江川と修造シリーズ 赤い髪のストーカー

佐山歩(さやまあゆむ)という青年が、求人募集を見て面接の為にやって来た。 レジ横の、店と厨房の間のスペースにはドリンクを用意する冷蔵庫やエスプレッソマシンなどが…

青松花歩
6日前
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パン職人の修造 153 江川と修造シリーズ 赤い髪のストーカー

麻弥に残されたのは自分も一刻も早く修造の跡を追ってコンデイトライの試験に合格して日本に帰る事だった。 生活は相変わらずだったが、麻弥には目標が出来た。 勉強を怠…

青松花歩
2週間前
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パン職人の修造 152 江川と修造シリーズ 赤い髪のストーカー

工場の奥で働いている田所修造さんだわ。 修造は細長いピールを手に持ち、一瞬ドンとピールで床を突いた。 そして強盗をよく観察してピールの先を強盗に向けた。その時モ…

青松花歩
2週間前
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光る七夕

青松花歩
3週間前
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パン職人の修造 151 江川と修造シリーズ 赤い髪のストーカー

中学になると家庭科クラブに入り、料理やお菓子作りをするのが楽しく皆に混じって作っては出来上がりが良いのを心の中では嬉しく思っていた。 高校生になると料理クラブに…

青松花歩
3週間前
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マガジン扉絵 飾りパン

青松花歩
4週間前
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パン職人の修造 150 江川と修造シリーズ 赤い髪のストーカー

赤い髪のストーカー 葛城麻弥(かつらぎまや)の生家は古風な家柄だが、だからと言って特別裕福でもなく、父親はモラハラ気質の人間だった。 父親は大抵において外面は良…

青松花歩
1か月前
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パン職人の修造 149 150話を目前にして、これまでのあらすじ

いつもこの小説をお読み頂き誠にありがとうございます。このお話はパン職人の修造が一生を通してパンと向き合うというお話です。 パン職人の修造は、口数の少ない主人公の…

青松花歩
1か月前
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パン職人の修造 148 江川と修造シリーズ flowers in my heart

「こら、大地」 律子の実家が壊れたら一大事だ。 流石に大地を抱き上げて「やっちゃダメ」と叱ると足をジタバタさせて飛び降り、巌の所に走って行ったので「大地!」と律…

青松花歩
1か月前
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パン職人の修造 147 江川と修造シリーズ flowers in my heart

作業中 杉本は350gに生地を分割をしていた。 側から見てもモヤモヤと物思いに耽ってるように見える。分割だけを続けていたので台の上にいっぱいになってきた。 見かねた…

青松花歩
1か月前
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パン職人の修造 146 江川と修造シリーズflowers in my heart

リーベンアンドブロートのテラスの花々は風に揺れて見ているだけで癒される。 「ここでゆっくりしててね」 修造が用事を済ませる為に工房に行ってる間に3人は選んだパン…

青松花歩
2か月前
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パン職人の修造 145 江川と修造シリーズflowers in my heart

「初めまして、藤丸パン横浜工場長大和田です」大和田は2人に挨拶した。 「どうもね、俺はパンロンドの柚木阿具利」 「リーベンアンドブロートの田所修造です」 「今藤…

青松花歩
2か月前
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パン職人の修造144 江川と修造シリーズflowers in my heart

パン職人の修造 江川と修造シリーズflowers in my heart 修造が目が覚めた後 江川は岡田に頼んでアボカドとエビのタルティーヌとコーヒーを持って来て貰い修造に渡した。…

青松花歩
2か月前
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パン職人の修造 143 江川と修造シリーズ flowers in my heart

flowers in my heart 今日は鴨似田フーズの創立30周年のパーティーだった。 NNホテルの豪華な会場に所狭しと鴨似田フーズの商品で作られた料理の数々が並べられ、招待客…

青松花歩
2か月前
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パン職人の修造 江川と修造 初めに

パン職人の修造 江川と修造 初めに

パン職人の修造は、口数の少ない主人公の田所修造(たどころしゅうぞう)がパンにまつわる色々な出来事に出会うお話です。元は2021年3月に「パン屋のグロワール」のホームページのブログで始まりました。

九州から関東に出てきてパンロンドというパン屋に就職した田所修造は、妻の律子(りつこ)と緑(みどり)を日本に残してドイツにパンの修業に行き、26歳で日本に戻って2人と再会。またパンロンドの店主柚木(通称親

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久しぶりにおめでとう頂きました。

久しぶりにおめでとう頂きました。

おめでとうございます頂きました。
ありがとうございます。

パン職人の修造 154 江川と修造シリーズ 赤い髪のストーカー

パン職人の修造 154 江川と修造シリーズ 赤い髪のストーカー

佐山歩(さやまあゆむ)という青年が、求人募集を見て面接の為にやって来た。

レジ横の、店と厨房の間のスペースにはドリンクを用意する冷蔵庫やエスプレッソマシンなどがある。2人はそこに立って話しをした。

佐山は眼鏡の奥から真っ直ぐ麻弥の目を見つめていた。

「佐山さん、うちは女性しか雇ってないのよ」

「それは性差別ではありませんか?」

「そうかしら、、」

「僕がここにいる事で何かトラブルが起こ

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パン職人の修造 153 江川と修造シリーズ 赤い髪のストーカー

パン職人の修造 153 江川と修造シリーズ 赤い髪のストーカー

麻弥に残されたのは自分も一刻も早く修造の跡を追ってコンデイトライの試験に合格して日本に帰る事だった。

生活は相変わらずだったが、麻弥には目標が出来た。

勉強を怠らず真剣に打ち込んだその道の先に修造が光り輝いていた。

麻弥の心にはありもしない妄想を繰り返したり、実際に会ったらまたバッサリと振られてしまうと言う恐れが交互にやって来た。

麻弥はやっとゲセレの試験に合格した。
もうこれで日本に帰っ

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パン職人の修造 152 江川と修造シリーズ 赤い髪のストーカー

パン職人の修造 152 江川と修造シリーズ 赤い髪のストーカー

工場の奥で働いている田所修造さんだわ。

修造は細長いピールを手に持ち、一瞬ドンとピールで床を突いた。

そして強盗をよく観察してピールの先を強盗に向けた。その時モニカが麻弥を引き寄せて遠ざけた。強盗の刃先が修造に向けられたからだ。

修造は右足、左足と直線上を真っ直ぐ男の方に進み、思い切り踏み込んでバンバンと左手のナイフを弾いて右肩を思い切り突いたので、ピールの先は左肩にめり込んで男は喚いた。

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パン職人の修造 151 江川と修造シリーズ 赤い髪のストーカー

パン職人の修造 151 江川と修造シリーズ 赤い髪のストーカー

中学になると家庭科クラブに入り、料理やお菓子作りをするのが楽しく皆に混じって作っては出来上がりが良いのを心の中では嬉しく思っていた。

高校生になると料理クラブに入部する。ここでも大人しく、誰にも注目されなかったが、クラブのある日は少し心が躍った。

顧問の先生が「今日はシュトロイゼルクーヘンを作りましょう」と言って皆にレシピを渡してきた。シュトロイゼルクーヘンはドイツのお菓子で季節の果物とシュト

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パン職人の修造 150 江川と修造シリーズ 赤い髪のストーカー

パン職人の修造 150 江川と修造シリーズ 赤い髪のストーカー

赤い髪のストーカー

葛城麻弥(かつらぎまや)の生家は古風な家柄だが、だからと言って特別裕福でもなく、父親はモラハラ気質の人間だった。

父親は大抵において外面は良く、他人に気を使う分、家に帰ると不満を溜めて愚痴を言い続ける。食事の時は母親の作った物の一つ一つにケチを付けていくが本人はそれが家族の為と本気で思ってる様だった。麻弥の一挙手一投足にも細かく注意をし続けるのが日課で寝ても起きても監視され

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パン職人の修造 149 150話を目前にして、これまでのあらすじ

パン職人の修造 149 150話を目前にして、これまでのあらすじ

いつもこの小説をお読み頂き誠にありがとうございます。このお話はパン職人の修造が一生を通してパンと向き合うというお話です。

パン職人の修造は、口数の少ない主人公の田所修造(たどころしゅうぞう)がパンにまつわる色々な出来事に出会うお話です。元は2021年3月20日に始まりました。お話は全てフィクションで、実在するお店や団体とは何ら関係ありません。各お話毎にテーマや主人公が変わります。noteでは、パ

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パン職人の修造 148 江川と修造シリーズ flowers in my heart

パン職人の修造 148 江川と修造シリーズ flowers in my heart

「こら、大地」

律子の実家が壊れたら一大事だ。

流石に大地を抱き上げて「やっちゃダメ」と叱ると足をジタバタさせて飛び降り、巌の所に走って行ったので「大地!」と律子が叱りつけた。

「元気でいいじゃないか、だいちゃんはエネルギーが有り余る程あるんだよ。まだ2歳なのにいい蹴りだったな!将来は格闘家になるかい?」巌は膝から背中によじ登る大地を見ながら言った。

修造は壁を調べてどうもないのでホッとし

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パン職人の修造 147 江川と修造シリーズ flowers in my heart

パン職人の修造 147 江川と修造シリーズ flowers in my heart

作業中

杉本は350gに生地を分割をしていた。
側から見てもモヤモヤと物思いに耽ってるように見える。分割だけを続けていたので台の上にいっぱいになってきた。

見かねた由梨が生地を丸めて箱に入れるのを手伝いながら杉本に話かけて来た。

「あの、忙しいのに2人で抜ける事になってすみません」

「俺どうしたらいいか分かんなくなって、でも藤岡さんには世話になったし幸せになって欲しいと思ってる」

「はい

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パン職人の修造 146 江川と修造シリーズflowers in my heart

パン職人の修造 146 江川と修造シリーズflowers in my heart

リーベンアンドブロートのテラスの花々は風に揺れて見ているだけで癒される。

「ここでゆっくりしててね」

修造が用事を済ませる為に工房に行ってる間に3人は選んだパンをテラス席に座り食べていた。

「美味しいねお父さんのお店のパン」

「本当にいい店ね、お客様もいい表情だわ」

確かに、テラスのテーブルに座っている人々は癒しの空間で寛いでいる様に見える。

「あ、大地」

大地はぴょんと席から飛び降

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パン職人の修造 145 江川と修造シリーズflowers in my heart

パン職人の修造 145 江川と修造シリーズflowers in my heart

「初めまして、藤丸パン横浜工場長大和田です」大和田は2人に挨拶した。

「どうもね、俺はパンロンドの柚木阿具利」

「リーベンアンドブロートの田所修造です」

「今藤岡に話は聞いたよ」

「そうなんですね、私も全然気が付かずお恥ずかしいです。いつの間にか木田や足打(あしうち)が裏切っていたとは恐ろしいです。そもそも木田がメールのやり取りをしていて先に全員の取り分の20%を振り込まれたそうなんです。

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パン職人の修造144 江川と修造シリーズflowers in my heart

パン職人の修造144 江川と修造シリーズflowers in my heart

パン職人の修造 江川と修造シリーズflowers in my heart

修造が目が覚めた後

江川は岡田に頼んでアボカドとエビのタルティーヌとコーヒーを持って来て貰い修造に渡した。

食事中の修造に向かって「明日から少し休んで下さい」と言った。

「え?なんで?」修造はタルテイーヌを平らげながら江川を大きな目で見た。

「たまには帰らないと」

「今忙しいからなあ」

「いつも忙しいじゃないで

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パン職人の修造 143 江川と修造シリーズ flowers in my heart

パン職人の修造 143 江川と修造シリーズ flowers in my heart

flowers in my heart

今日は鴨似田フーズの創立30周年のパーティーだった。

NNホテルの豪華な会場に所狭しと鴨似田フーズの商品で作られた料理の数々が並べられ、招待客達は舌鼓を打っていた。

藤岡は兼ねてからの鴨似田夫人の念願だった『立食パーティーのサンドイッチコーナーで給仕をする』為に立っていた。客の希望のサンドイッチやタルティーヌなどを皿に取り分け渡す、その時笑顔がご希望だ

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