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#超ショートストーリー
あらびき桃太郎 - 4 「ワンナイト」
「なぁ、お前たちどうしてブタを縛りつけていたんだ? コイツ、すごくありがたいブタなんだぜ」と、ガブリエルは桃井の足に巻きつけられていたヒモの結び目をいじりながら、ばあさんとじいさんに尋ねました。
「あ、いや、なんかその……。授かりそうだなぁーって思って。絶対授かるじゃんコイツ。逃がしたらアカンやつだなーって感じたんだよね」
そう答えるばあさんを、じいさんは横目に見ていました。結婚生活もかれこ
あらびき桃太郎 - 2 「ドンブラコ」
ちょうどあの頃、あるところに、じいさんとばあさんが住んでいました。じいさんは週に1回ほど山に柴刈りに、対してばあさんは毎日川へ洗濯に出かけていたので、まぁまぁフラストレーションがたまっていました。
そんなある日の朝。ばあさんは、いつものように川へ向かい洗濯をしていました。
「あーもう、あんのクソジジイ。早いとこくたばらねぇかな。毎日蒙古タンメン食ってやがんのに、なんで倒れねぇんだよあのヒゲ
あらびき桃太郎 - 1 「書き出し」
むかしむかし。と言えばむかしだし、最近といえば最近。去年のことを「ちょっと前に……」と言う人もいれば「もうずいぶん前の話だけれど……」と言う人もいますよね。
つまり、時間の感じ方は人それぞれなのです。
なので、このお話がむかしなのか最近なのか、それとも未来の物語なのかは、あなたの感覚に委ねたい。あなたには、他人とズレていようと自分の感性には自信をもって、明日もまた前を向いて生きてほしいの