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あらびき桃太郎

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#連作短編

あらびき桃太郎 - 5 「ひとりじめ」

あらびき桃太郎 - 5 「ひとりじめ」

 翌日。じいさん、ばあさん、ガブリエルの三人は、裏山に置き去りにした桃井の様子を見に行くことにしました。

 朝、太陽とともに一度は目を覚ました三人でしたが「もういい、世界なんてどうでもいいや。このまま寝よう」と、枕をまたがっちりと両手でホールドし、掛布団を股の間にはさみこんでしまいました。こうなると睡魔はなかなか手強いですよね。みなさんもよくご存知かと思います。

 何度目かのファイトでようやく

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あらびき桃太郎 - 4 「ワンナイト」

あらびき桃太郎 - 4 「ワンナイト」

「なぁ、お前たちどうしてブタを縛りつけていたんだ? コイツ、すごくありがたいブタなんだぜ」と、ガブリエルは桃井の足に巻きつけられていたヒモの結び目をいじりながら、ばあさんとじいさんに尋ねました。

「あ、いや、なんかその……。授かりそうだなぁーって思って。絶対授かるじゃんコイツ。逃がしたらアカンやつだなーって感じたんだよね」

 そう答えるばあさんを、じいさんは横目に見ていました。結婚生活もかれこ

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あらびき桃太郎 - 3 「智辯大付属中京商業学園広島第一」

あらびき桃太郎 - 3 「智辯大付属中京商業学園広島第一」

 ばあさんは川で拾ったそのブタを家に持ち帰りました。

「おい、クソジジイ! ちょっと外出てきてみろよ! とんでもねぇもん手に入れてきたで!! 」

 居間のテレビで甲子園を見ていたじいさんは、返事をせず代わりにテレビの音量を大きくしました。

「おいジジイてめぇ!家内の声を聞きたくねぇってか!……はぁーん分かったよ。アンタの返事は受けとった。じゃあ桃井はアタシ一人でいただくことにするからね!!後

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あらびき桃太郎 - 2 「ドンブラコ」

あらびき桃太郎 - 2 「ドンブラコ」

 ちょうどあの頃、あるところに、じいさんとばあさんが住んでいました。じいさんは週に1回ほど山に柴刈りに、対してばあさんは毎日川へ洗濯に出かけていたので、まぁまぁフラストレーションがたまっていました。

 そんなある日の朝。ばあさんは、いつものように川へ向かい洗濯をしていました。

「あーもう、あんのクソジジイ。早いとこくたばらねぇかな。毎日蒙古タンメン食ってやがんのに、なんで倒れねぇんだよあのヒゲ

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