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【発達障害】こんなときどうしたらいいの?#13~場の空気が読めない~

はじめに
 
お子さんが人の表情や気持ちの変化を読み取るのが苦手な場合、どのようにサポートすればよいか悩まれることも多いでしょう。発達障害を持つ子どもにとって、他者の感情を理解したり、場の雰囲気を読むことは簡単ではありません。しかし、適切なサポートを通じて、お子さんが他者とのコミュニケーションを上手に取れるようになる手助けができます。この記事では、具体的な方法をご紹介します。


1.言動を振り返る

 お子さんが「間違ってる!」「下手だね」「太ってるね」といった、他者を傷つける可能性のある発言をしてしまうことがあります。このような場合、頭ごなしに叱るのではなくその日の夜などに振り返って、具体的にどうすべきかを教えることが重要です。

 例えば、お子さんが友達に「太っているね」と言ってしまった場合、すぐに叱るのではなく、落ち着いた時間に「友だちがどう感じたか、一緒に考えてみよう」と促しましょう。「友だちはその言葉を聞いて、悲しくなったかもしれないね。」と話します。そして、「人の体型のことは言わないようにしようね。『太っている』と言われると、相手が嫌な気持ちになるからね」と具体的に伝えることが大切です。例えば、「代わりに、友だちのいいところを見つけて褒めてみようね」と提案することで、お子さんにポジティブなコミュニケーションの方法を教えましょう。

2.具体的なルールを教える

 授業中や学校行事などで場の雰囲気を読まずに発言してしまうこともあります。例えば、授業中に突然立ち上がって話し始めることがあるかもしれません。このような場合には、「授業中に発言したいときは、手を挙げて、先生に許しを得てから話すんだよ」と具体的なルールを教えることが有効です。例えば、「もし手を挙げて先生が『どうぞ』と言ったら、そのときに話していいんだよ」といったように、手順を明確に教えてあげましょう。

3.コミック会話を活用する

 「コミック会話」は、発達障害の子どもが自分や他者の気持ちを理解する手助けになる方法です。「コミック会話」は、ASDの人の教育に関する国際的な貢献に対して贈られるバーバラ・リピンスキー賞を受賞したことのある、キャロル・グレイが考案した方法です。紙に○と直線で人物を描き、その時の状況を簡単に描きます。人物には吹き出しをつけて、実際にされた会話を吹き出しの中に書き込みます。
例えば、友だちが花瓶を割ってしまった場面を描いて、お子さんが「僕が壊したんじゃないよ」と言っている絵を見せます。次に、周りの人がどう感じたり思っていたりしたのかを一緒に考えます。お子さんには「このとき、『けがしなかった?』って言ってあげた方がよかったかもしれないね」といった具体的なアドバイスをします。「花瓶が壊れてしまったことよりも、まず友だちの安全を確認することが大切なんだよ」と伝えます。このように具体例を使って、相手の気持ちを考える練習をすることができます。

4.ポジティブな場面も取り上げる

 好ましくない発言だけでなく、お子さんのポジティブな言動も取り上げましょう。例えば、お子さんが学校での休み時間に「今日はみんなで楽しく過ごしたいね!」と言ったときに、周りの友だちが「そうだね!」と同意していたことがあれば、その場面を振り返って共有します。「あのとき、あなたが『楽しく過ごしたい』って言った言葉に、みんながそうだねって言ってたよね。そんなふうに言えると素敵だね」と伝えることで、自信を持たせることができます。成功体験を具体的に示すことで、お子さんがポジティブなコミュニケーションをさらに増やしていけるようにサポートしましょう。

最後に
 
お子さんが他者の気持ちを理解することは簡単ではありませんが、具体的なサポートを通じて少しずつ成長していくことができます。親御さんも一緒に学びながら、温かく見守っていきましょう。

前回の記事→#12~思い通りにいかないとかんしゃくを起こす~


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