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読書感想文

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#エッセイ

夏目漱石 夢十夜

夏目漱石 夢十夜

以前にも投稿したのですが、私は夏目漱石の夢十夜が大好きです。
無性にその文章を読みたくなる時があり、定期的に再読してます。
昨日も読んだのですが、一体何回目になるのかわからないです……。 

そして何故こんなに魅かれるのか自分でもよくわからないのです。

そもそも夢十夜は、話のすじもなければオチもない、意味のわからない(失礼…)不思議な夢のお話じゃないですか。そして、夏目漱石の作品の中では、ひとき

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読書感想 シークエンスはやとも 近づいてはいけないいい人

読書感想 シークエンスはやとも 近づいてはいけないいい人

久しぶりに紙の本を買いました。
生霊見える芸人シークエンスはやともさんの
「近づいてはいけないいい人」です。

「ヤバい生霊」、「霊が教える幸せな生き方」に続く作品ですが、今までで一番忖度なしのエッジのきいた文章と内容になっている印象です。

 シークエンスはやともさんは生霊や相手の魂が見えるだけあって、その人の性質や信念がわかってしまうみたいですね。その能力に彼の冷静で客観的な考察が加わり、人間

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読書感想 芥川龍之介 大川の水

読書感想 芥川龍之介 大川の水

子どもの頃から、川とか湖とか沼とかダムとか、水を眺めるのが好きでした。
海も大好きです。

昔は疲れると、図書館に行って「〇〇県の沼」という地元の沼の写真集をずーっと眺めていました。すると周囲の人が「……?」という目でチラチラ見るんですね。

もっと疲れると、近所の川に行って流れ行く水をひたすら眺めていました。するとやっぱり通りかかる人が「……?」という目で見るんですね。たまーに、「死ぬなよ!」と

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読書感想 又吉直樹 東京百景

読書感想 又吉直樹 東京百景

芥川賞作家又吉直樹さんのエッセイです。
又吉さんのなかの「東京」が色々な側面から鮮明に描かれています。エッセイなのにとても文学的な匂いがする作品です。

言葉の選び方や文章のリズムが、たくさんの文学に触れてきた人のそれだなあと感じました。
(あくまでわたしの個人的な感想です)
又吉さんは売れない時代にたくさん読書をしたみたいですね。

こういった作品に触れると、語彙力というものは読書によって培われ

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読書感想 又吉直樹 第2図書係補佐

読書感想 又吉直樹 第2図書係補佐

芥川賞作家、又吉直樹さんのエッセイです。
本にまつわるエピソードばかりです。
でも決して本の解説や批評ではないんですね。
主に又吉さんご自身の体験が書かれています。

とっっても面白いです!
でも、それより何より特筆すべきは
文章の上手さな気がします。

さすが芥川賞作家さんです。

文学に対する愛情が読んでいてひしひしと伝わります。

本当に本当に本当に、本が好きな方なのだなと思いました。

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