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「俺が魔王で、あいつが勇者」第3話
次の瞬間、辺り一面が真っ白になるほどのまばゆい光と同時に、俺の鼓膜をぶち破るほどの大きな爆発音が辺りに響き渡った。そして、光の中から遅れてやってきた爆風は、森の木々を容赦なくなぎ倒した。
やばい……。
直感的にそう感じた俺は、平原の先のまばゆい光に背を向け、リーズさんを抱えたままその場にしゃがんで頭を伏せた。
次の瞬間、爆風は俺の元に到達した。
「ぐああああああああ!!」
爆風にさらさ
「俺が魔王で、あいつが勇者」第2話
「リーズ、なんで……お前がここに!?」
俺を散々たぶらかし、挙げ句の果てには学校の屋上から突き落として殺しやがった張本人。
ただ一つ疑問なのが、何故死んでいないはずのこの女が。この異世界にいるのかと言うことだ。だが、よく考えてみれば、俺を学校の屋上から突き落としたのもこいつだ。
「おい、何とか言えよ!ここはどこだ!お前なんか知ってるんじゃねぇのかよ!」
だが、リーズからは返事が無い。俺は側ま
「俺が魔王であいつが勇者」企画書
キャッチコピー:醜いのは魔物か、それとも人間か。
あらすじ:佐久間桜助は、その強面とぶっきらぼうな性格故に、クラスで孤立していた。唯一の友人は、幼なじみの槍田勇次のみ。そんな彼の元に、転校生のラス・リーズが現れる。彼女の美貌に惹かれていく桜助。だが、桜助はクラスカースト上位の優華優華、遊佐剣次の二人に、容姿の事をからかわれてしまう。情けなく屈する桜助だが、リーズは桜助をかばい、二人に屈することな
「赤と死神のクロ」あらすじ
死神の仕事は、寿命が来る人間が死の苦しみを味わう前に殺す事。クロは、仲間であるワイト共に死神としての初仕事をする。寿命で死ぬ男を殺す際、クロの頭の中に走馬灯が流れたことで、クロはその男に情を抱き、男を殺したことがトラウマになる。自責の念を抱くクロは、生前男が付き合っていた女性が心配になり、女性の元へ向かう。だがその女性は、男の死は自業自得だと吐き捨てる。失望したクロが、その場から立ち去った直後、
もっとみる「赤と死神のクロ」第3話
三途の枝が伸びていくのを眺めながら、僕はその現実から必死に逃避しようとしていた。
自分が行ったところで、未練に殺されて死ぬかも知れない。そうなるくらいなら、ワイトが帰ってくるのを待っていた方が、枝の先にいる人のためだ。
いくら言い訳を考えても、頭によぎる。枝の先にいる人が、これから味わう苦しみを。心臓が止まり、呼吸が出来なくなる。体もどんどん冷えていって、死の恐怖に怯えながら最期を迎
「赤と死神のクロ」第2話
「なあ、ずっとそこで蹲ってるつもりか?」
ワイトは三途の川を眺めている僕の背後から、少し距離を置いて話かけてきた。
「……」
今は一人でいたい。
「かれこれ2時間もずっとそこにいるじゃないか。あの人は、どっち道あそこで死ぬ運命だった。クロがあそこで殺したから、痛みも苦しみもなく死ぬことが出来たんだ」
そんなこと、分ってる。分った上で、それでも辛い。走馬灯を見るのが。見た後に
「赤と死神のクロ」第1話
死神は、人間と同じ姿をしている。人間と同じ、感情を持っている。この姿は、かつて過ちを犯した彼らへの罰か。それとも、救済か。
だが、一つだけハッキリしている。彼らがどれだけ人間に情を入れ込んだとしても、どれだけ人間を愛したとしても
死神が人を救うことは出来ない。
何故なら彼らは、傍観者なのだから。
今、自ら命を散らした少女の前でたたずむ、彼のように。
※
この世の
「赤と死神のクロ」4話
脚本形式で書いた者の続きです。以前書いた下手くそな小説形式の物ですが、脚本形式が中途半端なところで終わっているので一応きりのよい所まで切り取って載せておこうと思います。
続きって書いて載せた方が良いのだろうか。
(俺の人生は、いたって普通だった。
物心ついた当たりで戦争が終わったので、戦争に関しての記憶はあまり覚えていない。
うちの家族は貧しかった。
私は7人兄弟の4番目。家族みんなで昼
「2日後に死ぬ」あらすじ
少年黒田朝日は、ある日自殺を試みて橋の上にやってきた。覚悟を決め、いざ飛び降りようと決心した瞬間、朝日の前に現れたのは、死神と名乗る謎の男ワイトだった。突然の死神の出現に動揺してしまったことで、朝日の死ぬ覚悟をは薄れてしまう。ワイトは自分のせいで朝日の決心を鈍らせてしまった責任として、2日後に朝日の死ぬ決心をもう一度つけさせると約束する。
読切作品本編:
「ps.a世界線より」あらすじ
10年前、唯一の家族である弟を事故で亡くした宝田望未は、ある日twittorで過去に遡ることができる、喫茶未来というアカウントを見つける。半信半疑で喫茶未来に向かった望未を、未来人と名乗る店主の男が出迎える。望未の希望を聞いた店主は依頼を受け、望未は未来人の協力を得て弟が事故で死んだ10年前に向かったのだが・・・
読み切り作品本編: