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「俺が魔王であいつが勇者」企画書

キャッチコピー:醜いのは魔物か、それとも人間か。 あらすじ:佐久間桜助は、その強面とぶっきらぼうな性格故に、クラスで孤立していた。唯一の友人は、幼なじみの槍田勇次のみ。そんな彼の元に、転校生のラス・リーズが現れる。彼女の美貌に惹かれていく桜助。だが、桜助はクラスカースト上位の優華優華、遊佐剣次の二人に、容姿の事をからかわれてしまう。情けなく屈する桜助だが、リーズは桜助をかばい、二人に屈することなく物申す。そして桜助は放課後、リーズに屋上へ呼び出される。告白を期待した桜助だっ

    • 「赤と死神のクロ」あらすじ

       死神の仕事は、寿命が来る人間が死の苦しみを味わう前に殺す事。クロは、仲間であるワイト共に死神としての初仕事をする。寿命で死ぬ男を殺す際、クロの頭の中に走馬灯が流れたことで、クロはその男に情を抱き、男を殺したことがトラウマになる。自責の念を抱くクロは、生前男が付き合っていた女性が心配になり、女性の元へ向かう。だがその女性は、男の死は自業自得だと吐き捨てる。失望したクロが、その場から立ち去った直後、謎の死神がその女性を殺す。クロはその後、勇気を出して自ら立ち上がり、寿命が来た老

      • 「赤と死神のクロ」第3話

         三途の枝が伸びていくのを眺めながら、僕はその現実から必死に逃避しようとしていた。  自分が行ったところで、未練に殺されて死ぬかも知れない。そうなるくらいなら、ワイトが帰ってくるのを待っていた方が、枝の先にいる人のためだ。  いくら言い訳を考えても、頭によぎる。枝の先にいる人が、これから味わう苦しみを。心臓が止まり、呼吸が出来なくなる。体もどんどん冷えていって、死の恐怖に怯えながら最期を迎える。  僕が行かないせいで。  こんなこと考えたって、自分が苦しいだけ

        • 「赤と死神のクロ」第2話

          「なあ、ずっとそこで蹲ってるつもりか?」  ワイトは三途の川を眺めている僕の背後から、少し距離を置いて話かけてきた。 「……」  今は一人でいたい。 「かれこれ2時間もずっとそこにいるじゃないか。あの人は、どっち道あそこで死ぬ運命だった。クロがあそこで殺したから、痛みも苦しみもなく死ぬことが出来たんだ」  そんなこと、分ってる。分った上で、それでも辛い。走馬灯を見るのが。見た後に、殺すのが。未練も怖い。あんな痛み、苦しみ、二度と味わいたくない。 「ほっと

        「俺が魔王であいつが勇者」企画書

          「赤と死神のクロ」第1話

           死神は、人間と同じ姿をしている。人間と同じ、感情を持っている。この姿は、かつて過ちを犯した彼らへの罰か。それとも、救済か。  だが、一つだけハッキリしている。彼らがどれだけ人間に情を入れ込んだとしても、どれだけ人間を愛したとしても  死神が人を救うことは出来ない。  何故なら彼らは、傍観者なのだから。  今、自ら命を散らした少女の前でたたずむ、彼のように。 ※  この世の全てから、拒絶された気がした。  心地よい、まるで暖かいお湯にでも浸かってい

          「赤と死神のクロ」第1話

          「赤と死神のクロ」4話

          脚本形式で書いた者の続きです。以前書いた下手くそな小説形式の物ですが、脚本形式が中途半端なところで終わっているので一応きりのよい所まで切り取って載せておこうと思います。 続きって書いて載せた方が良いのだろうか。 (俺の人生は、いたって普通だった。 物心ついた当たりで戦争が終わったので、戦争に関しての記憶はあまり覚えていない。  うちの家族は貧しかった。 私は7人兄弟の4番目。家族みんなで昼間は畑を耕し、夜は少ない米をみんなで分け合うひもじい生活をしていた。 7人兄弟

          「赤と死神のクロ」4話

          「2日後に死ぬ」あらすじ

          少年黒田朝日は、ある日自殺を試みて橋の上にやってきた。覚悟を決め、いざ飛び降りようと決心した瞬間、朝日の前に現れたのは、死神と名乗る謎の男ワイトだった。突然の死神の出現に動揺してしまったことで、朝日の死ぬ覚悟をは薄れてしまう。ワイトは自分のせいで朝日の決心を鈍らせてしまった責任として、2日後に朝日の死ぬ決心をもう一度つけさせると約束する。 読切作品本編:

          「2日後に死ぬ」あらすじ

          「2日後に死ぬ」

          〇都内某橋の上(昼) 青い空を虚ろな目で見つめる少年。黒田朝日(17) 朝日は橋の上から今にも飛び降りようとしている。 朝日「すー、はー、」 ゆっくりと目を閉じる朝日、呼吸が荒くなってゆく。 飛ぶ覚悟を決め、カッと目を見開く朝日。 突然目の前に現れた謎の死神ワイト(20代後半ほどの見た目)と目が合う。 ワイトは朝日から魂を抜こうと鎌を胸元にスタンバイしている。 朝日「・・・え?」 ワイト「・・・え?」 一瞬固まる二人。 ワイトは左手を橋の下の方へ差し出し

          「2日後に死ぬ」

          「ps.a世界線より」あらすじ

          10年前、唯一の家族である弟を事故で亡くした宝田望未は、ある日twittorで過去に遡ることができる、喫茶未来というアカウントを見つける。半信半疑で喫茶未来に向かった望未を、未来人と名乗る店主の男が出迎える。望未の希望を聞いた店主は依頼を受け、望未は未来人の協力を得て弟が事故で死んだ10年前に向かったのだが・・・ 読み切り作品本編:

          「ps.a世界線より」あらすじ

          「ps.a世界線より」

          〇都内のとある交差点(昼) N「世界線、マルチバースとも呼ばれる。無限に広がる世界の可能性は、時には螺旋状。時には溶け合い、複雑に絡み合う。だが、世界が誕生した時点で、それらが起こることは既に確定している。故に過去を改変しようと、何ら問題はない」 202×年 6月20日 午後3時。 交差点の中心で倒れ血を流している女性、宝田望未(19)を抱きかかえて泣いている少年、宝田来斗(16)。 そこに未来人(29くらい)が現れる。 未来人「ねーちゃん、助けたいか?」 キョト

          「ps.a世界線より」

          「赤と死神のクロ」あらすじ

          死んだ人間の魂は三途の川を渡ってあの世に行くとされている。そして、三途の川まで人の魂を運んで行く存在を、死神と呼ぶ。 死神として生まれた少年クロは、仲間であり先輩の死神であるワイトと共に、人を殺すことになる。しかし、殺す際に人の心残りが実体化した怪物、『未練』を倒して死に行く人の魂を浄化しなければならない。初陣で大きな傷を負い、死神でありながら人を殺すことがトラウマになったクロは、自身の存在価値について悩む。そんなクロの前に、死神を見ることができる人間の少女が現れる。様々な出

          「赤と死神のクロ」あらすじ

          「赤と死神のクロ」第三話

          〇三途の川    三途の川はワイトが今殺しに行っている人間と、今死にそうになっている別の人間。二つの三途の枝が伸びている。    三途の川を眺め、体育座りで顔を伏せてうずくまっているクロ。 クロⅯ「これはしょうがない事なんだ。僕が行ったって、未練にまた・・・」 ◯回想。1話の駅のホーム。    クロ、未練に右腕を引きちぎられた時。そして殴り飛ばされ、床に這いつくばった時を思い出す。 ◯回想終わり。 クロⅯ「無理だ・・・僕には無理なんだ!!」    クロ、

          「赤と死神のクロ」第三話

          「赤と死神のクロ」第二話

          〇死神界(昼)    透明な死神界の地面の上で体育座りをし、三途の川を虚ろな目で眺めているクロ。    そんなクロの背後から困った顔で語り掛けるワイト。 ワイト「クロ、もう十分じゃないか?魂を三途の川に流してから。もう3日もそうしてるじゃないか」 クロ「・・・死神が人を殺さなかったら、その人は・・・どうなるんですか?」 ワイト「俺たちは、人の体が生命活動を停止する直前で人を殺している。俺たちが殺さなかったらもちろん、死の苦しみを味わう。そして、肉体に取り残された魂は

          「赤と死神のクロ」第二話

          「赤と死神のクロ」第一話

          〇マンションの側(夜)    雪が降っている。    死神シロ(男 19歳くらい)の、黒い翼が映し出される。 N「死神。それは、人の形を持ち、人の心を持つ」    マンションから飛び降り、無残に地面に叩きつけられているポニーテールでパジャマを着た女子高生。    地面は、女子高生の体から流れた血で真っ赤に染まっている。    呆然と女子高生の死体を見つめシロの後ろ姿が映る。    シロ、身長178cmくらい。ツンツンした黒髪。    シロ、悔しそうに唇を噛む。

          「赤と死神のクロ」第一話