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雑文

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脈絡なく書き散らかした記事置き場です。
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#熟成下書き

「エサにする」発想

「エサにする」発想

なにか伝えたいものがあるときに、その本筋をいきなり押し付けるのではなく、まず相手に興味を持ってもらい、その道に入ってもらうための釣り餌を与えるアプローチがある。

たとえば映画「スターウォーズ」では、宇宙船のドンパチやライトセーバーのチャンバラが派手に行われる。いっぽうで監督のジョージ・ルーカスがこの作品で本当に描きたかったのは「アナキン・スカイウォーカーの贖罪の物語」だったという。ここでは、アナ

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美辞麗句よりも、実感のこもった言葉がインパクトを持つ

美辞麗句よりも、実感のこもった言葉がインパクトを持つ

人に聞いたことの99%は忘れているけど、残りの1%の中で思い出したことがあるので書く。

高校の卒業式のことである。自分の通っていた高校には普通科と定時制があって、自分は普通科で日中に授業を受けていた。定時制の子たちは、昼間は働いて、夜に授業を受けに来ていた。

卒業式ではまず、普通科の卒業生の代表があいさつをした。具体的な文言は覚えてないけど、時候の挨拶から入って、高校時代の思い出とか関係者への

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多様で複雑な人間の一面だけを切り取って提示するSNS

多様で複雑な人間の一面だけを切り取って提示するSNS

自分はTwitterのアカウントを複数持っていて、用途ごとに使い分けている。複数アカウントを運用するなかで気づいたことがあるので記事を書くことにした。端的に言ってしまうと、人間はごく複雑で多様な存在だけれど、SNSはそのごく限られた一面だけを映し出している、という話である。

大前提:人間は複雑で多様な存在人間は複雑で多様で、常に変化し続けている。

たとえば同じ人間でも、自分の母ちゃんに対する人

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ハイコンテクストな会話

ハイコンテクストな会話

最近、「ハイコンテクスト」という概念を知った。コミュニケーションや意思疎通を図るときに、前提となる文脈(言語や価値観、考え方、暗黙の了解)が非常に近い状態のことを言うそうだ。

この概念から、前の職場での会話を連想した。その職場では、上司がにこにこしながら、自分に向かって「おうshikadaくん、なんかのど渇いたな」と言うことがしばしばあった。これは、言葉の字義通りに受け取れば、水分の補給が不足し

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Jリーグのサッカーチームと一緒の寮に住んでいた話

Jリーグのサッカーチームと一緒の寮に住んでいた話

社会人になりたての頃、某プロサッカー選手たちと一緒の寮に入っていたことがありました。自分はサッカー業界にまったく関係ない普通のサラリーマンで、その寮に入ったのは偶然の産物です。

再現性のない話だと思いますが、体験した人が少なそうな話題でもあるので、どんな寮生活だったのか、記事に書いてみます。

※この記事には以下の内容は含まれていません
・サッカー選手との心温まる交流
(生活リズムが違うことも

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壺を買わせる手口

壺を買わせる手口

知人の紹介で、生命保険の勧誘をがっつり受けたときのやり取りが印象的だったのでメモ。

端的に言って、ひたすら脅された。

日本人の平均寿命は右肩上がり、人生100年時代で老後の蓄えがないと悲惨ですよ、日本人の二人に一人はガンになって治療費がうん百万かかりますよ、大怪我して高度機能障害になったときの入院費は一日いくらかかりますよ、そのとき保険がないと、あなたの家族が肩代わりして借金して、あなたの見て

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狂気が物語を面白くする

狂気が物語を面白くする。冷静沈着で感情の波の無い物分りの良い人間ばかりの物語は、きっと味気ない。

物語を読んでいると、結構な頻度で狂気を持った人物が出てくる。狂気に突き動かされて暴力を振るったり、誘拐したり、自殺願望を持ったり、戦争をおっ始めたり、死んだ家族の代わりを求めたり、そーいうのを読むと「この人の行動原理は理解も共感もできないな…」という感想を持つ。

たとえば昭和史を読むと、狂人があち

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