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全国の「ひったくり犯罪」の傾向を可視化してみた

このnoteでは、警察が公開する犯罪オープンデータを使って、日本国内の「ひったくり犯罪」の傾向を探ってみます。

直近5年間の全5,606件のデータを集約して分析したところ、地域による差や被害者の傾向など注目すべき点が見えてきました。

犯罪オープンデータとは各都道府県の警察がそれぞれのサイトで公開しているデータです。事件ごとに発生日時やエリア、被害者の属性などの情報がリスト形式で提供されており、共通フォーマットになっています。


1.ひったくりが起きるのは金曜の夜?

まずは、犯罪の発生した時刻と曜日をヒートマップで表現してみました。

こちらは、ひったくりのおきる曜日と時間帯の関係を色の濃淡で示したものです。
横軸は曜日、縦軸は時間帯を表しており、濃くなるにつれて件数が多くなることを表します。

どの曜日も夕方から夜にかけて発生件数が増えていることがわかります。
「犯罪者は暗闇を好む」というのは本当のようです。

また、曜日で見ると金曜日の夜が最も犯罪が多いようにも見えますね。
かつては「花金」と言われたように、週末に向けて警戒が緩んでいるところが狙われるのでしょうか?
ただしデータ量はそこまで多くはないため誤差の範囲かもしれませんのでご留意ください。


2.被害者は圧倒的に女性。20代と70歳以上が多い

続いて被害者の男女年代の傾向をみてみました。

女性が圧倒的に多いことがわかります。
もっとも被害にあっていたのは70歳以上の女性(1,143人)、ついで20歳代女性(895人)でした。

なぜ女性ばかりが狙われるのでしょうか。
All Aboutの記事によると、男女の力の差だけでなく、持ち物の影響が大きいようことです。

“ひったくり”犯罪の被害者の多くがなぜ女性なのか、実はきわめてシンプルな理由によるものです。男性の多くが、財布等を身につけているのに対して、女性はその大多数の人が財布をバッグ等に入れています。もし、歩いている女性がバッグを持っていたら、ほぼ全員が財布をバッグに入れているでしょう。つまり、女性のバッグには財布等が入っている可能性が高いのです。
路上で男性から財布を奪うのはオヤジ狩りなど手口は「強盗」に近くなりますが、女性は持っているバッグを“ひったくり”という一瞬の手口で奪いさえすれば簡単に財布を盗むことが出来るからこそなのです。

出典:All About
“ひったくり”被害者はなぜ女性に多い?
https://allabout.co.jp/gm/gc/1806/


3.ひったくりが多いのは大阪府。東京都は意外と少ない?

こちらは2018年から2022年の4年間における都道府県ごとの人口10万人あたりのひったくり事件数を、色の濃淡で可視化した地図です。
色が濃くなるにつれ、事件数が多くなることを表しています。

東京を中心とした関東圏と大阪を中心とした関西圏が多いように見えますね。

ランキング形式でも見てみましょう。

最も件数が多いのは大阪府で、10万人あたり11.82件。2位は埼玉県(8.77軒)、3位は京都府(7.68件)でした。
一方、最も少ないのは富山県で0.19件でした。

大阪府が頭一つ抜けていますね。

続いて市区町村別でも調べてみました。

1位の大阪市中央区を筆頭に、トップ(というかワースト?)20のうち9つが大阪市という結果になりました。

また、全体的に政令指定都市が多いことが伺えます。財政力の強い街に犯罪が集まる傾向にあるのかもしれません。
個人的には東京都がランクインしていないのが予想外でした。


4.一都三県のひったくりヒートマップ

さらに一都三県(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)にエリアを絞り、町丁字(〇〇丁目レベル)という細かいレベルでひったくり犯罪の件数をヒートマップにしてみました。
こちらは人口10万人あたりではなく、単純にエリアごとの発生件数で色の濃淡をつけています。

新宿エリアは歌舞伎町二丁目が圧倒的に多い

こちらは紹介のみとしますが、東京、神奈川、千葉、埼玉にお住まいの方は、是非自分の住んでいる街にフォーカスしてみてもらえるとうれしいです。
以下のダッシュボードから見ることができます。
※スマホだとちょっとキツイかも



5.ひったくり現場の推移を可視化してみた

今度はひったくり現場の推移をタイムラインでつないでみました。
赤い点が発生しているところがひったくり現場です。

ボリュームだけ見ると、やはり首都圏と大阪府付近に集中していることがわかりますね。
また、2018年に比べて2019年以降は事件数自体が減少していることも見て取れるかと思います。コロナ禍の影響でしょうか。

ダッシュボード自体も公開しますので、こちらもぜひ自分の住んでいる街にフォーカスしてみてもらえればと思います。
再生ボタン(▶︎)を止めてピンをクリックすると事件の詳細情報も見ることができます。



6.まとめ

ヒートマップから私の住む街も調べてみましたが、残念ながらしっかりと件数がカウントされていました。
小学生の娘をもつ親としても、ひったくりは身近に起こり得る犯罪だと認識しないといけないな、と改めて感じます。

ひったくり自体は減少傾向にあるものの、油断は禁物。
忘年会など年末に向けて気が緩みがちなこの時期、是非気をつけていただきたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。



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