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キャンプブーム終了?最近のキャンプ事情についていろいろ分析してみた

コロナ禍とともに訪れたキャンプブーム。

一時期はテレビでもこぞって特集されていましたが、最近ではキャンプ以外のレジャーも回復してきて「キャンプブーム終わったんじゃね?」みたいな声もチラホラ聞こえてきます。

そこで今回はさまざまなデータを使ってキャンプの現状を調べてみました。


1.バブル景気で始まった第一次キャンプブーム

まずは1969年から2021年までの全国のキャンプ場の数を時系列グラフにしました。

1985年〜1990年あたりが突出していますね。
この頃は第一次キャンプブームと呼ばれており、最盛期にはキャンプ人口が1580万人にまでなっていたようです。
要因としてバブル景気による豊かさの向上や自家用車の普及が挙げられるようです。

その後、バブル崩壊による景気の悪化や、インターネットによる娯楽の多様化などによってブームは終焉を迎えます。

2.コロナ禍で加速した第二次キャンプブーム

一度は終わったブームでしたが、2013年頃からまた人気が再燃します。
モノ消費からコト消費への変化や、SNSやYouTubeによりキャンプがお洒落な趣味として認知されてきたことなどが挙げられるようです。

そしてなんといってもコロナの影響でしょう。
様々な娯楽が大打撃を受ける中、3密を回避できるレジャーとしてキャンプ人気は一気に加速します。

こちらはキャンプ人口の推移です。

2013年から2019年まで純増しているのがわかりますね。
また2020年にはコロナ到来の影響で一時的に大きく落ち込んだものの、翌年には23%増と大きな回復を見せています

もう1つ、日本を代表するアウトドアメーカー「スノーピーク」の株価の推移も見てみましょう。

コロナ禍に一気に伸びていることがみて取れます。
もちろん企業努力があってこそですが、コロナを追い風にしたと言っても過言ではないかと思います。

ただし、現在ではだいぶ落ち着いていますね。
これはもしやキャンプブーム終了の兆し・・・?

3.第二次キャンプブームは終わったのか?

近年のキャンプに対する関心度を調べるため、Googleトレンドを使って「よく検索されてそうなワード」を4つ選び、検索数の変化を見てみました。
検索ワードは次のとおりです。
●キャンプ場 おすすめ
●キャンプ 初心者
●テント おすすめ
●テント スノーピーク

注目いただきたいのはトレンドライン(赤線)です。どの検索ワードも2023年の検索数が落ちており、赤線も下降しています。
今年に入り、世の中のキャンプに対する興味関心度が下がってきていることが推測されます。

信じられないことですが、つい昨年までは人気のテントはまったく手に入りませんでした。
当時は抽選販売が主流で、抽選直後にフリマアプリで1.5倍のプレ値で転売される、なんてことが頻繁に起きてました。(私もDODのカマボコテントに2回、サバティカルのアルニカテントに1回落選しています)

今では大半のテントが普通に購入できますので、当時はブームが加熱し、需要と供給のバランスが異常な状態だったんだとなと改めて思います。

続いてYouTubeはどうでしょうか。
ジャンルの異なるキャンプ系YouTubeチャンネルを4つピックアップして、全ての公開動画の試聴回数を調べてみました。

「CAMPHACK」さん
「CAMP HACK」は日本最大級のキャンプマガジンのチャンネル。キャンプ場からグッズ、コツ、料理など総合的に情報を提供しています。

投稿数は増えているものの、閲覧数がだんだんと下がっているように見受けられます。
ただ、最近の動画の閲覧数が低いというよりは、初期に挙げられていた「100均アイテム」「スモークのコツ」などの普遍的な内容が未だに閲覧数を伸ばし続けているのかもしれません。

「ヒロシちゃんねる」さん
言わずと知れた芸能人ヒロシさんのチャンネルです。キャンプブームの先駆けとも言われています。

2022年ごろから動画投稿が極端に減っていますね。
ヒロシさんと言えば、数年前に「もう山に行きたくない」という衝撃の告白がニュースになっていました。
「好きなことを仕事にする」って楽しいことだけじゃないんだな…と改めて感じさせられます。

「脱サラ さいとう夫婦」さん
ヒロシさんが無骨なキャンプなら、さいとう夫婦さんはオシャレなキャンプ。夫婦のキャンプライフの様子を配信してくれています。

こちらは投稿数、閲覧回数ともにだんだんと増えているように見受けられます。
投稿数も増やされており、精力的に発信されていることが伺えます。ちなみに私はこの夫婦の動画を見て購入するテントを決めました笑

「ひきこもりキャンパーふゆひこ」さん
キャンプ業界で話題の出来事や流通状況などについてユーモアたっぷりに考察されている方です。私もよく見ています。

動画投稿の間隔が一定で、かつ視聴回数も安定していることが見て取れます。
このチャンネルは毎週決まった時刻に動画をあげられているため、テレビ番組のように固定ファンがいることが推測されます。

これらは数多のチャンネルのごく一部ですので、キャンプ系YouTube全体の傾向とはいえません。ですが、どのチャンネルもまだまだ勢いがあるように見えますね。
この辺の実際のところは現役ユーチューバーさんに聞いてみたいものです。

4.キャンプ場に力をいれている街はどこ?

最後に、日本のどのエリアにキャンプ場が集まっているのか調べてみました。


こちらは都道府県ごとの人口10万人あたりのキャンプ場の数を、色の濃淡で可視化した地図です。
色が青→赤になるにつれ、数が多くなることを表しています。
どうやら日本の真ん中あたりが多いように見えますね。

ランキング形式でも見てみます。

1位は山梨県で、人口10万人あたり13.04箇所。2位以下に大きく差をつけていますね。やはり富士山を眺めながらキャンプができるというのが最大の特徴でしょう。
2位は岐阜県(5.15箇所)、3位は長野県(5.04箇所)でした。
一方、最も店舗数が少ないのは東京都で0.25箇所でした。
やはり自然の豊かなエリアに多いようです。

続いて市区町村別でも見てみました。

一位は山梨県道志村でした。私は行ったことないのですが「道志の森」をはじめとしてキャンプ場がたくさんある印象です。

ここで、富士山周辺のエリアにフォーカスし、航空写真からキャンプ場の分布を調べてみました。

富士山のまわりを囲むようにキャンプ場が点在しているのがわかります。
また地図右上あたり、相模原市緑区から道志村にかけてキャンプ場が一直線に連なっているように見えます。

それにしてもメチャ多いな…。

5.まとめ

キャンプブームは終わった、というよりも「ひとまず落ち着いた」と言えそうです。
実際にキャンプ人口は増えていますし、「一部のガチ勢が楽しむニッチな趣味」から「幅広い楽しみ方のあるオシャレな趣味」にシフトしつつあるのかもしれません。

私もブームに乗っかってキャンプを始めて3年目。毎年家族で楽しんでます。星空の下で囲む焚き火は最高なんですよね。

みなさんも、時には都会の喧騒から離れて、焚き火を囲みながら自然の声に耳を傾けてみるのはいかがでしょうか?

(…といいながら、焚き火を前にスマホでユーチューブを見まくるうちの子供たち)

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