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圧迫面接(自己紹介95)

グループワークは、反則技を駆使して突破した。


さぁ、ここからは面接だ。


自分で言うのもなんだが、1対1の面接では負けない自信があった。僕は、大学にいた3年半を、面接のために費やしてきた。


面接時に困らないよう、話題集めとスキル磨きに徹してきた。


受け答えや応対も、場数を踏んで身に着けてきた。


ここまでやれば絶対大丈夫。そう思えるくらいにまでやってきたつもりだ。


僕は、自分の力を試すのが楽しみだった。


にも関わらず、3次選考は苦戦する事になる。


僕は初めて、圧迫面接というものに直面する事になるのだった。


2023年!30歳になりました!この記事は、これまでの僕のハードモードな人生から学び、これからの人生に弾みをつけていく企画です。


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グループワークを終えた僕は、面接のための準備に取り掛かりました。


途中、IQテストがあったのですが、これについては準備のしようがありません。出てくる問題と向き合い、テンポよく答えていく以外の方法はないです。


ちなみにこのIQテストですが、僕のIQは135か139でした。正確な数値は覚えていません。


就活生は最終面接で、社長から直々に結果を教えてもらえます。110から115が平均らしく、高い数値だと言われた記憶があります。


この結果も、内定に大きく貢献してくれたと思います。頑張ったかいがありました。


自分の力でどうする事も出来ないものに時間を割く必要はないです。


何が出てくるかもわからないIQテストに時間を使うくらいなら、確実に対抗できる面接の準備に全振りした方がいいと判断しました。


当時の僕は、面接において大事なのは「自然な受け答え」だと思っていました。これは今でも変わりません。


用意した答えをそのまま話すと、どうしても準備してきた感じが出てしまいます。大根役者のようなセリフっぽさが出てしまい、会話にならないままぎくしゃくしてしまう。


面接官としては、堂々とした受け答えを求めているだろうし、質問に対して適切な回答を求めているだろうし、出来るだけ素の人間性を見たいと思っているはずです。


僕としては、「想定問答」を用意するのは大事な事だけど、本当に重要な事は、用意した解答を自然に話すことだと思っていました。


では、面接で自然な会話を演出するためにはどうしたらいいか?


答えは慣れることです。慣れる以外に方法はないと思います。


慣れるためには経験が必要です。経験を積むためには場数を踏む必要があります。


というわけで僕は2つの方法でトレーニングをしました。


1つ目はシミュレーション・イメージトレーニングです。


イメトレをバカにしてはいけません(笑)


想定パターンを頭の中で沢山描ける人間は強いです。対処方法を思い出す時間が全然違います。出来るだけ色々なパターンを思い描き、1つ1つの対処法を紙に書いて刻みこみましょう。これだけで、作戦の成功率はぐんと上がります。


2つ目は人を捕まえて練習してもらう事です。


場数といえばこれです。大学の先生・就活アドバイザー・親・兄弟・友人。自分の人脈をすべて使い、練習相手になってもらいます。


この時ちょっとしたコツがあります。


出来るだけ色々な年齢幅の人に練習をお願いする事と、条件をコチラで決めておくことです。


相手の面接官がどんな人間かは当日まで分かりません。日本の場合はおじさんが多いですけど、もしかしたら女性の可能性もありますし、若い人の可能性だってあります。年齢・性別・役職によっては、質問の切り口や聞き方などが変わってきます。


見越しら上で、色々な人にいろんなパターンで練習してもらうといいでしょう。


もう1つ、自分で条件を決めておき、相手に演じてもらうパターンです。


さっぱりした感じで、短めに質問を出してきて、トントン拍子に次の質問に移ってくる30~35歳くらいのキャリアウーマンみたいな感じでお願い。


みたいな感じで、こちらから人物像を要請します。


想定質問を用意しておくのも大事ですね。


せっかくなら色々なパターンを試した方がいいし、お願いしているのはこちら側なのですから用意をするのは当然です。周到に準備をしていけば、練習に付き合ってくれている相手も本気で相手をしてくれます。


人を捕まえて練習してもらう上で大事な事は、相手にも本気になってもらう事です。練習が終わった後にフィードバックをもらうでしょう。このフィードバックこそ、成長するために大事なわけです。良いフィードバックは、相手が本気じゃないと出てきません。


相手の本気を誘発する方法は、自分が本気である事を感じ取ってもらうことです。その為には、目に見える形で準備をし、誠意を見せる必要があります。


僕は、就活アドバイザー・Fさん・大学の友人であるAくん・地元の友人・仕事仲間に面接練習をお願いしていました。


1日に10回は面接の練習をしました。シミュレーションは1日30回近くやっていた気がします。


10回もやっていると、当然想定パターンが増えていきます。このパターンを1つ1つ書き出していくと大体スムーズな会話になりますし、話しながら「応答集」が出来ていきます。


僕は、最初から頭の中で問答集を作り上げるのではなく、話しながら問答集を作っていきました。この方が自然な会話になると思ったからです。


面接はちょうど1週間後だったのですが、それまでに数百パターンの面接を構築していきました。


ちなみに、以前僕を煽ってきた生徒と仲良くなったのはこの辺りです。女の子だったんですけど、就活で激しく悩んでいたようで、僕が就活のアドバイスをして、彼女に面接の練習をお願いするようになりました。


僕の周囲には女性が少なかったので、女性面接官のイメージが枯渇していたのですが、ここでリアルな女性面接が出来たので助かりました。


こうして様々な状況・パターンを集約する事に成功した僕は、意気揚々と面接に向かいます。


3次選考。一般面接。


いつも通り、会場は大宮ソニックシティです。


今回は1対1の面接です。


特別な仕込みは必要ありませんので、約束の時間の30分前に会場に到着しました。緊張はありませんが、1つだけ疑問に思ったことがありました。


この会場に向かう途中、恐らく僕と同じC社の面接を受けたであろう就活生が、真っ青な顔をして会場を後にしたのです。


この時の僕は「あー、ちゃんと受け答えできなかったんだなぁ」くらいに思っていましたが、この理由が後々明らかになります。


部屋の前に着きました。


どうやら僕の前に面接を受けている人がいるみたいです。僕は、部屋の前で待機していました。


10分ほどして男の子が出てきました。それは、僕がグループワークで一緒になった男の子でした。彼は引き攣った表情をしていました。


僕は彼に声をかけます。


「どうだった?」


すると彼はこう言いました。


「うん。まぁまぁかな。」


明らかに歯切れが悪かったです。先ほどの青ざめた生徒といい、どういうことでしょうか?


彼は僕に「頑張ってね」といい、そそくさとその場を後にしました。


ちなみに、僕はこの後彼を見ていません。多分、ここで不合格になってしまったのだと思います。


不思議なのですが、僕はこの時「面接官が優しい人である」と思い込んでいました。多分ですが、1次選考・2次選考の社員が優しかったので勝手にそう思い込んでいたのだと思います。


もしかしたらC社の面接における最大の落とし穴はここかもしれません。


「次の方どうぞ」


部屋の中から、やや小太りおじさんが顔を出しました。


その人はすぐにドアを閉め、僕がノック出来るような体制を整えました。


僕はノックを2回して、「失礼します」といいます。


先ほど顔を出した、やや小太りのおじさんが部屋の中心にいたので、その前まで歩きました。


「どうぞ、おかけください」


やや小太りのおじさんはそう言いました。


「失礼いたします」


僕はそう言って座ります。


最初は自己紹介でした。出身大学と学部を言い、氏名を名乗ります。


おじさんは「はい、よろしくお願いしますねぇ~」といいました。


僕は、大抵の質問には答えられる自信がありました。そりゃ、あれだけ想定したのですから余裕だと思い込みますよね。


ただ、このおじさんが僕にしてきた質問は「今まで僕が想定していた質問ではなかったのです」


「当社に入社して、成し遂げたい事を簡潔に述べてください」


・・・・え?いきなり?(笑)


いやまぁいいですけどね(笑)


「はい。私が貴社に入社した暁には、貴社のサービスを利用して、地元である越谷を盛り上げたいと考えております」


「ほぉ、地元を盛り上げたい。なるほど。でも、地元である越谷に配属される可能性は不透明ですよね?違う部署に配属になった時は、どうしますか?」


このラリーではっきりしました。これは、圧迫面接です。相手が喋れなくなるように矛盾を誘発したり、高圧的な態度で臨んできたりするあれです。


圧迫面接を仕掛けてくる理由は様々でしょう。会社がそういう指示を出しているのかもしれないし、面接官が個人的にそういう性格なのかもしれません。


面接を受ける側として大事な事は1つ。圧迫面接だと早めに気づき、それ相応の対応を取ることです。


圧迫面接におけるそれ相応の対応とは何か?


負けない事です。


すみません(笑)根性論みたくなっちゃいますけど、これしかないです(笑)


毅然とした態度で、何か問題でも?という姿勢を貫く。今あったばかりの人間に圧迫される筋合いなんてないので、そういう奴はゴミだと思ってけちょんけちょんにしてやりましょう!(笑)


僕は「そうかもしれませんけど、入社した後には、人事異動がありますよね。いつかは越谷に行く可能性だってありますよね?今僕が出来る努力は、この選考中から、越谷に行きたいですと言い続ける事です。仮に越谷に配属されなくても、自分が担当するエリアを越谷だと思って、全力で盛り上げます」


「盛り上げるとは具体的にどういう事をいうのでしょうか?」


「一言で片づけるのは難しいですが、1つの方法として、みんなが知らない街の情報を届けることが盛り上がりのキッカケになるのは間違いないと思います」


「情報が届いたらどうして盛り上がるのでしょうか?」


「それを貴社の役員が僕に聞きますか?情報を届けて、広告の発注を増やすことを生業にした会社ですよね?僕の意見としては、その情報が届くことで、行ってみたい・利用してみたい・こういう活動に参加してみたいと街に住む人が思い、行動してくれたら、街が盛り上がると思っています。街の中で行われている活動が活発になれば、経済も関心も上向くと信じています。情報は、そのきっかけを作るのに最適だと思っています」


半ばやけくそです。正直、落ちてもいいやと思っていました。圧迫という手法については、怖さよりも幻滅がありました。僕は今のところ、このC社に対して良い印象を持っていました。


それが、ここにきて圧迫面接です。がっかりですよね。正直、そんな事をするメリットなんてありません。圧迫してくる人間がいる会社なんて、入社しても絶対に楽しくないでしょう。


僕は頭の中で「今なら、別の会社のエントリーがギリギリ間に合う。ここは縁が無かったと思って諦めよう」と考えていました。


「なるほど。ちなみに、大学生活の中で一番楽しかったことはなんですか?」


「大学生活の中で一番楽しかったのはバンド活動です。事務所と契約し、インディーズとして活動していました。CDを作って売ったり、レコーディングをしたりと、普通の大学生ではなかなか経験できない貴重な時間を過ごせたと思っています」


「バンド活動の中で、一番大変だったと思う事はなんですか?」


「CDを売る事と、期待というノルマとの戦いが大変でした」


「ほぉ、ノルマですか。もし、当社に入社した場合、橘さんにはノルマが課せられますけど、それは大丈夫でしょうか?覚悟はありますか?」


「期待という見えないノルマと戦ってきた僕が、たかが数字程度のノルマにビビるわけないじゃないですか?黙々と目の前の事をやれば達成できるノルマなんて怖くありません」


ずっと高圧的でバカにした感じだった小太りのおじさんですが、この辺りから口調がだんだん優しくなってきたような気がします。


恐らくですけど、僕の目がガンギマリで、明らかに口答え調だったので怖かったんだと思います。


「分かりました。最後に質問はありますか?」


「〇〇さんは、貴社の中でどのような仕事をしているのでしょうか?」


この質問をしたら、小太りのおじさんはやや驚いていました。


僕としては、学生をいびるくらいだから、どうせ大した仕事なんてしてないんでしょう?とか、この程度の矛盾探ししかできないのに役員になれるのだから、C社も大した会社じゃないですねなど、出来る限りバレないように、それでいて嫌みを込めた質問のつもりでした。


多分ですけど、この意図は伝わったのでしょう。


小太りのおじさんは「私は、会社に出資をしてくれる株主に対する営業などをしています」と返答してくれました。


「すごいですね。教えてくださりありがとうございます。良い記念になりました」と返答しました。


部屋の空気は一触即発です。


良い記念になりました。なんて、まるでもうあなたに会うことはないですよーと言っている感じですよね。まぁ、実際そのつもりだったんですけどね(笑)


落ちてもいいと思っていた僕は、絶対に論破だけはされないという強い意志で質問に答えました。


小太りのおじさんは、ありがとうございましたと言い、僕を外に誘導しました。


帰り道、僕は「落ちたー」と思っていました(笑)


悔しさはありませんでした。


あんな圧迫面接する会社、こっちから願い下げだと思っていました。僕は算段を立て直すことにしました。新しい会社を探し、エントリーしないといけません。


一度3次選考までいったわけですし、仕事探しの時に見つけた会社には、候補もそこそこ残っていたので、まだ大丈夫だろうと思っていました。


ところが次の日です。


C社の採用担当から電話がありました。


「橘さん、3次選考突破です。おめでとうございます」


僕は、何が何だか分かりませんでした。


電話がかかってきた時、ちょうどキャリアセンターで仕事を探していました。はっきり覚えています。落ちたと思ったので、仕事探しからやり直そうと考え、パソコンに座った直後に電話が鳴ったのでした。


C社から、電話がかかってくることも初めてでしたし、次の日に合否の連絡がくるのも初めてでした。


僕は、いまいち状況が呑み込めませんでしたが、まぁ受かったならラッキーです(笑)


もう少し、この会社で選考を進めてみようと思います。


今から別の会社を探すのは面倒ですしね(笑)


という事で、僕は4次選考に進みました。次は、役員面接です。


社長面接はありますけど、ここさえ通ればほぼ合格でしょう。


やっとリーチが見えてきました。


そして僕は、面接練習の中に「ネガティブ面接のパターン」を組み込むことにして、今までの練習をよりブラッシュアップさせるのでした。


はぁ~、しんどい(笑)


この話は、めちゃくちゃ覚えています(笑)


僕は、C社に入社するわけですけど、最後までこの面接をした人とは仲良くなれませんでしたね。いや、普通に話はしましたけど(笑)


今思うと、なんでこんな生意気な奴を合格させたのかは分かりません(笑)


この方、一度だけ僕に向かって「学生に論破されたのは君が初めてだった」と言ったことがあります。合格できた要因は、この発言の中にあるかもしれません(笑)


毅然とした態度、負けない強さ、そういうのが好きだったのかな。いや、本当のところは分かりませけど(笑)


まぁ、運が良かったという事にしておきましょう(笑)


さて明日は、役員面接の話をします。


僕は初めて、体験したことが無い空気の中で面接をすることとなります。


この役員面接も、結構内容を覚えています。


という事で、かなり生々しく書けると思います。良ければ楽しんでいってください(笑)


それでは、続きはまた明日に!

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