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銭湯と僕

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記事一覧

銭湯と僕⑫

ここまで銭湯と僕について、色々なことを書いてきた。

僕は家の近くにある銭湯に通って、その魅力に気が付いて。
その後、色々な銭湯を見て回りたいって気持ちが強くなって。
基本的には東京都内だけれどもあちこちの銭湯に実際に足を運んで、自分で体験をして。
その最中で、新型コロナウイルスの影響で銭湯巡りを中断、さらに銭湯に行くことすら一回止めて。
少しずつ銭湯に行くことを再開したけど、あくまで住んでいる地

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銭湯と僕 番外編

銭湯と僕 番外編

今日は番外編です。
というのも、最終回はきっちりと書きたくて。
今回はちょっと納得いかなかったので。

最近、僕は生活銭湯として荒川区にある「雲翠泉さん」をしょっちゅう利用している。それこそ、前まではリノベーションされた綺麗な銭湯に行くことの方が多かったけどその気持ちが減少して逆に今は古き良き銭湯に行くことが多い。

これは完全に僕の性格が影響している。
僕は、場所を問わず人込みが苦手。
人が多い

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銭湯と僕⑪

銭湯と僕⑪

※写真の猫は喜楽湯さんの看板猫たたみです。自粛明け一発目で行った時に写真を撮りました。SNSへの掲載はお店に許可を頂いています。

梅の湯さんでの掃除を始めるまでは実は時間がかかっていた。
実は今年に入って早々からそういう話をしていたんだ。
けれども、今年は多くの人に様々な影響を与えた新型コロナウイルスが流行し、外出を自粛した。

3月から緊急事態宣言が解除されるまでの間、僕は荒川区に引っ越してき

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銭湯と僕⑩

『めぞん梅の湯』に参加した僕は、元々持っていた街作りへの興味に加えて、銭湯の裏側を知ってみたいと思うようになった。

僕は銭湯は究極のコミュニティスペースだと思っていて、銭湯は色々なことができると勝手に考えている。その銭湯が普段どんなことをやっているのかを知らないと色々なことを話したりできないなと思った。

銭湯が好きになって、色々な銭湯に行って入浴をする。
それをずっと繰り返してしていると、ある

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銭湯と僕⑨

銭湯と僕⑨

僕が良く行っている銭湯である、梅の湯さんが『めぞん梅の湯』というものをやるとTwitterでアナウンスをされていた。

梅の湯さんの近くにある、とある場所を使って地域の人達を含めて色々なことができるスペースを作るということ。そのスペースを作る作業的なことをやる人の募集をしていました。所謂アルバイト的なものではなく、ワークショップみたいな感じで色々とやっていくみたいだった。

僕はやのさんやアツシさ

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銭湯と僕⑧

銭湯と僕⑧

同じ趣味を持つ様々な人達と知り合うことができてから、僕は銭湯だけでなく、サウナにもよく入るようになった。サウナによる気持ち良さの切っ掛けを知ったのは荒川区の梅の湯さんだ。

梅の湯さんはサウナが入浴料金のみで入れるということもあって、初めてでサウナの料金を支払うのはちょっと・・・・っと今では想像もできないような考えを持っていた僕にとってはハードルが凄く低かった。
『せっかくだし、入って行こうかな・

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銭湯と僕⑦

銭湯と僕⑦

ザっくりととのうサウナ入門のサウナインタビューに回答した僕はそれがきっかけで、管理人のやのさんと少しばかり繋がりが出来た。

管理人のやのさんは、サウナ好きの人達を集めて少人数の交流会を開いたりしていた。そんなやのさんが企画していたサウナ(銭湯)好きの交流会に勇気を出して参加してみた。

記憶がもう既にあやふやになっているけれども、2年くらい前の年末に近いころだったと思う。もうすこし後だったかもし

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銭湯と僕⑥

銭湯と僕⑥

荒川区に引っ越しして、帝国湯に行ってから僕はますます銭湯にのめり込むようになった。のめり込むというよりも、僕の生活の一部の中に銭湯というものが入ってきたという方が正しいかもしれない。

元来、僕は物事をマイナス思考に考えがちで人が外から見ている以上に疲弊していることが多い。外側から見ると、温厚で真面目でそれでいてそこそこストレス耐性があるように見えるみたいだけど、全然そんなことはない。
毎日会社帰

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銭湯と僕⑤

銭湯と僕⑤

「どこに引っ越すことにするの?」
両親からそう聞かれた。
「うーん、まだ決まってないんだよね」
僕はそう回答した。でも、その時も何となく心には決まっていた。

まず引っ越しをするにあたっての条件は、実家にも会社にも行きやすい場所。できれば会社に行くのには乗り換えが無い事。秋葉原や神田、東京方面に出かけることが多かったので、そちらの方面に出やすい所。
そして、僕自身が心に決めていたのは『銭湯』が近く

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銭湯と僕④

大学院生時代に銭湯が身近にある生活を経験した僕は、就職活動を行い東京都内の会社に就職することになった。

「あなた、大学に残るつもりはない?それか研究所で働かない?」
就職活動をしている時に教授にそう声をかけられた。
「凄く嬉しいですありがとうございます。でも、ここまでずっと研究をやってきました。研究だけではなくきちんと外の世界を見ておきたいと思っています。」
「わかったわ。ちゃんとそこまで考えて

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銭湯と僕③

銭湯と僕③

大学生の時に、僕は中学生以来の再会を銭湯と果たした。
それは、僕の記憶としては鮮烈な再会だった。
だって、友達について行ったらそのまま掃除の手伝いをするなんてそれは本当に中々無い再会だと思う。

再会してから、僕は多少ではあるけれども銭湯やスーパー銭湯に足を運ぶ機会が増えた。特に、大学の友人とスーパー銭湯に行くことは多かった。もちろん静かにのんびりをしていたので、迷惑をかけたりしていなかったとは思

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銭湯と僕②

記憶にある限り、最古の銭湯の思い出を前回書いた。
今回は銭湯との再会について記しておこうと思う。

高校生になってからは、毎日勉強ばっかりやっていたから銭湯に行くという発想は一切なかった。もちろん、その期間も家族で温泉旅行に行ったりはしていたので大浴場というものにはずっと触れていた。

僕は銭湯や温泉云々を抜きにして、そもそも入浴という行為自体が凄く好き。勉強で忙しくても必ず湯船には入っていた。シ

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銭湯と僕①

銭湯と僕①

※この物語は半分フィクションで半分ノンフィクションみたいな話です。
小説とエッセイの間くらいと思ってもらえると嬉しいです。

特に思い返してみても、切っ掛けなんてものはなかった。
はっきりと、僕の記憶に残っているのは子どもの頃のこと。

「今日、給湯器が壊れちゃってお湯が出ないんだよ」
母親が困惑した顔で僕に言った。
「ええーじゃあお風呂入れないの?」
中学生の僕は、毎日部活をやっていたから汗だく

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