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銭湯と僕⑪

※写真の猫は喜楽湯さんの看板猫たたみです。自粛明け一発目で行った時に写真を撮りました。SNSへの掲載はお店に許可を頂いています。

梅の湯さんでの掃除を始めるまでは実は時間がかかっていた。
実は今年に入って早々からそういう話をしていたんだ。
けれども、今年は多くの人に様々な影響を与えた新型コロナウイルスが流行し、外出を自粛した。

3月から緊急事態宣言が解除されるまでの間、僕は荒川区に引っ越してきてから初めてこんなに銭湯に行かないという生活をした。
もちろん、僕は銭湯に『依存』しているわけではないから禁断症状的なものは出たりしなかったし、家の湯船にお湯を張ってのんびり入ったりしていた。

家のお風呂に入ることで、家のお風呂の良さにも改めて気が付いた。
好きな音楽を大音量で流しながら入っても良いし、ずっと自分のペースで入っていられるし、温度も好きなように調整できる。やっぱり僕は銭湯が好きである前に入浴といものが好きなんだなと改めて思った。

けれども、やっぱり何か物足りない気持ちっていうのはずっとあった。
今まではあちこちの銭湯に行って、それを楽しんでいたけれどもそれができないどころかそもそも銭湯にも行っていない。もちろん銭湯に行ってはいけないという訳でなかったけれども、あの頃はまだ新型コロナウイルスについて分からないことが多すぎていつ自分が感染してしまうか、いつ自分が他人に移してしまうかが怖くて結果的に行かなかった。僕は僕自身のこの判断は決して間違っていなかったと思っている。もちろん、銭湯に行っていた人が間違っているとかではなくて。

だから、緊急事態宣言が明けてちゃんと感染対策をしたうえで銭湯にいくことができるようになったときは本当に嬉しかった。僕の自粛明け一発目は川口にある喜楽湯さんの貸し切り銭湯だったのだけれどもこれが本当に最高だった。元々喜楽湯さんのお湯と相性が良くて凄く好きということもあるけど、銭湯に行けるという今まで当たり前だったことが尊いと感じて。それがまた気持ち良さというものに大していいスパイスになったんだと思う。

そして、自粛明けになって梅の湯さんの掃除を手伝い始めて僕は一つの事に気が付いた。あちこちの銭湯に行っていたけど、今住んでいる地域の銭湯をもっと大切に・・・・というか応援したいという気持ちが強くなっていた。実際、緊急事態宣言が明けてもやはり移動はしにくい状況は依然と続いてた。こういうときに営業している住んでいる地域の銭湯があることは本当にありがたかったし、この先もこれから続けて欲しいって心の底から思うようになった。

そうなると、僕はとにかく毎日荒川区の銭湯に行くようになった。
仕事が在宅勤務になったというのもあって、今まで以上に行きやすくなった。そうすることで銭湯だけじゃなくてまだまだ荒川区の事を全然知らなかったことにも気が付いて一石二鳥みたいな感じだった。

コロナによる自粛が無ければ、ここまで住んでいる地域に目を向けたりしなかったかもしれない。荒川区の銭湯はリニューアルした新しい銭湯から古き良き昭和の銭湯まで多種多様でその日の気分に合わせてあちこちに行ける。これはきっと荒川区に限らず他の区も同じだと思う。

だから、僕は多くの人に自分が住んでいる地域の銭湯に行って欲しいなって思う。あちこち行くのも良いけど、たまには地元回帰をしてみるのも良いと思うんだ。何より地元の銭湯だからって行かないと、今見たいな状況が続いていしまうといつ廃業してしまうか分からないから。
少しでも地域の銭湯の役に立てたらって思って梅の湯掃除を手伝っている。

次回はいよいよ最終回。
僕が今後どういう風に動きたいのか、銭湯の魅力っていうありったけの事を書きたいと思う。

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