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『弓と禅 改版』オイゲン・ヘリゲル
弓道場は心がすずやかになれる場所だ。花道や茶道と同じく幽玄の世界を垣間見る事ができ、その間は普段の仕事や日常生活を切り離すことができる。
著者は大正時代の終わりに大学教授として日本に滞在していたドイツ哲学者である。映画『ベスト・キッド』ではないが、本書は師範の元で鍛錬を通じ禅を学ぶ記録となっている。ここで登場する弓矢の名人とは、剣聖ならぬ弓聖と称された阿波研造。彼の射法はテクニックではなく精神性
『芸術闘争論』村上隆
本書は世界のアート界で活躍する筆者が芸術を志す新人アーティストに向けたメッセージだ。
筆者はアート界を視野にいれた芸術活動においては、欧米主体のグローバル・ルールを知らないで制作していても無駄であると述べている。同時に芸術の世界で必要なのはパトロンがいて成り立ってきた資本主義社会の背景とルールを知ることと、コンテクストにより自分の作品を武装し付加価値を身につける事だと諭す。
つまり画家としての