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頭脳を明晰にし、若返り効果もあるスパイス

こんにちは。
フォレスト出版編集部の森上です。
 
独特の甘い香りとさわやかなほろ苦さに特徴があるスパイスといえば、「ローズマリー」です。肉料理などでよく使われるこのスパイス。実は、頭脳を明晰にし、若返り効果もあるといわれています。
 
スパイスコーディネーター協会の理事長としてスパイス活用の普及に努め、日本国内はもちろん、欧米諸国のスパイス研究者に高く評価されている、日本におけるスパイス研究の第一人者として知られている武政三男さんは、監修した書籍『スパイス活用超健康法』の中で、「ローズマリー」の特徴や効用について、わかりやすく解説しています。今回は、本書の中から該当箇所を一部抜粋・編集して紹介いたします。



聖母マリアの伝説に由来する

 独特の甘い香りとさわやかなほろ苦さに特徴がある、ヨーロッパの家庭料理には欠かすことのできないスパイスです。強い香りは特に肉料理との相性が良く、鶏肉、マトン、豚肉料理によく使われます。
 野菜ではカブ、カリフラワー、ジャガイモのスープや料理の香りづけに使用されます。また、サラダ用のドレッシングに生の葉を加えると、オリジナリティのある風味が楽しめます。
 高さ1・5〜2メートルになる灌木で、松葉状の葉をつけます。寒さにも強いので、日本でも生け垣や植え込みに使用されることもあります。
 春から夏にかけて紫色の小さな花が総状花序を形成します。このかわいい花には美しい伝説があります。
 聖母マリアが幼いキリストと旅をしているときに、白い花の咲く香りのいい灌木に青いマントをかけて休みました。翌朝、目が覚めると白い花がマントと同じ青色に変わっていたのです。それ以降、この花は「マリアのバラ(ローズ・オブ・マリー)」と呼ばれるようになりました。

頭痛や歯痛の鎮痛効果がある「ローズマリー・ティー」

 ローズマリーが持つ抗酸化作用は古くから知られ、ヨーロッパ各地で健胃薬、風邪薬、神経緩和薬として利用されてきました。植物医療家、モーリス・メッセゲが著した『薬草療法』にも多くの効能が記載されています。日本ではローズマリーの精油を皮膚病の治療に使っていたという記録が残っています。
 薬用として使用するには、ローズマリー・ティーにするのが手軽です。水1リットルに対してスーパーで売っている小枝を1〜2本ほど煮出して(データ出典『スパイス百科事典』)、1日に1〜3杯ほど飲むと鎮痛効果が得られます。
 頭痛や歯痛があるときに試してみてください。また、濃く煎じて冷やせば、うがい薬としても使えます。
 また、ブランデー250ミリリットルに乾燥させた葉をひとつまみほど浸しておけば(データ出典『スパイス百科事典』)、チンキ剤となります。1日小さじ1杯の服用で効果が得られます。

若返り効果で注目の「ハンガリー水」の原料

 ローズマリーには頭脳を明晰にし、記憶を甦らせるという言い伝えがあります。実際に、ギリシャの学生は試験のときにローズマリーの花輪を髪に結んだそうです。
 記憶力を良くするという逸話は、シェークスピアの「ハムレット」の重要な場面にも登場します。ぐっと信憑性が増しますね。
 ローズマリーの甘い香りは香料の原料としても広く利用されています。オーデコロンの高級原料として知られるロスマリン油は、ローズマリーの花と葉から取った精油のことです。また、若返り効果があるとして女性に根強い人気がある化粧品「ハンガリー水」は、ローズマリーをアルコールに漬け蒸留してつくったものです。
 そのほか、香水、デオドラント、ヘアトニック、石けん、エアフレッシュナー、口腔清涼剤から殺虫剤まで、多くの工業製品に用いられています。

いかがでしたか?
 
武政さんが監修した『スパイス活用超健康法』では、スパイスの効用を活用した健康法をスパイス別、効能別でわかりやすく解説しています。興味のある方はチェックしてみてください。
 

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