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スパイス界の隠れた主役「クミン」のスゴさ

こんにちは。
フォレスト出版編集部の森上です。

スパイス好き、特にカレー好きにとって欠かすことができないのが「クミン」ですよね。クミンは、スパイス研究者や愛好家の中でも、「スパイス界の隠れた主役」と呼ばれています。

勘のいい人はお気づきでしょう。クミンは複数のスパイスとブレンドすることで、最高の能力を発揮する。つまり、隠れた主役なのです。

スパイスコーディネーター協会の理事長としてスパイス活用の普及に努め、日本国内はもちろん、欧米諸国のスパイス研究者に高く評価されている、日本におけるスパイス研究の第一人者として知られている武政三男さんは、監修した書籍『スパイス活用超健康法』の中で、「クミン」の特徴や効用について、わかりやすく解説しています。今回は、本書の中から該当箇所を一部抜粋・編集して紹介いたします。

クミン

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チリパウダーでも主役

 高さが30 〜60センチのセリ科の一年草です。茎から多くの枝を出し、その尖端に白またはピンクの可憐な花をつけます。
 スパイスとして用いられるのは種子です。草が枯れてから収穫し、天日乾燥してから脱穀して種子を採ります。乾燥した種子は、独特の強い芳香と若干の辛味と苦味を持っています。
 いろいろな国で栽培されていますが、香りには大きな違いがあります。最も商品価値が高いのはブルガリア産で、香り成分のクミナール(クミンアルデヒド)の含有量が多いことがわかっています。収穫量最大を誇るのはイランです。
 クミンはカレー粉をブレンドするうえで主材料となる、とても重要なスパイスです。クミンシードを噛んだだけで、カレー粉の特徴的な香りを感じることができるほどです。
 ただし、クミンを単独で使用すると、嫌な香りが際立つことがあります。したがって複数のスパイスとブレンドして使うことが基本となります。
 クミンはカレー粉だけではなく、メキシコ料理で使うチリパウダーの主材料でもあります。世界の二大ブレンドスパイスで主材料になるぐらいですから、スパイス界の隠れた主役といえます。

デトックス効果でも注目!
メディカルハーブ分野で欠かせないスパイス

 クミンの薬理効果は古くから認められていました。原産地、エジプトで紀元前1500年頃に書かれた医術書にもクミンの記述があるそうです。また、紀元前4000年頃にミイラの保存のために、ほかのハーブとともにクミンが使われていたこともわかっています。
 また、インドのアーユルヴェーダでは健胃薬、張った腹のガスを抜く駆風剤、さらには興奮剤として利用されていました。
 さらに15世紀にイギリスで表された「医薬処方書」では、痛風、リウマチ、神経痛に効く薬として取り上げられています。
 栽培地域が広いだけに、世界各地で薬草として利用されていたのです。
 現代でもメディカルハーブの分野では欠かせないスパイスで、胃腸の働きを促進し、胃痛を和らげる効果が期待されています。また、体内の毒素を排出するデトックス効果があるともいわれています。
 中世ヨーロッパでは、「クミンは恋人の心変わりを防ぐ」という言い伝えがありました。騎士が戦場に行くときに故郷に残る恋人にクミンを持たせたり、結婚式の誓いに使っていたそうです。
 スパイス好き同士の結婚式なら、こんな演出も楽しいかもしれませんね。

いかがでしたか?

武政さんが監修した『スパイス活用超健康法』では、スパイスの効用を活用した健康法をスパイス別、効能別でわかりやすく解説しています。興味のある方はチェックしてみてください。

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