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スパイスは、セカンドサプリメントである

こんにちは。
フォレスト出版の森上です。

健康補助、栄養補給として「サプリメント」を日常的に取り入れている方は増えているようです。普段の食事ではなかなか取り入れられない、または足りない栄養素をサプリメントで補給するのはとても効率的で健康にもいいですよね。

そんなサプリメントですが、わざわざサプリメントとして取り入れなくても、日常の食事にスパイスを取り入れるだけで、十分に栄養補給、健康補助になるのをご存じでしょうか?

スパイスの歴史を振り返るとわかるのですが、スパイスは薬やサプリメントのルーツなんです。ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、自国にスパイスを確保するために、戦争が起きるぐらい。それぐらいスパイスは効用があり、貴重なものだったのです。

ただ、スパイスを料理に入れると味が辛くなると思いがちですが、先日の記事でもお伝えしたとおり、そんなことはありません。

▼参考note記事はこちら

スパイスコーディネーター協会の理事長としてスパイス活用の普及に努め、日本国内はもちろん、欧米諸国のスパイス研究者に高く評価されている、日本におけるスパイス研究の第一人者として知られている武政三男さんは、監修した書籍『スパイス活用超健康法』の中で、スパイスがセカンドサプリメントである理由や取り入れ方の注意点をわかりやすく解説しています。今回は、本書の中から該当箇所を一部抜粋・編集して紹介いたします。

なぜホルモン焼きを食べると、疲れが取れるのか?

 まず、こんな場面を思い浮かべてください。
「ああ、今日は忙しかった。みんなでホルモン焼きでも食べに行かない?」
 仕事が終わった職場で、よく聞かれる会話ですね。
 確かに疲れたときに、ニンニク(ガーリック)が効いたホルモン焼きを食べると、元気が回復するものです。
 これは、単にお腹がいっぱいになったから元気が出たのではありません。ニンニクに含まれる独特の香り成分、アリシンが働いたと考えられるのです。
 アリシンは、疲労回復を謳った薬やサプリメントによく配合されている有効成分です。そのパワーは多くの研究によって立証されています。
 もちろん、医薬メーカーはニンニクを絞ってサプリにしているのではなく、最先端のテクノロジーを駆使して化学的に合成しています。
 要するに、まったく同じ成分を「サプリから取るか」「ホルモン焼きから取るか」ということです。
 ニンニクというスパイスは、セカンドサプリメントと呼びたいパワーを秘めているのです。

スパイスは、薬やサプリのルーツ

 スパイスが持つパワーは、歴史を振り返るとよくわかります。
 みなさんは、体調を崩したときにはどうしますか?
 もちろん、市販の薬を飲んだり病院で治療を受けたりしますね。現代の医療で使われている薬の多くは症状に合った有効成分を化学的に合成し、それを錠剤や液体という摂取しやすい形に加工したものです。
 では、ここで問題です。
 薬品に用いられているさまざまな成分は、本来、どこから発見されたのでしょうか?
 薬などない古代において、体調を崩したときに頼りになったのは、植物の葉や根でした。それを採って混ぜ合わせたり、加工したりしていたのです。
 ヨーロッパでも中国でも長い間、薬用植物を処方していました。「風邪をひいて喉が痛い」「悪いものを食べて下痢が止まらない」というときには、それぞれの効能がある植物を煎じていたのです。
 それが、いわゆる生薬です。
 西洋医学が発達すると、薬用植物の成分をもっと効率的に利用しようという発想が生まれました。そして、植物の有効成分を抽出する技術が開発され、さらには化学的に合成することも可能になりました。
 それが19世紀のことですから、意外と新しい技術といえます。
 そこから進歩は加速します。
 化学薬品の製造が大規模に行なわれるようになり、いくつもの有効成分がブレンドされた「胃薬」「総合感冒薬」「頭痛薬」などの商品が生まれました。病院でドクターが使う薬も同様です。これが医療の進歩を支えてきたわけです。
 問題の答えは、「薬用植物(スパイス)」です。
 今、ドラッグストアで販売されている薬の元祖は、薬用植物と考えられます。スパイスは食品ですが、薬品やサプリのルーツといえるわけです。有効成分の抽出や合成はしないので薬とは異なりますが、より自然に近い形で健康にいい成分を含んでいるのです。

スパイスを食事に取り入れる際の注意点

 健康づくりに貢献するスパイスですが、薬ではないので、基本的に「胃腸の調子が悪いからスパイスを多めにしよう」というような使い方はしません。インドでは、体調に合わせて分量を調整して使われる場合があります。
 日常的に普段の食事に取り入れて食べているうちに、知らず知らずに健康になっている。そんな効果が期待できるのです。
 もう1つの注意は、スパイスはブレンドをして使うということです。
 単独で使用すると、味や風味が強くなりすぎる「オーバースパイス」という状況になります。
 スパイスのブレンドと聞くと難しそうに感じますが、そんなことはありません。
 まずは、目的が同じ3種類を混ぜ合わせてみましょう。

◎香りのスパイス……ナツメグ、クローブ、シナモン
◎辛味のスパイス……ショウガ(ジンジャー)、トウガラシ(レッドペパー)、コショウ(ペパー)
◎エスニックなスパイス……コリアンダー、クミン、カルダモン

 以上の9種類のスパイスに、きれいな黄色をつけるターメリックを加えた10種類は、カレーをつくるときの基本中の基本です。
 私の師匠であり、本書の監修者である武政先生は、これを「カレー(華麗)なるブレンド」と呼んでいます。
 また、辛味のスパイスの3種(ショウガ、黒コショウ、長コショウ)は、アーユルヴェーダで「トリカトゥー」と呼ばれ、体のエネルギーを高める配合のベースに使われます。
 スーパーで10種類のスパイス(パウダー)を買ってきて、ターメリック以外の香り、辛味、エスニックのスパイスを1:1:1で混ぜて、新しい3つの瓶に入れてみてください。
 これで基本のブレンドが完成です。

いかがでしたか?

武政さんが監修した『スパイス活用超健康法』では、スパイスの効用を活用した健康法をスパイス別、効能別でわかりやすく解説しています。興味のある方はチェックしてみてください。



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