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減塩・減糖対策にスパイス活用のすすめ

こんにちは。
フォレスト出版の森上です。

健康診断で血圧や血糖値が高い結果が出てしまい、食事制限を強いられる――。そんな悩みを抱えている人もいるかもしれません。一番の対策法は、減塩・減糖対策かと思うのですが、せっかくの料理も薄味でおいしくないと不満を漏らす人が多いようです。

さて、そんな方に朗報です。

スパイスをうまく活用すると、減塩・減糖も実現しながら、おいしく料理が楽しめるんです。

スパイスコーディネーター協会の理事長としてスパイス活用の普及に努め、日本国内はもちろん、欧米諸国のスパイス研究者に高く評価されている、日本におけるスパイス研究の第一人者として知られている武政三男さんは、監修した書籍『スパイス活用超健康法』の中で、減塩・減糖の切り札としてスパイスを活用する方法をわかりやすく解説しています。今回は、本書の中から該当箇所を一部抜粋・編集して紹介いたします。

国民の4000万人は高血圧! スパイス減塩で高血圧を抑える

 高血圧は、生活習慣病のなかでも最も患者数の多い病気です。
 高血圧の基準値は「収縮時140mmHg」ですが、130mmHg を超えると「正常高値血圧」、いわば高血圧予備軍となります。テレビのコマーシャルでも盛んに訴えているように、「130mmHgを超えると要注意」というわけです。
 予備軍も含めた高血圧患者は、全国に4000万人もいるといわれています。つまり、日本人の3人に1人は高血圧という計算です。これは驚くべき数字ですね。
 高血圧は周囲にも同類が多いだけに、「ちょっとくらい高くても大丈夫だろう」と軽視される傾向にあります。健康診断で「予備軍ですよ」といわれても、病院に行く人が少ないのです。
 しかし、血圧が高いと血管が傷みやすくなり、糖尿病や脳梗塞、心筋梗塞など深刻な生活習慣病につながるリスクが高くなります。
 高血圧を甘く見てはいけません。
 高血圧になる原因はいくつかありますが、多くは塩分の取りすぎです。
 日本人は伝統的に塩分が多い食事をしてきました。しょうゆ、味噌などの発酵食品は味つけには欠かせませんね。また、魚や魚卵、肉は塩漬けにして保存してきました。漬け物や梅干しなども、塩をたくさん使います。日本食は健康的と考えられていますが、塩分量という点では優秀とはいえません。
 食生活が西洋風になった昭和50年代から日本人の塩分摂取量は減る傾向にありますが、今でもほかの国に比べれば多いほうです。
 塩を取りすぎると、なぜ血圧が高くなるのでしょうか?
 それは、血液の塩分濃度を下げるために血管が水分を吸収し、血液量が増えるからです。ホースを流れる水量が増えると、水圧が高くなるのと同じ理屈です。
 なぜ、塩分濃度を一定にする必要があるかというと、体調を維持するホルモンがある塩分濃度でしか正しく働かないからです。人間の体は、とてもデリケートにできているのです。
 高血圧の薬の多くは、利尿剤です。尿は、腎臓で血液をろ過することでつくられます。腎機能を促進し、尿をたくさんつくることで、血液中の水分を減らそうというわけです。

塩分の「オルタナス効果」を使いこなす

 前置きが長くなりましたが、高血圧を改善するためには、塩分摂取量を減らすのがシンプルで効果的といえます。
 人間の体を維持するために塩が必要だという人がいますが、それは誤りです。
 人間が誕生して狩猟、採取生活をしている時代には、塩そのものはありませんでした。塩は人類の発展とともに食生活に入ってきた、いわばぜいたく品です。塩気の薄いものは物足りなく感じ、塩気が効いているものはおいしく感じます。人間の生活が豊かになるにつれ、塩分が多くなってきたといえます。
 要するに、塩を使わなくてもおいしいと感じればいいわけです。
 ここで颯爽と登場するのが、スパイスです。スパイスを効かせ、辛味や旨味を強くすることで塩分量を抑えることができます。
 そのほか、ニンニク(ガーリック)、カラシ(マスタード)、フェネル、タマネギ(オニオン)、ショウガ(ジンジャー)などには利尿効果があるとされています。血圧のコントロール、腎機能のアップに効果がありそうです。

コーヒー+スパイスミックスが血液をサラサラにする

 高血圧を抑制するのが減塩なら、糖尿病を防ぐには、減糖がポイントとなります。
 糖質は人間の活動には欠かせない栄養素ですが、必要以上に摂取すると、血液中にブドウ糖があふれ出します。
 これが血糖値の高い状態で、よく血液ドロドロとかベトベトと表現されます。高血圧と同様に血糖値が高いと毛細血管が切れやすくなり、脳梗塞や心筋梗塞の原因となります。
 血液はサラサラに限ります。
 コーヒーが生活習慣病を防ぐという報告が、日本のがん研究会をはじめ、世界各地から上がっています。「1日にコーヒーを3〜5杯飲む人は長生きをする」という説には信憑性があるようです。
 ところが、コーヒーには砂糖がつきものです。せっかく健康を考えてコーヒーを飲んでも、そのたびに砂糖を入れるのでは血糖値が上がってしまいます。特に年配の人は、味覚が鈍っているために砂糖を多く入れる傾向があるといいます。
 そこで試してほしいのが、ブランデーに香りの基本スパイス(ナツメグ、クローブ、シナモン)と少量のクエン酸を溶かした、自家製の「スパイスミックス」です。
 これをコーヒーに加えると、不思議なことに苦味が消えて、砂糖なしでも飲みやすくなるのです。もちろん、コーヒーばかりでなく、渋味が気になるお茶にも使えます。
 小さなスプレー容器を100円ショップで買ってスパイスミックスを入れておくと、携帯にも便利です。コーヒーに砂糖を入れようとしている人に、さっと取り出してスプレーを渡せば、しゃれたパフォーマンスにもなりますね。
 また、シナモンは、多くの動物実験で血糖値を下げるというレポートが出されています。コーヒーとシナモン、またはスパイスミックスの組み合わせは、いい効果が期待できそうです。

いかがでしたか?

武政さんが監修した『スパイス活用超健康法』では、スパイスの効用を活用した健康法をスパイス別、効能別でわかりやすく解説しています。興味のある方はチェックしてみてください。




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