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小栗の椿 会津の雪 はじめに

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  小栗上野介の名前を初めて知ったのはいつのことだろうと考えたことがあります。
  はっきりとしたことは覚えていないけれど、幼い頃私が住んでいた東吾妻町から高崎市に向かう途中に、東善寺があり、小栗上野介の墓という看板をいつも眺めていたような気がします。
   そして、昔話を聞くのが好きだった幼い私が、祖母から小栗上野介の話を聞いたのが始まりだったのかもしれません。この人がどんなにすごい人だったのかという話よりも、井戸から小栗公の小判が出たという話や、近所のおじさんのご先祖様は小栗公の家来だったらしい、会津にも行ったんだって……、という話を断片的に聞いていただけでした。
    私の中で小栗上野介は、身近だけど、どこかミステリアスな存在として胸の中に宿っていたのでした。
   小栗上野介に、はっきりと、そして、猛烈に興味を持ったのはとある本との出会いでした。小栗上野介が何をした人なのか、そして、今まで聞いていた話が一本のストーリーとなって溢れ出てきたのです。
   そして、小栗の奥方たちの会津への逃避行を調べるうちに、権田村の若者たちと一緒に戦った会津の人々、とりわけもう一つの白虎隊の存在に出合ったのです。

小栗上野介一族の悲劇・寄合白虎隊

    この2冊の本との出会いがなければ、「小栗の椿会津の雪」という物語は生まれませんでした。郷土の歴史を研究し、残してくださったお二人に敬意と感謝を伝えたいと思います。    

    いつか、この物語を世に出したい、そう思っていましたが機会がなく、退職したら自費出版でもしようと思っていた私が、WEBで公開しようと決意したのは、叔父との突然の別れがきっかけでした。この物語に出てくる登場人物と名字も住んでいる地区も同じ叔父は、もしかしたら子孫なのかもしれない、いつか聞いてみよう、そう思っていた中突然事故で亡くなったのです。
    いつかは二度とないかもしれない。今しか出会えない人もいるかもしれない。
    奇しくも、東善寺では小栗上野介の記念館の設立の動きがあります。お隣の中之条ビエンナーレでも小栗の舞台の公演、ミュゼで企画展も行われるそうです。
   この機会に、この物語が必要な方と出会えますように、そう願いをこめて。
    「小栗の椿会津の雪」は、小栗上野介の死と、そこから始まる権田村の若者たちの物語です。令和5年9月8日から毎週金曜日の夜に更新する予定ですので、秋の夜長にお楽しみいただけると幸いです。

①序章「初雪」

②第1章「斬首①」

③第1章「斬首②」

④第1章「斬首③」

⑤第1章「斬首」④

⑥第2章「逃避行」①

⑦第2章「逃避行」②

⑧第2章「逃避行」③

⑨第2章「逃避行」④

⑩第3章「三国峠」①

⑪第3章「三国峠」②

⑫第3章「三国峠」③

⑬第4章「城下」①

⑭第4章「城下」②

⑮第4章「城下」③

⑯第4章「城下」④

⑰第5章「出陣」①

⑱第5章「出陣」②

⑲第5章「出陣」③

⑳第5章「出陣」④

㉑第6章「激戦」①

㉒第6章「激戦」②

㉓第6章「激戦」③

㉔最終章「足音」


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