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【写真館607】それは空堀なのです

今日の一枚はコチラです。

名古屋城本丸を囲むお堀。中には2頭の鹿さんが住んでいます。名前は「ヤマムラ」と「モミジ」…どっちがどっちかは未だに分からないですが(笑)、いつのまにやら名前がついていました。

と、今日はそのお話ではなく(え)

ときどき観光客さんが「このお堀、水が涸れちゃったんだねぇ」とおっしゃるのを聞きます。そのたびに、私は心のなかでもにょっと「ちがうのござる…これはもとから『空堀(からぼり)』なのでござるるるぅ」と呟くのです。

名古屋城は、あつた台地の北端に建てられました。そうして、何やら特殊な工法を採ったのか、そもそもの地質だったのかは存じ上げないのですが、この本丸を囲む堀と、今の名古屋城を囲む堀(南側)、また三の丸の向こうにある外堀は全部「空堀」の形で造成されたのです。

これは、うちのとの(織田信長さま)に教えていただいたのですが、空堀の方が軍事的には強い防御になるんですって!

たしかに、城に潜入するとき水堀であれば、泳ぐことができますし、見つかりそうになっても水の中にもぐって息をひそめればよいわけです。

一方の空堀は、わりとえげつない高さと角度の石垣を一旦下りて、身を隠す場所もないまま、石垣に近づいて、底から再度のぼる必要があります。見つかりやすいわ、怪我しやすいわ、昇降の難易度が高いわ。そう言われてみれば、あまり入りたいとは思いませんよね。

だから、実はどこのお城も空堀をつくりたいと思うのだそうです。が、そのあたりは地下水とか、地質とかの関係で、いつのまにやら水堀になっていた…ぴえん…ということも多いそうです。

そういうお話を知ると、今でこそ観光地になっていますが、お城というのはそもそもはやはり軍事施設なのだなぁと改めて感嘆するのでした。


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