小さなきっかけが人生の転機になる②
「もう偽りの自分では生きられない!」と自分が爆発した瞬間がある。
フリースクールに就職後、私は分校のうちのひとつの責任者になった。
右も左もわからない。他のスタッフたちは年齢も上で、経験も長い。
そんな人たちと、どうしたら上手くやれるか、人に合わせて、気をつかって、自分の思いも伝えられず、怒られては落ち込み、相談する相手もおらず、孤独感の中で戦っていた。
プライドもあり、聞けないことも多かった。強がって弱い自分を見せられなかった。
何事も全力で、一生懸命やっていた。「大丈夫です」が口癖だった。
そして1か月半後、ひとりのこどもが私を避けるようになった。
「最近、嫌だ。怖い。」と打ち明けた。
「ごめんね」と謝った。
そしたらずーっと切羽詰まっていた自分に気がついた。
こどもは繊細だ。大人がどんな感情か感じることができる。
そして、そのピリピリした雰囲気を受け取りやすい。まさに写し鏡のように。
私は、張りつめていた糸がプツンと切れたように、代表の前で大泣きした。溢れた涙が止まらなくなった。
強がって人前では絶対泣くことのなかった私が泣いた。
「辛いです」と言葉にした。
もう限界だった。自分の中で何かがガラガラと音を立てて崩れた。
「もう私は自分を偽れない、本当の自分でしか生きられない。」
そして泣きながら、他のスタッフにも伝えた。
伝えることはものすごく怖かった。でも伝えるしかなかった。だってもう偽りの私でいられないと思ったから。
スタッフとの温厚な関係が崩れようが、嫌われることになろうが、スクールを辞めることになろうが、仕方ない、と覚悟した。
その夜、私は泣きながら、この先どうなっていくのだろうか、不安と恐怖に包まれて、眠れなかった。
これが本当に自分と向き合うことを始めたきっかけ。
それまでは「え?私、結構自分を生きられてる気がするな~、好きなことしてるし、自由だし。」と思っていて、本当の自分じゃないことに、心からは気づけていなかった。どこかで見ないようにしていた。
ここから先、さらに自分との向き合いを深めていった。
きっかけは突然現れる、本当に小さなことだった。
小さなきっかけが人生の転機になるpart①はこちら⇩
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